長野県では、どこでも目にする「おやき」。
今では全国に知られるようになり、信州のお土産の定番になっています。
今回は、「灰の中で焼く」という、ちょっと変わった作り方のおやきを紹介します。
道の駅いくさかの郷

一般的に「おやき」は、小麦粉で作った皮の中に野菜などを包んで、蒸したり焼いたりしたおまんじゅうのような形をした料理です。
しかし、中には変わった作り方のものもあり、「いろりの灰の中で焼いた」というおやきが食べられる場所があるということで訪ねてみました。
「道の駅いくさかの郷」がある生坂村は、信濃川に続いていく「犀川」沿いにある山間の村で、松本市や安曇野市から、国道19号線を走って30分ほどの距離です。
犀川沿いを走る国道19号線から分かれて、村の中心部へ向かう道沿いに「道の駅いくさかの郷」がありました。

平日のお昼どきで、幹線道路からは外れた場所ですが、駐車場にはけっこうな数の車が駐まっていました。

店内の飲食コーナーとは別に、おやきは店外に専用の販売所があり、案内板が出ています。

お昼どきのためか、おやきを買い求める人も多く、周囲の車ではこのおやきを食べている人がたくさんいました。

私が購入して間もなく、案内板には「本日分、完売致しました」の張り紙が貼られていました。
購入するなら、午前中に訪れるのが必須のようです。
「かあさん家」の灰焼きおやき

この道の駅がある生坂村の地域では、昔からいろりの灰の中に入れて焼いたおやきが食べられてきたそうです。

販売は一人3個までで、紙の袋に入れて渡してくれます。

よく目にする一般的なおやきに比べると、形が丸く、表面がざらっとしていて硬いです。
手に取ると、ボールを握っているような感覚です。
そして大きく、ずっしりとした重量感がありました。(写真のマグカップの直径は7.5cmです)
よく見ると、表面には「なす」という焼き印がついています。具材は基本的にナスだけのようでした。

ちょっと固めの皮を割ってみると、中には油と味噌で炒めたナスがぎっしりと詰まっています。
油を含んだ味噌ナスと小麦の皮の味わいがよく合っていて、この組み合わせがよいのだろうと思います。
1個食べれば、一食分くらいのボリュームがある感じです。

素朴な味わいがあり、ビジュアルもちょっとかわいいのでお土産によいかも、と思いますが・・・
まだ温かさが残っている間はよいのですが、この皮は冷めてしまうとかなり硬くなると思われるので、これはお土産にするより、この場で出来たてを頬張るのがおいしくて良いのだろうと思いました。
紙袋には「おやきの美味しい温め方」が書いてあるので、お土産の場合にはしっかりと温めて、出来たての感じをできるだけ再現してから食べたいおやきです。

