いよいよ青春18きっぷ「松山の旅」の完結編です。
帰路に向かった4日目は、香川県琴平で途中下車し、「金刀比羅宮」を訪ねます。
帰路へ

4日目の昼前に、いよいよ帰路が始まりました。今日は香川県まで行き、琴平駅で下車して「金刀比羅宮」を参拝します。
その後、坂出周辺で1泊して、最終日5日目のひたすら列車に乗り続ける行程に多少ゆとりを持たせます。
ここまで来ていると、5日目はホテルで朝食を摂ってから出発しても、関東まで帰ることができます。

余談ですが、JR四国は自動改札の導入が進んでおらず、四国一の大都市である松山市の駅も自動改札ではありませんでした。

駅員さんに切符を提示していると、以前の「青春18きっぷ」が懐かしく思い出されます。

列車は瀬戸内海沿岸を走っていきます。晴れていれば海の景色が美しいです。
平日の普通列車には、お遍路さんの支度をした外国人の家族連れなども乗車していて、ローカル線とは思えない国際色豊かな車内でした。



JR四国では、アニメのラッピング車両が多く走っていますが、この日も様々な列車を見かけました。
JR各社の中でも、特に経営が厳しいJR四国。様々な工夫をして頑張っているようです。
琴平で途中下車

「金刀比羅宮」は、以前に麓までは来たことがあったのですが、時間がなく山の上の御本宮に参拝することができませんでした。
そのため「いつか行こう」と思っていた長年の宿題だったので、今回の旅の途中で訪ねてみることにしました。
JR多度津駅で土讃線に乗り換え、琴平へ向かいます。

駅を降りると、正面に延びる道に大きな鳥居が立っています。


琴電の琴平駅前から金倉川沿いの道に入り、南下して参道をめざします。

参道への入口は、土産物店などが並ぶ賑やかな通りです。JR琴平駅からここまで、徒歩で10分ほどです。

前方に聳える琴平山の中腹に、社殿の屋根が見えています。
ここから御本宮までの標高差は176m。石段の数785段を登って行きます。


石階段の参道を登る

土産物店や旅館の並ぶ通りを抜けると、石階段の参道が始まります。


参道は、前半は様々な商店が並ぶ路地のような通りで、店を覗きながら歩けますし、後半は様々な社殿があらわれ、それらの間を美しく整えられた石階段を登って行くので、飽きることはなく、それほど疲れを感じることもありませんでした。
また涼しい季節であったことも幸いでした。夏の暑さの中だとけっこう大変かもしれません。

このように石段数を表示してある所もありました。

階段の傾斜は様々で、緩くなったり急になったり・・・。

商店が連なる石階段を登り始めて10分ちょっと。坂の上に金刀比羅宮の「大門」が見えてきました。

ここから境内に入っていきます。

大門をくぐると、まっすぐに延びる石畳と石階段の美しい参道が続いていました。


「桜馬場」というなだらかの参道の突き当たりに「銅鳥居」があり、その脇には「神馬舎」があります。

神馬舎には、真っ白な神馬「光驥号」がいます。こんな坂の上に馬がいてちょっとびっくり。

ここで参道は左に曲がり、「表書院」を回り込むように登って行きます。

その先にも、広い石階段が続きます。

「表書院」には円山応挙らの絵画が収められており、見学することができます。(大人800円)



「旭社」の前で今度は右に曲がると、その先には「賢木門」があります。


「手水舎」を過ぎると、御本殿へ向かう最後の急な石階段があります。

ここには「百度石」と呼ばれる石柱があり、坂の中ほどにある石には、お参りの回数を記録するために、そろばんのように動かせる札がついています。

見上げるような急な階段を上ると、その先に「御本宮」が姿をあらわします。
金刀比羅宮

海運関係の方々から篤い信仰を集める「金刀比羅宮」。その「御本宮」にやってきました。
石段を登り始めてからここまで30分ちょっとでした。

「御本宮」のすぐ右には展望台があり、ここからは讃岐平野の景色が広がっています。

海に関わる神様なのに、けっこう内陸にあるのは何故?と思っていましたが、伝承では大昔にはこの山の麓のあたりまで海が広がっていたとのことでした。

御本宮の脇には参道が続いていて、この先の「奥社」まで、さらに数百段の石階段の道が続いているそうです。

「御別宮」の方を回って、帰路に向かいます。


参道の途中に、大きな金色のスクリューが置かれていました。
これは造船会社から奉納されたものとのことで、金刀比羅宮が海運関係者からの信仰を集めていることを象徴しているようです。



夕暮れの迫る静かな参道を、ゆっくりと下っていきました。







帰りの列車に乗るころには、あたりはすっかり夕闇に包まれていました。

讃岐に来たからには、うどんを食べずには帰れません。この日の夕食はうどんにしました。


最終日5日目は、再び多くの列車を乗り継いで帰っていきました。
旅を終えて

実際のところ、これまで「青春18きっぷ」を5日間通して使ったことはありませんでした。
様々に分割して使用できるのが、この切符の使い勝手のよいところであったので、おそらく多くの方が分けて使っていたのではないかと思います。
5日間連続使用になると、否応なく「盛沢山」という感じの旅になりますが、充実した旅にはなると思います。いろいろ楽しめたなぁという実感があります。
費用的にも、安価なビジネスホテルに4泊(禁煙シングル朝食付き)して、交通費と合わせても4万円弱だったので、大変リーズナブルに楽しめました。(冬はホテルの宿泊費も安いです)
「5日間の休暇」を用意するのは大変ですが、また機会を作って「青春18きっぷ」を利用したいと思います。
※ この記事の情報は、すべて2025年3月時点のものです。