先日、コロナ禍で奮闘する医療従事者の方々へのエールを込めた、東京上空でのブルーインパルスの飛行が行われました。
前回の東京オリンピックの開会式では、空に五輪を描くなど、以前から有名なブルーインパルス。映像では幾度となく見てきたのですが、実際の飛行を見たことはなく、一度は生で見てみたいと思っていました。
そんな時、岐阜航空祭に、ブルーインパルスだけでなく、エアレースで活躍するあの室屋義秀さんが参加すると知って、この機会に是非とも見に行こう、と思ったのが事の始まりです。
今回は、前日車中泊で「岐阜航空祭」を見に行った時の様子や周辺情報を紹介します。
2020年現在、このようなイベントは軒並み中止になっていますが、今後再開されたときのために情報をまとめておきます。
航空祭の概要
実際にブルーインパルスのアクロバット飛行が見られるのは、主に航空自衛隊の基地で行われる「航空祭」の時です。
全国各地の自衛隊基地では、年に数回、基地内の一般開放を行い、国民への広報活動を行っているところが多いです。名称も内容も基地によって様々ですが、特に華やかなのが、飛行機の飛行展示が行われる航空自衛隊基地の「航空祭」です。
「航空祭」は、基地の規模などによって内容はかなり異なりますが、何と言っても、実際の飛行の様子が見られるのが人気の要因です。
中でも一番人気は「ブルーインパルス」が出演する航空祭です。ブルーインパルスは宮城県松島基地の所属ですが、年に何回かは、全国各地の航空祭に出向いて展示飛行を行っています。
今回の「岐阜航空祭」は、ブルーインパルスに加えて、世界を転戦するエアレースで、日本人初の年間チャンピオンに輝いた室屋義秀氏が演技飛行を披露するということで、ぜひ行ってみたいと思ったのです。
![2017岐阜航空祭パンフレット](https://yama-dora.com/wp-content/uploads/2020/09/49a3521e1ac177e9709fa6ec384af348-1024x715.jpg)
![2017岐阜航空祭パンフレット](https://yama-dora.com/wp-content/uploads/2020/09/5aa425e3b1d3e5db1946afc36035b63d-1024x715.jpg)
移動手段と駐車場
列車利用の場合
ネットで検索すると、列車利用を勧める方が多数派ですので、少しだけそれについて触れておきます。
航空自衛隊岐阜基地は、その北側を基地の敷地に沿うように「名鉄各務原線」と「JR高山線」が平行して走っており、駅からのアクセスが大変よいのが特徴です。
いくつもの駅から、数百mで入場口に着けるため、こちらがおすすめというわけです。
しかし、公共交通機関の常ですが、駅、列車内、入場口ともに大変に人が集中しますので、大混雑に対する心構えが必要です。最短距離の「名鉄三柿野駅」から「北門」までは100mちょっとの距離ですが、終始大群衆の中を移動していくことになります。
混雑を気にしなければ、歩く時間も短く時間通りに到着できるので、列車利用のメリットは少なくありません。
自家用車の場合
自家用車利用で問題となるのが駐車場です。私は中京圏からは遠く離れた場所に住んでいますので、前日に現地入りし、前泊することにしました。
ホテルなどの宿泊施設を利用すると、当日の朝、そこからの移動がまた大変です。そもそも近隣のホテルは早々と埋まっているのが実情で、期日が近づいてから呑気に確保できるものでもありません。
そこでいつもの「車中泊」を行うことになります。
駐車場のおすすめは
基地から1kmほどの範囲には、コインパーキングも含め、いくつもの駐車場がありますが、航空祭前日となると、空いているかは微妙なところです。また一晩泊めると、安いホテルに泊まるのとあまり変わらないくらいの料金がかかるところもあります。
そこで、混むのは承知の上でおすすめするのは、「市民公園」の駐車場です。
駐車台数は340台と広く、料金は60分100円、入庫から3時間は無料で、24時間の最大料金が600円と大変リーズナブルです。また公園地域の駐車場なので、車中泊をしてもあまり気にならない環境であることもありがたいです。
![各務原市民公園駐車場1](https://yama-dora.com/wp-content/uploads/2020/09/aa22317ae646d452d600cdecbe7478fa.jpg)
![各務原市民公園駐車場3](https://yama-dora.com/wp-content/uploads/2020/09/84af3f043f3455000f61e5e6caf75378.jpg)
前日土曜日の午後遅くに駐車場に着いたときには、けっこう広い駐車場ですが、すでに満車でした。
構内には入れたので、空きがないか見て回りましたが、ほとんど県外ナンバーで、車内が見えないように覆っている車が多いのです。明日の航空祭に向けて、車中泊目的で駐めている車ばかりであることは一目瞭然です。
それでもまだ前日なので、中には他の目的でこちらへ駐めている車もいるだろう、と思ってしばらく待っていると、ちょうど出て行く車があり、すかさずそこへ車を駐めました。
運良く駐めることができましたが、やはり「夕方では遅かったか」というのが正直な感想でした。
![各務原市民公園駐車場2](https://yama-dora.com/wp-content/uploads/2020/09/0e22b8f64fba5eba448ea59b4732bfad.jpg)
周辺は意外と何もない場所なので、食事や買い出しなどをする場合は、お店のある場所まで少し歩きます。駐車場所の確保が最優先なので、一度駐めたら帰る時まで動かせません。あらかじめ買い物などを済ませてから入庫するのがよさそうです。
当日の様子
基地入場まで
航空祭は、朝8:30からの開催です。開場前に並ぶ人もたくさんいるようですが、特に急ぐ理由もないので、開始の時刻に合わせて出掛けることにしました。
周囲の車は、やはりほとんどが車中泊組で、駐車場は満車のままです。すでに出発したか、自分と同じようにこれから出発という人たちが、あちこちに見られます。
8時10分頃、駐車場を出発します。基地までは1kmほどなので、ちょうど開場の頃に着くようにしました。
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基地方向へ向けて、あちこちから人が集まって来ます。折りたたみ自転車に乗っている人もいます。
国道21号那加バイパスから飛行場通りへ入る信号は、上の写真のような人混みです。そこからの歩道も、ずっと人が途切れることなく続いていました。
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「正門」に到着すると、すでにたくさんの人が入場していました。
入口で持ち物の検査がありますが、特に難しいチェックはありません。複数ある検査の列の一つに並んで順番を待ちます。
基地内の様子
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正門を入ると、そこは「南会場」になります。岐阜航空祭の会場は、「北会場」と「南会場」に分かれています。
「南会場」は滑走路南側の、草地が広がり比較的ゆっくりのんびりと見学できるスペースです。「北会場」は整備場がある一面コンクリートの地域で、セレモニーやブルーインパルスの離発着はこちらで行われます。
二つの会場はけっこう離れているので、会場間を結ぶ移動用のバスが行き来しています。
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展示されている機体を見ながら、滑走路方面へ進みます。
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途中に「売店」のコーナーがあり、様々な食べ物やお土産の店が並んでいます。会場が広いので、売店もかなりの数が連なっています。郵便局もありました。
航空祭でしか手に入らないグッズもあるようで、マニアの皆さんは収集に余念がありません。すでに品切れのものも多数ありました。私も、お土産にワッペンとミニタオルを購入しました。
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「写真エリア」までやってくると、たくさんのカメラマンが機材を構えて、航空機が飛来するのを待っていました。
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小松基地から飛来した輸送機C130-H。滑走路をかすめて飛行し、着陸することなく飛び去っていきました。
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航空機が来ると、一斉にレンズが空を向きシャッターが切られます。壮観です。私はコンパクトカメラのみなのでちょっと場違いでした。
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戦闘機の機動飛行の様子を見ながら、歩いて北会場へ移動します。
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旅客機型の輸送機が、上空を通過していきました。空中での給油の演示のようです。
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「北会場」へやってきました。人口密度は、北会場の方がはるかに高そうです。すでに「ブルーインパルス」もスタンバイしています。
ブルーインパルス
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ブルーインパルスの飛行展示は、航空祭の中でも最も人気のあるイベントです。周囲は人集りがすごくて、機体を見るのも一苦労です。
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パイロットの紹介など、飛行開始前のセレモニーがけっこう長いです。ブルーインパルスのパイロットというのは、航空自衛隊の中でも特別な存在なのでしょう。また各機体ごとに、専属のメカのチームが付いていることも初めて知りました。
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離陸すると、はるか南へ飛び、そこで編隊を整えて基地に向かって飛んで来ます。
そして、ちょうど基地の上で最も見栄えのする演出をして、爆音を残して北へ飛び去ります。
一つの隊形を飛び終えると、それぞれが再び南へ飛び、新しい隊形を作ってまた基地に向かってくるという繰り返しなので、次に飛んでくるまでに、けっこう待つ時間があります。
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空中をあのスピードで飛びながら、この近距離での飛行・・・。空を飛ぶものはドローンくらいしか操縦したことはありませんが、大変な技術であることはわかります。
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先行する機体の軌跡を、らせん状に回転しながら追っていく後続機。操縦席の景色を想像するだけで目が回りそうです。
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あいにく小雨が降り出したのは残念でしたが、圧巻の飛行を間近で見ることができ、十分に楽しめました。多くの人々が、航空機を理屈抜きでかっこいいと思う気持ちがよくわかります。
室屋義秀氏の飛行演技
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続いて行われた室屋義秀氏のアクロバット飛行は、雨の中での見物となりちょっと残念でしたが、こちらも圧巻のパフォーマンスでした。
先ほどまでのジェット機とは違い、小さなプロペラ機です。エンジン音もかわいらしく感じます。
そしてはるか上空へ登っていったと思ったら、エンジンの音が消える・・・。ふらふらと落ちる様子をハラハラして見ていると、再びエンジンが起動して機体を立て直し飛行を始める。
空中でこんなことをやって大丈夫か、と思うようなことをたくさん見せてくれました。
逆さまで飛行したり、木の葉のように落ちる機体を立て直したり、パイロットの空間認識能力というのはすごいものだと思います。
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まだ展示飛行のプログラムはありましたが、雨が降り始めたこともあり、室屋氏の飛行を見終えたところで会場を出ました。
終了直後は、周辺が大渋滞するとの情報もありましたが、特に混雑することもなく帰路につきました。
「航空祭」をまだ見たことがないのであれば、一度は見てみる価値があると思いました。
見学の注意点
混雑状況
![ブルーインパルス発着時の滑走路周辺](https://yama-dora.com/wp-content/uploads/2020/09/f9af1f25d5db8f2605b89bde9573c9cc.jpg)
人は多いですが、会場である基地が広大なので、全体的にはそこまで混雑という感じではありません。
食事は、売店が多数あるため、会場内で調達することも可能です。トイレの行列は仕方のないところです。
ただし、場所によっては「人波にまぎれて何とか見学」という所もあります。特に「ブルーインパルスの発着時の滑走路周辺」は大変混み合います。
なお、2017年の入場者数は13万人とのことでした。毎年の入場者数は、天候と展示飛行の内容によって、数万人単位で変動します。
持ち物には制限がある
![岐阜航空祭北会場の見学者の様子](https://yama-dora.com/wp-content/uploads/2020/09/b9e3ad2c8b07d41d0b82905ec9f0ea4c.jpg)
見学場所は、基本的にすべて野外なので、暖かい服装は必須です。(写真参照)
持ち込める物品には制限があります。自衛隊の基地なので、刃物や油類、火薬類などはもちろんアルコール類やドローンなどの機器も持ち込めません。
その他、見学の支障になるようなテントやタープ、ローラーブレード類も持ち込み禁止です。
2017年には禁止されていた、脚立や椅子(折りたたんだ状態で60cm以上のもの)などは、2019年には、北会場の航空機展示会場以外は持ち込みができるようになっているようです。
実際のところ、会場にはベンチなどはありませんが、草原やコンクリートの上など、座って休もうと思えば、至る所で休憩はできます。わざわざ大きな荷物を持っていくよりは、身軽に動ける支度がよいと思います。
私は、こういう場所に行く時は、小さなアルミ製の折りたたみ椅子をバックパックの中に入れていきますが、あまり使ったことはありません。いつ処分してきても惜しくない安物です。
![アルミ製折りたたみ椅子](https://yama-dora.com/wp-content/uploads/2020/09/DSC07907-2.jpg)
まとめ
岐阜航空祭に自家用車で行く場合は、前日に現地入りするのが確実です。
車中泊をするのであれば、市民公園駐車場に駐め、徒歩で会場に向かうのがおすすめです。
最後まで見学すると、帰路は渋滞に巻き込まれますので、終盤の展示にこだわりがないのであれば、早めに撤退するのが無難です。
会場内への禁止持ち物や注意事項は、毎年変更があるようですので、事前に基地のホームページなどから確認をしてお出かけください。(2020年は中止が決定しています)