本日、2024年冬の「青春18きっぷ」の発売が発表されました。
今回から、その内容が大きく変更されており、早速ネット上にも様々な声が上がっています。
今回は、変更についての率直な思いを綴ります。
変更点の概要
冬の発売に関する発表を見て、「こんなにも使いにくくなってしまった切符を、これから自分は使うことがあるのだろうか・・・」と思ってしまいました。
変更の概要をまとめると、
1 自動改札機を通れるようになった → これによって大きな変更が余儀なくされた?
2 5日分(12050円)に加え、3日分(10000円)の切符が発売されることになった
→ 連続日利用限定になったので、短い期間も新設した
3 連続した5日間、または3日間でしか使用できない
→ 使い始めたら利用しない日を挟むことができない
4 複数の人数分に、分けて利用することができない → グループでの利用ができない
5 北海道新幹線オプション券の新幹線利用範囲が「新青森~木古内」間に広がった
→ 料金は大幅に値上げされた。(2490円 → 4500円)
JRは「自動改札」が利用できるようになった点をアピールしていますが、内容を考えると、この切符を利用する人は大きく減るのではないか、と思われます。
変更点の何が問題なのか
みんな感じていることは同じだと思うし、JRの皆さんがどのような影響があるのか考えていないはずもなく、承知の上での変更なのでしょうが・・・
細かな点は置いておいて、自分が一番感じているのはこういうことです。
『青春18きっぷ』
今となっては懐かしさすら感じるこのネーミング (ポスターもよかった)
この名前の「青春」や「18」には、この切符を企画し創り上げた人たちの思いが込められています。(利益云々は別にして、どんな事業にもそのスタートには理念があります)
お金もないであろう、未成年も含めた若い世代が、安い運賃で旅に出かけられるように・・・
一人で旅に出て、経験を重ね、見聞を広めるもよし・・・
青春の一時を、仲間と共に旅という冒険に出かけるのもよし・・・
そんな若者(若くない人も)の行動をあと押しする切符をつくろう・・・そんな願いのもとに企画されたであろう切符だったはず‥ なのです。
そして、そんな理念をよくわかっていて、JRも長い間この切符を継続してきたのだと思う。(スタートは国鉄時代。JRにとって今時こんなに「面倒」な切符は他にないと思います)
これを継続してきてくれたJRに、ちょっとシンパシーを感じていた人も少なくないかもしれません。(私もその一人です)
しかし、JRに限らず、昨今の状況はさらなる経営の効率化を図らざるを得ないのかもしれません。
無人駅の増加、みどりの窓口の券売機への移行など、とにかく人手の掛かるものは減らす方向が顕著な昨今のJRにおいて、この切符も、自動改札への対応と共に形を変えざるを得なかったということなのでしょうか。
本来の良さを失ったこの切符は、もはや「青春18」というには相応しくない、と思ってしまいます。
どこかで見たことのあるような3日間乗り放題の切符と変わらないのなら、「青春18きっぷ」を名乗ることもないのではないか。
いっそのこと、「青春18きっぷは終了します」でもよかったのではないか、とさえ思います。
安価に提供するものはとにかく人手の掛からない方向へ、人手の掛かるものは大きな利益を生むものへという流れの中に、この切符も飲み込まれてしまった、と感じます。
もう後戻りすることはないのだろうけれど、年齢制限ありの「若者限定」の切符でよいので、自由度の高い安価な切符であることが、この切符の本来の趣旨ではないか、と思っています。