【足利学校】日本最古の大学を訪ねる栃木ドライブ

【足利学校】日本最古の大学を訪ねる栃木ドライブ

関東周辺へのドライブに出かけてみました。

関東平野のドライブはやや単調になりがちなので、途中で歴史ある史跡を訪ねるのがおすすめです。

今回は、日本最古の大学といわれる「足利学校」の様子を紹介します。

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足利学校とは

栃木県足利市にある「足利学校」は、「日本最古の大学」として、室町時代から海外にまで知られた学校でした。

室町時代中期、1432年(永享4年)に関東管領「上杉憲実」が足利の領主になって再興に尽力してから歴史の表舞台に出てきますが、それ以前の歴史や創設年、創設者については諸説あり、上杉憲実以前のことはよくわかっていません。

ここで学ぶ学生の多くは僧侶でしたが、一時期は学生数3000人ともいわれるほど栄え、その頃の足利学校の様子を、宣教師フランシスコ・ザビエルが「日本国中最も大にして最も有名な坂東のアカデミー(坂東の大学)」と記したことで、足利学校は海外にまでその名が知られました。

また、ルイス・フロイスも、著書「日本史」の中で「全日本でただ一つの大学であり公開学校と称すべきものが、関東地方、下野国の足利と呼ばれる所にある」と記しており、西洋人から見ても、特別な存在として認められる学校であったことがうかがわれます。

時代が流れ学問の主流が変化する中で、江戸時代以降はその年の吉凶を占い幕府に提出する役割を担いますが、学校としては衰退していきます。

明治維新後は廃校となり、学校としては今に続いてはいません。

現在の史跡としての「足利学校」は、江戸時代の建物を中心に往時の様子を保存、復元整備されたものです。

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関東平野北端の街へ

関東平野を北へ向かい、背後に山地が広がってくると、その麓に「足利市」があります。

「足利」といえば、「尊氏」をはじめとして室町幕府の将軍たちが思い浮かびますが、ここはかつて、その「足利氏」の地盤であり所領としていた地域です。

国土地理院地理院地図より引用

「足利学校」は、足利市の中心部、JR両毛線「足利駅」から徒歩で10分もかからない場所にあります。

駐車場は、国道293号を挟んだ反対側に無料の「観光駐車場」があり、こちらが満車でも近隣に何ヶ所か観光用の無料駐車場あるので、駐車に困ることはないと思います。

今回は「鑁阿寺東側観光駐車場」に車を駐めて、お堀の縁を歩いて足利学校へ向かいました。

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足利学校

裏門

「裏門」の前を通り、正門にあたる「入徳門」へ向かいます。

「裏門」は当時の通用門でしたが、今は閉鎖されていて通ることはできません。

入徳門

入徳門

「入徳」と書かれた額が掲げられている門を通って、足利学校へ入っていきます。

ここから先は有料エリアになります。

参観料   大人420円  高校生220円  中学生以下無料
受付時間  4月~9月 9:00~16:30  10月~3月 9:00~16:00

入学証 学生証 パンフレット

参観料を払うと、「入学証」と「学生証」と書かれたシールをいただきました。

これで足利学校の一員になった、ということのようです。

ちょうど秋のライトアップの時期で、「学校門」へ続く通路には灯籠や花手水が並んでいました。

花手水
孔子立像と稲荷社

学校門

学校門

「学校門」は足利学校を象徴する建造物で、日本で唯一の「学校」の額がかけられた門だそうです。(寛文8年(1668年)築造)

杏壇門へ続く道
遺蹟図書館
方丈を望む

学校門をくぐると、左には「遺蹟図書館」、右には「方丈」が見えてきます。

杏壇門

そして「杏壇門」の向こうに、「孔子廟」が見えてきます。

孔子廟

孔子廟

「孔子廟(大成殿)」は、儒学の祖「孔子」を祀った廟で、寛文8年(1668年)の建築です。

大成殿の正面には「孔子坐像」が祀られています。

方丈

南庭園の前を通り、「方丈」へ向かいます。

方丈

「方丈」の建物は復元されたものですが、かつての雰囲気を再現しています。

竹灯り
玄関

棟続きの「方丈」「庫裡」「書院」の横には、かつて学生たちが寄宿した「衆寮」も復元されています。

衆寮
衆寮内部
庫裡

「方丈」などの建物内部の見学は、「庫裡」が入口になっています。

入口の脇に「宥座之器」というおもしろい装置があるのですが、ぶら下がった器に水を入れると水平になるのですが、入れすぎるとひっくり返って水がこぼれてしまいます。

入れ足りなくてもだめ、入れ過ぎてもだめ、ちょうどよい分量の時、器は水平を保ちます。これを「中庸」というそうです。

庫裡の竈
方丈内部
学校門創建当時の扁額
方丈内部

方丈の内部は広い畳の間で、縁側の向こうに南庭園が見渡せます。

机と漢字の試験問題が置かれていて、参観者たちが挑戦していました。問題を見てみると、それほど難しい問題ではありませんでした。

南庭園
仏殿の間
方丈内部にも宥座之器がありました
方丈から見た孔子廟
書院への渡り廊下
小野篁と論語の素読を体験するコーナー
北庭園
国宝指定書籍(複製本)

方丈と庫裡の内部には、足利学校ゆかりの品や資料が展示されていますが、足利学校の蔵書には「国宝」に指定されている書籍が何点もあり、その複製も展示されています。

書院内部

「書院」では、ちょうど「曝書(ばくしょ)」(本の虫干し)の最中で、畳に書物が並べられていました。これは秋の恒例行事だそうです。

建物を出て、背後を一廻りしてから「遺蹟図書館」も見学しました。

大正時代の建物に、足利学校伝来の書籍が保存・展示されています。

休憩所にあった模型
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鑁阿寺

参道

足利学校を出ると、周囲には土産物店や飲食店が並んでいます。

鑁阿寺参道

店を覗きながら、「鑁阿寺」の参道を歩いて行きました。

大日尊 鑁阿寺

鑁阿寺 楼門

「鑁阿寺(ばんなじ)」は、足利氏の居館のあとに建てられた足利氏の氏寺です。

本堂(大御堂)

大日如来を祀る本堂は、鎌倉後期の正安元年(1299年)の建築で、「国宝」に指定されています。

境内を見学しながら、東門を通って車へ戻っていきました。

樹齢550年といわれる大銀杏
東門
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