来年の年賀状の図柄はどうしよう・・・。そんな時、自分だけのオリジナルにしたいなら、日本の風景の定番である富士山の写真がおすすめです。
富士山はどの季節でも絵になりますが、冬の雪をまとった時期の写真が最も印象に残り馴染みのあるものでしょう。そして年賀状にするのであれば、季節的にも雪のある季節の写真がぴったりします。
富士山の写真は被写体が被写体だけに、誰が撮ってもそれなりに見栄えがします。そのため、初心者でも気軽に年賀状向けの写真を手に入れることができるのです。
今回は、これから年賀状に間に合う、誰でも手軽に撮れる富士山の写真撮影について紹介します。
冬がおすすめの訳
前述のように、冬の富士山は雪をまとった姿が青い空に映え、整った円錐形と相まってどこから見ても美しいという利点があります。そして凝った構図でなくても十分に見栄えが期待できます。
また冬は空気が澄んでいるので、普通に撮るだけでくっきりとした写真になります。夏などは空気中の水蒸気が多く、どうしても白く霞んだ写真になりがちです。
また、夏のようにレジャーで訪れている人もほとんどいないので、周辺の映り込みもすっきりとしたものにしやすいことも利点です。
用意するもの
撮影に使う機材は、今使っているカメラでもスマホでも構いません。プロのような写真を撮るのでなければ、特別な機材は必要ないと思います。
それよりも、映える写真を撮るのに大事なのは「場所と時間」です。
それについては次の項目でお知らせしますが、その他に冬の撮影で必要なものをまとめておきます。撮影時刻の想定は、冬の朝、日の出前~日の出の頃です。
服装
写真の撮影は空気の澄んだ朝が適しているのですが、冬の朝はとにかく寒いので、まず防寒対策が必要です。
しかも日の出を待つような間、じっとしているのでますます寒さが身に染みます。動きやすさは二の次で、とにかく暖かい支度をしましょう。
動かす部分は「手」だけですが、ここが着ぶくれていては写真が撮れないので、手元にも準備が必要です。
厚手の手袋の他に、撮影時に使う薄手のものも持参することをおすすめします。
素手になると数秒で手がかじかんできますし、三脚での撮影でなければ、カメラはいつでも手に持っていなくてはなりません。撮影の時だけ手袋を取ることもできますが、カメラやスマホを操作できるくらいの薄手の手袋着用での撮影を基本としたいところです。
準備品
使い捨てカイロ
暖をとるための使い捨てカイロなどがあると便利です。体だけでなく、かじかんだ手を温めておくためにも重宝します。
カイロにはもうひとつ大切な役割があります。冷えた機材を急に暖かいところに持ってくると結露してしまうことがあるのですが、これは暑い夏に冷えた飲み物のまわりに水滴が付くのと同じ原理です。
冷えたカメラを暖かい室内や車内に持ち込んだりすると、レンズが曇って撮影できなることがあります。そんな時、カイロなどで機材を温めることで結露を防ぐことができます。レンズが曇ってしまうと写真を撮ることができません。冬はこうした点にも多少の配慮が必要です。
サングラス
太陽の方向を直視しますので、目の弱い方はサングラスもあった方がよいでしょう。
その他
基本手持ちで構いませんが、凝って撮りたい場合には三脚も持参すればよいでしょう。構図を決めたらカメラに触れずにポケットに手を突っ込んで待っていられます。
そして温かいドリンクもほしいところです。
今回の撮影場所は?
富士山の撮影スポットは限りなくありますが、今回紹介するのは、精進湖畔にある「他手合浜」です。
ここは冬の時期は富士山の向こうから太陽が昇ってきますので、朝日と湖に映る富士山を一緒に撮影できます。日の出の時間を狙うのがよい場所です。
アプローチ
最寄りの高速道路からのルートは、富士吉田の「河口湖IC」を下り、国道139号線で西に向かうか、甲府方面から「甲府南IC」を下りて国道368号線を南下するかです。
甲府からは山を越えてくる道ですので、道路の凍結などが心配な場合は、富士吉田経由が走りやすいと思います。
他手合浜周辺
湖畔の浜辺には、車で入ることができます。湖の西側を走る県道706号線から、湖畔に下りる道が付いています。
この時期は写真撮影の人が集まっていて、前日からの車中泊の車なども多いですが、よほどのことがない限り駐められなくて困るということはないでしょう。ただし浜辺ですので、ダートの道になります。
車を近くに駐められるので、機材がたくさんある人は便利ですし、寒さが苦手な人も撮影の時間まで車内で待機していて、頃合いをみてすぐに浜辺に出られます。
浜辺の見晴らしのよいスポットは、写真マニアの皆さんの三脚が並んでいますが、人のまばらな場所を見つけて湖畔に出れば、コンパクトカメラやスマホでも、それなりに撮影することができます。
到着は日の出前に
それでは実際の様子を見ていきましょう。(以下の写真はコンパクトカメラで手持ちで撮影したものです)

湖畔には、日の出前からこんな感じでたくさんの人々が来ています。
ここで撮るなら、やはり日の出の写真です。年賀状にもぴったりです。とにかく早めに行き、明るくなる頃には湖畔に到着しましょう。

湖畔にはたくさんの車が駐まっていますので、空いている場所を見付けて駐車します。
背後の山に日が当たってきました。まだ月も見えています。

この日は風がなく、湖面に映る富士山もきれいに見えたのですが、少し雲が出ていて、富士山や日の出の様子をはっきりと捉えることはできませんでした。

湖面に霧が出てきて、富士山はちょっと見えづらくなっていますが、これはこれで風情があると捉えることもできます。写真は時の天候に左右されますので、どうしても狙いたい場面があるなら、天候をみて複数回足を運ぶことになります。
違う日の写真も見てみましょう。

このくらいなら、年賀状に使えそうです。

朝日に富士山が照らし出されていきます。


日の出と共に少し雲が出てきました。ここまでくると、ちょっと富士山の印象が薄れてしまいます。

同じ精進湖畔でも、少し移動すると日の出の場所が変わり、雰囲気も違ってきます。
その他のお手軽撮影ポイント
その他にも、富士五湖周辺にはお手軽に撮影できるポイントがたくさんあります。

こちらは河口湖畔から。河口湖周辺は街の景色と合わせた写真になります。


自然と共に撮るなら、山中湖周辺がよいです。草原や湖畔を走りながら、お気に入りの場所を見つけて撮影しましょう。
周辺情報
富士吉田

日の出の撮影を終えた後、冷えた体を温めるのによいのが「ふじやま温泉」です。
河口湖ICを下りてすぐの富士急ハイランドのお隣です。
朝風呂(6時~9時)なら700円で入れます。

市内を通る国道139号は真っ直ぐ富士山に向かって走っており、この街並みと共に撮る富士山の写真も有名です。
日が高くなるとけっこう車が走っており、ちょっと車を駐めて写真を撮るような空きスペースや無料駐車場がなく、今回写真はありません。

富士吉田と言えば「吉田のうどん」。市内の有名店「みうらうどん」を訪ねます。営業は10時からになります。(営業時間:10:00~14:00)


太く硬い麺に馬肉とキャベツがのる「肉うどん」。吉田うどん王道のスタイルです。
「すりだね」を入れ、少し辛みをつけて食べるのがおいしいです。

