諏訪湖畔では、夏の1ヶ月間、毎日花火の打ち上げが行われています。
その花火見物に合わせて、諏訪市内の甲州街道沿いに集まる5つの酒蔵を巡ってみました。
今回は、夏の終わりのサマーナイト花火と、諏訪五蔵の酒蔵巡りについてです。
五つの蔵元を巡る

諏訪市を通る旧甲州街道、現在の国道20号線沿いには、いくつもの酒蔵が集まっているのですが、この沿道にある5つの酒蔵が「諏訪五蔵」と称し、気軽に試飲できる街歩きスポットして紹介されています。
今回は湖畔の花火見物が目的でしたが、市内に宿泊するので、早めにチェックインして酒蔵巡りに出かけてみました。
酒蔵めぐり

「酒蔵めぐり」のやり方については、諏訪五蔵のホームページに詳しい説明がありますが、簡単にまとめておきたいと思います。
各蔵元で試飲する方法は2つあり、ひとつは五蔵共通の「ごくらくセット」を購入する方法、もうひとつは各酒蔵で個別に購入する方法です。

「ごくらくセット」は、オリジナルの巾着袋やグラスなどがセットになっていて、これを購入すると、5つの蔵元でそれぞれ数種類の試飲ができるというものです。
試飲できる種類は五蔵合わせて22種類にのぼるので、たくさん試飲したい方にはよいと思います。
「ごくらくセット」は各蔵元や観光案内所で購入でき、価格は3,000円(税込)です。

一方、蔵元ごとに単独での試飲も可能です。
試飲できる種類や料金はそれぞれですが、ちょっと試したいという方にはこちらが向いていると思います。
試飲の種類は少なめで、こちらの方が料金は安いのですが、それぞれの蔵のオリジナルのお猪口やグラスが付いてくるので、こちらも魅力的です。

今回は、こちらの方法で試飲しながら巡ってみました。
上諏訪駅からスタート

JR上諏訪駅前から、国道20号線を南に向かって歩いて行きました。


この道の沿道には、歴史を感じる建造物がいくつも建っていて、これらを見ながら歩いて行くと、蔵元が集まる地区に入っていきます。
「諏訪2丁目」の交差点を過ぎると、ここから南へ約500mの間に5つの蔵元が点在しています。
舞姫

上諏訪駅方面から進むと、最初にあらわれるのが「舞姫」です。

蔵造りの建物に隣接する販売所に、試飲コーナーが設けられていました。


試飲のやり方はどの酒蔵も同じで、申し込むと所定の枚数のコインとカップを渡されます。
コインをこちらの機械に投入して希望する銘柄のボタンを押すと、規定量の酒が注がれるといったシステムで、たいへん手軽です。

こちらでは、各銘柄の特徴が紙面にまとめられていて、これを見ながらどれにするかを選びます。
ひとつ20mlほどですが、味を試すにはちょうど良い感じでした。

麗人

続いてすぐ近くにあるのが「麗人」です。


試飲のシステムはどこも同じで、こちらでは銘柄の説明が試飲台にまとめて掲示されていました。

こちらでは地ビール「諏訪浪漫」の醸造も行っており、これも試飲できるのはビール派にはうれしいです。豊潤でフルーティーな味わいでした。

店の前には仕込みに使われる井戸水が流れていて、「やわらぎ水」として自由にいただくことができます。
本金

続いてあらわれるのが「本金」です。

試飲のシステムは同じですが、こじんまりとした店内はシンプルな造りで、昔ながらの酒蔵の雰囲気が残っています。

試飲とは関係ないのですが、こちらには酒の入ったアイスクリームもあるようで、ちょっと試してみたい気もします。

横笛

「横笛」は、本金の道を挟んだ向かい側にあります。

こちらも試飲のシステムは変わりません。

こちらは創業が比較的新しいためか、日本酒を炭酸で割るセットが置いてあったり、お酒以外のオリジナル商品もたくさんあって、新しい試みを提案している感じがしました。

真澄

最後の「真澄」は、これまでの4軒からは少し離れたところにあります。

店内にはたくさんの商品が並び、広く新しい店舗は観光客向けに作られたようで、いわゆる酒蔵とは違ったおしゃれな雰囲気です。


試飲コーナーはガラス張りの別室にあり、庭園を眺めながらゆっくり味わえます。

4種類の試飲の他に、「甘酒」の試飲もいただきました。お酒が飲めない方への配慮でもあると思いますが、これもなかなかおいしかったです。

ひとつひとつの試飲は少量ですが、5軒も巡るとそれなりに酔いが回ってきて、ほろ酔い気分で駅へと帰っていきました。
時間的にはゆっくり回っても2時間程度で、距離も全部で2kmほどなので、街歩きとしてもお手軽でした。日本酒が苦手でなければおすすめだと思います。
多くの旅が車利用なので、こうした「飲み歩き」はほとんど経験がないのですが、古い街道の酒蔵めぐりを楽しめました。酒に関して語れるだけの舌はもっていませんが、それぞれの歴史と味わいを感じることはできました。
みそ天丼

諏訪は「うなぎ」も有名ですが、最近諏訪周辺では「みそ天丼」というのを新たな名物にしようと売り出しているようなので、今回初めて食べてみました。


上諏訪駅前のこちらのお店には「諏訪五蔵」の地酒が揃っていて、飲み比べのセットもあるので、酒蔵めぐりをしなくても手軽に味わうことができますね。


「みそ天丼」は、カワエビやワカサギなどの諏訪らしい食材を使い、天ぷらを「みそダレ」で味付けしたもので、なかなか美味しかったです。
ただ、天丼は他の味付けでもおいしいと思うので、これから新名物としてどれだけ定着しヒットするかは未知数・・という感じがしました。

食事を終えた後は、花火の打ち上げ時刻に合わせて、諏訪湖へ向かって歩いて行きました。
諏訪湖サマーナイト花火

諏訪湖は8月15日に行われる「湖上花火大会」が有名ですが、それ以外にも秋には全国の花火師たちが腕を競う「新作花火大会」なども行われている「花火の名所」です。
そして夏の1ヶ月間、湖上花火大会の日を除く毎日20:30からおよそ10分間、約500発の花火が打ちあがる「ミニ花火大会」が行われています。(サマーナイト花火)
8月15日の湖上花火大会はたいへん混雑するので、見物するのはなかなか大変ですが、そんな雰囲気を少しだけ味わうことができます。

湖畔に広がる「石彫公園」には、既にたくさんの見物客が集まっていました。「八重垣姫像」を間近に望む石の上に座り、打ち上げを待ちます。
周囲には、シートを広げたりイスを持ち込んだりする家族連れもいましたが、夕涼みがてら手ぶらでやってきて芝生に座って観ているカップルなど、気軽な感じの人が多かったです。
向こうの方では、花火観覧のための遊覧船が出航していきます。

20:30になると打ち上げ開始の放送があり、花火が始まりました。



大きな花火大会に比べると、花火は小さめで華やかさは今一つですが、約10分間いろいろな花火があがり、湖畔の花火を楽しみました。
夏の終わりの湖畔の花火は、行く夏を惜しむかのように、ひとときのきらめきを魅せてくれました。今年ももうすぐ、夏が終わります・・・。
駐車場について

ミニ花火大会とはいえ、湖畔には連日たくさんの人たちが見物に訪れます。
諏訪湖畔にはたくさんの無料駐車場が整備されていますが、花火があがる「石彫公園」周辺の駐車場は、夏の間利用を制限したり、駐車できても満車になっているので、車で来る場合は、どこに駐車するのか事前にしっかり計画しておく必要があります。
「何とかなるだろう」と思って来ても、周辺のコンビニの駐車場なども、花火観覧のための駐車はすべて禁止になっているので、駐車場所を探しているうちに花火が終わってしまう、というようなことも十分にあり得ます。
車の場合は、湖畔から離れたところの駐車場にとめて、そこから歩いて来るなど、事前に駐車場所の計画を立てておくことをおすすめします。
※ この記事の情報は、すべて2025年8月時点のものです。

