3年ぶりに行動制限のない秋を迎え、「戸隠高原」へのツーリングに出かけました。
まだ紅葉には早い時期でしたが、ほのかに色づき始めた木々の間を戸隠の山々を眺めながら走り、合わせて戸隠にある五つの神社を巡ってきました。(神社めぐりについては別の記事で紹介します)
今回は、初秋の飯綱高原から戸隠高原への「戸隠バードライン」の様子を紹介します。
戸隠バードラインとは

「戸隠バードライン」は、長野市上松から戸隠を結ぶ観光ルートで、全長17kmの有料道路として建設されました。
1964年開通なので、すでに60年近い年月が経っていますが、その間に地附山地滑り災害で一部区間が崩落、廃道となるなど、激動の歴史を経て、現在は長野市道及び長野県道として無料開放されています。
前半はところどころで急坂を登ることになりますが、直線部分も多く、おおむね尾根上を走る開放的な道で、快適なドライブが楽しめます。後半は樹林の間を走る森林ルートになり、戸隠神社の参道へと続いていきます。
善光寺から飯綱高原へ

今回のスタート地点は「善光寺」です。

善光寺から西に進み、横沢町の信号から坂を登って行くと、戸隠方面への案内板のある交差点があり、ここから「七曲り」の急坂を登っていきます。


「七曲り」はつづら折りの急坂で、雪があると走れないであろう急傾斜なので、全面スノーシェードに覆われています。
急カーブを折り返しながら、高度を一気に200m近く上げる急坂なので、運転初心者の方にはおすすめしませんが、道幅はあるので、すれ違い等の心配はないと思います。(本当は七曲りではなく八曲りです)


運転に不慣れで、こういう道は避けたいという方には、市街地の北にある浅川に沿った「浅川ループライン」を通ることをおすすめします。長野オリンピックの時に整備された走りやすい道です。

七曲りを登り終えて突き当たる道が、本来の「バードライン」です。

このあたりで、標高はすでに750mほどあります。
ちなみに、バードラインの元々のスタート地点は、善光寺の北にある地附山の中腹にあったのですが、地滑り災害により消滅し、現在この区間は廃道となっています。


バードラインに入ると、山の上を走って行く快適なドライブが始まります。ところどころ展望が開け、遠く北アルプスの峰々も見ることができます。

道は直線的な部分が多く、一気に走れる感じがしますが、けっこうアップダウンがあるので、スピードの出し過ぎには注意が必要です。

ヘアピンカーブを過ぎてしばらく行くと、「飯縄山」が見えてきます。

信濃町方面への分岐の看板が見えてくると、「大座法師池」に到着です。

七曲りから登ってくると、善光寺を出発して30分ほどで標高1000mの大座法師池まで来れるので、本当に早いなと感じます。

大座法師池のほとりには「森の駅Daizahoushi」があり、ドライブ途中の格好の休憩スポットです。

高原の道を走る




大座法師池を過ぎると、周囲を樹林に囲まれた道になり、木漏れ日の中を走って行きます。

しばらく走ると、長野カントリークラブ入口の交差点があり、ここを右折すると飯縄山(飯綱山)登山口があるので様子を見に行きます。



道の突き当たりに飯縄神社の鳥居があり、周辺には登山者のものと思われる数台の車が駐まっていました。

登山道入口に戻り再びバードラインを行くと、すぐに「一の鳥居苑地」の駐車場があります。ここは飯縄山登山者の駐車場としても利用されています。

かつては、一の鳥居から先は戸隠神社領だったそうですが、現在は鳥居は残されていません。


このあたりはずっと樹林の中の道で展望はありませんが、旧長野県庁舎を過ぎると下り坂になり、正面に荒々しい戸隠山の姿を少しだけ見ることができます。

坂を下り終えると「大久保の茶屋」があり、道は大きくカーブしていきます。


樹林の中を進んで行くと、右側に「戸隠展望苑」という戸隠山が見える展望台があるので寄っていきます。

このあたりは「戸隠古道」に沿ってバードラインが走っていて、駐車場の近くには中社と宝光社の分岐を示す道しるべの石碑が立っていました。

展望台への階段を上っていくと、戸隠山が姿を現しました。

戸隠山の山並みが壁のように連なり、その向こうに高妻山が頭を出しています。

展望台の前は蕎麦畑で、蕎麦の花が咲く季節は人気の撮影スポットになります。

戸隠展望苑を過ぎると樹林帯は終わり、展望が開けてきて、「西岳」が見えるようになります。

「そば博物館とんくるりん」を過ぎると、まもなく宝光社の集落に入っていきます。
戸隠神社をめぐる
宝光社


宝光社地区まで来ると、目の前に西岳の荒々しい姿が間近に迫り、「戸隠」に来たことを実感します。

集落に入ると、道は真っ直ぐ「宝光社」の森に向かって続いて行きます。


この参道の途中に、「鏡池」への道の入口があります。

正面には神社へ続く階段があり、森の中に鳥居が見えています。道は右へ曲がって進んでいきます。
※戸隠神社の様子については、下記の記事で紹介しています。




宝光社の集落を抜けたところには「湧水スタンド」があり、戸隠の湧水を販売していました。
中社

中社への道を進むと、左側に戸隠五社のひとつ「火之御子社」があらわれますが、こちらは駐車場が3台ほどしかないので駐められない場合があるかもしれません。

集落に入ると、道は真っ直ぐに「中社」へと続いています。


道は「中社大鳥居」の前を回り込むようにして続いていきます。
「中社」周辺は、戸隠で最も賑わう観光の中心地で、蕎麦の有名店が軒を並べています。神社の裏に大きな駐車場もあります。

中社を過ぎると、再び樹林の中の道になります。

奥社へ向かう途中にも「鏡池」への入口があります。あとでここへ戻って来ることにして、奥社方面へ進みます。


途中にある「戸隠森林植物園」に寄ってみましたが、こちらは人影はまばらでした。
このあたりは、クマへの注意を呼びかける看板があちこちに立っています。
奥社


樹林が途切れ、左側に大きな駐車場があらわれると、その向こうに戸隠山の岩壁が間近に迫ってきます。


ここまでの駐車場はすべて無料で利用できましたが、奥社周辺の駐車場は有料になります。(普通車3時間まで600円、2輪車1回300円 2022年9月時点の料金です)
「奥社」までは徒歩で往復1時間半ほどかかるので、こちらを参拝する場合には、しっかりと歩ける準備をしていった方がよいと思います。
※戸隠奥社については、以下の記事で紹介しています。


さらに進んで、「戸隠キャンプ場」まで行ってみます。
戸隠山の全貌を見たかったので、途中でスキー場まで上がってみました。

スキー場の駐車場からは戸隠山全体を見渡せますが、麓の方までは見えないのがちょっと残念です。

「戸隠キャンプ場」の入口までやってきました。行く手には「黒姫山」も見えています。
ここは戸隠山や高妻山への登山口でもあるので、キャンプ場入口周辺には「高妻山」登山者のための駐車場もあります。


キャンプ場内に入ると戸隠山が間近でよく見えるのですが、場内へ入れるのはキャンプ場利用者のみで、それ以外の車両は入ることはできません。
鏡池へ

キャンプ場から引き返して、「鏡池」へ向かいます。

鏡池までは、展望のない林間の道です。

池近くの道沿いにある駐車スペースがいっぱいなので、林の中にある別の駐車場へ向かいます。歩いても2~3分の距離です。

駐車場から池へ向かうと、「鏡池」と「戸隠山」が姿を現します。


鏡池周辺には、ポスターに登場するような景色が広がり、訪れた人々は思いおもいに写真に収めていました。紅葉の季節には、さらに見応えのある景色があらわれることでしょう。
戸隠バードラインは、高原のドライブだけでなく、神社の参拝や蕎麦なども楽しめる魅力的なルートでした。秋の紅葉の季節は、さらに美しい景色に包まれることと思います。
関連情報

戸隠周辺では、10月、11月の紅葉の時期は、交通規制が行われます。
シャトルバスの運行や一方通行規制などが実施され、シャトルバス運行時には、鏡池周辺は一般車両通行止めになるので注意が必要です。
以下に概要をまとめておきますが、交通規制の詳細や、シャトルバスの運行状況については、「戸隠観光協会公式ホームページ」でご確認ください。
<循環シャトルバスの運行>
戸隠スキー場 ~ 奥社入口 ~ 鏡池 ~ 中社西駐車場 を循環
(戸隠スキー場駐車場に車を停めてバスをご利用ください)
<往復シャトルバスの運行>
鏡池 ⇔ 宝光社 を往復
(循環バスを利用の上、お乗り換えください)
<鏡池周辺一方通行規制>
入口・宝光社方面 → 出口・そばの実(奥社方面)
<中社横大門通り一方通行規制>
(中社横大門通り)入口・うずら家 → 中社大門通り


