松本盆地の南に、どっしりと横たわる「鉢伏山」とそれに続く「高ボッチ山」。安曇野から見る丸みのあるなだらかな稜線は、西に聳える北アルプスの山々とは対照的です。
見晴らしがよい高ボッチ山の山頂付近には、いくつかの電波塔が立っており、これも高ボッチのランドマークになっています。
近年は「ゆるキャン△」の舞台になったり、諏訪湖の景色が「君の名は」のモチーフになっているらしいことから、若者にも人気のドライブ、ツーリングコースになっています。
今回は、「高ボッチスカイライン」から「鉢伏高原スカイライン」を走り、あわせて「鉢伏山」に登頂するトレッキングの様子を紹介します。
高ボッチスカイライン

まず、高ボッチスカイラインを走って、「高ボッチ高原」をめざします。
「高ボッチ」という不思議な名前の由来は、空想上の巨人「ダイダラボッチ」が休憩したという伝承からとか、高所にあるくぼ地を「ボッチ」と呼ぶからとか、諸説あるようですがはっきりしません。

最寄りの高速道路ICは「塩尻IC」および「岡谷IC」です。どちらもICを下りたら、国道19号線を「塩尻峠」方面に向かって走ります。
「塩尻峠」から1kmちょっと松本寄りのところに、高ボッチ方面への分岐があります。
登り口は細い道ですが、案内板が出ているので迷うことはありません。






国道19号線の分岐からしばらくは、「旧中山道」沿いの古くからの集落の中を通る細い道ですが、交差点ごとに案内板が立っているので、表示の通りに進みます。


集落を過ぎると林の中の道になり、途中の太陽光発電のパネルが設置された広場から北アルプスが見渡せます。この先高ボッチ高原に出るまで、展望が開ける場所はほとんどありません。


所々に「高ボッチ高原まで○○km」の掲示板が立っています。ゲートを過ぎ、さらに林間の道を登っていきます。





道がなだらかになり、明るいカラマツ林の中を通るようになると、高ボッチ高原はもうすぐです。



やがて視界が開け、あの電波塔が姿をあらわしました。
周囲に草原が広がる広い駐車場に出て、高ボッチ高原に到着です。
高ボッチ高原
この駐車場のすぐ西側には円形の馬場があり、ここで行われる草競馬の大会は毎年大変賑わいますが、2020年は新型コロナのため中止となっています。

駐車場のあちこちに、「キャンプ禁止エリア」の看板が立っています。「ゆるキャン△」の影響で、駐車場でキャンプをする人がいるためと思われます。キャンプをする場合は、定められた場所で行いましょう。

駐車場のすぐ東側に「展望台」があったので行ってみます。


丘の向こう側には、諏訪湖周辺の景色が広がっていました。たしかに「君の名は」の雰囲気がありますね。
雲が多い日でしたが、遠く富士山も頭を覗かせていました。





牧場や電波塔を通り過ぎ、山頂の駐車場までやってきました。こちらも広い駐車場です。


駐車場からは、北アルプスが一望できるようですが、この日は雲が低く、展望はありませんでした。
それでも展望台近くのテーブルとベンチでは、コンロを出して食事を作る年配のグループがいるなど、絶景の休憩場所として人々が集まる場所です。
バイクの人、自転車の人、若者~年配のカップル、家族連れ、グループでのハイキングなど、幅広い年代の方が、それぞれの楽しみ方で訪れていました。

「高ボッチ山」の山頂へ向かいます。きれいに整備された遊歩道です。









高ボッチ山の山頂(1,665m)に到着しました。駐車場から山頂までは5分ほどです。なだらかな山頂からは、諏訪湖や蓼科山など、南方向の展望が広がっています。

諏訪盆地の夜景もきっと美しいだろうと思います。ここは諏訪湖の湖上花火大会(例年8月15日)を観る隠れた人気スポットになっているようです。


ここは、長野県の「重心!?」だそうです。確かに長野県の中央部です。



駐車場に戻り、周辺の様子を見てみます。低い雲があったため、松本方面の景色はまったく見えませんでした。


「高ボッチ高原自然保護センター」は閉まっていました。表にあったホワイトボードの「伝言板?」を見てみると、やはり「ゆるキャン△」関係の書き込みが多いですね。


トイレから少し行った、この木々の下が「テント・タープエリア」です。ここ以外でのテント設営は許可されていません。
林道鉢伏線(鉢伏高原スカイライン)

少し霧が出てきましたが、鉢伏山を目指し、北へ向かって高原の道を走ります。



途中で,「崖の湯温泉」方面への分岐があらわれます。
鉢伏山方面に続く「鉢伏高原スカイライン」へ進みます。




「この先幅員狭し」の表示が出てきますが、普通乗用車なら問題なく通行できます。ただし対向車が現れた場合、すれ違いできる場所が限られるので注意が必要です。

それより気になったのは、路面に頻繁に凹みがあることで、けっこうな段差があります。
四輪だと大丈夫ですが、二輪で填まるとけっこう危険な落差です。写真ではわかりづらいですが、深いものは20cmほどあるので、路面をよく見て運転した方が良いです。





展望が開け、鉢伏山が間近に見えるようになると、スカイラインの終点はもうすぐです。「鉢伏山荘」前で、林道は終わりになります。




駐車場には、一般車500円、バイク200円、徒歩・自転車100円などの掲示が出ていますが、料金箱があるだけで人はいませんでした。
鉢伏山登山

ここから徒歩で「鉢伏山」山頂を目指します。登山口周辺は、ほぼ平坦な草原の道です。



道の途中には、かつては営業していたであろう廃墟となった建物がいくつもありました。



登山道は、オフロード車なら走れそうな、なだらかで広い道です。


雲の中から、槍ヶ岳が姿をあらわしました。南には蓼科山が美しく見えています。


途中に「歌碑」への分岐がありました。山腹に若山牧水の歌碑があるらしいのですが、こちらへは行かず真っ直ぐ山頂に向かいます。



道が平坦になると、草原の向こうに山頂が見えてきました。ここまで登山口から15分ほどです。
標高1,929mの山頂には三角点の標石もあるのですが、あまりにも平坦すぎて、山頂という感じがしません。

南西に100mほど行ったところにある「展望台」まで行ってみます。

山頂の松本側に、石造りの鉢伏神社が祀られていました。




この展望台は絶好のビューポイントで、雲が多かったのですが、諏訪湖や雲の上に頭を出したアルプスの山々を見渡すことができました。
円形の展望台は、屋上への階段が痛んでいるためか、登れないようになっています。
登山口からここまで誰にも会わなかったのですが、展望台の中に休憩している人がおり、初めて人に出会いました。



帰路も誰にも会うことはありませんでした。短時間の静かな山旅でした。
崖の湯温泉
林道を分岐まで戻り、崖の湯温泉へ向けて下ります。

「二輪車通行注意」の表示がしばしば出てきます。曲がりくねった細めの道のせいでしょうか。スピードの出し過ぎには注意が必要です。




路面に凹凸のある箇所もあったので、特に二輪車に対して注意喚起していたのかも知れません。



池のほとりを通り過ぎると、まもなく「崖の湯温泉」に到着です。数件の宿がある山懐の小さな温泉街です。
「立ち寄り湯」もできますが、2020年は新型コロナ対応で休止しているところもありますので、確認が必要です。
おわりに

9月の平日、晴れですが、山の上はやや雲が多い日の走行記録です。
「高ボッチ高原」には、平日でもけっこう人が入っています。その先の林道鉢伏線に入ってからも、数台の車とすれ違いました。
今回走った道は、全行程が舗装道路(駐車場は砂利)ですが、林道鉢伏線(鉢伏高原スカイライン)は随所に凹みがあるので、特に二輪の人は路面をよく見て走った方が良いです。また、崖の湯温泉への下りでも、一部に路面の荒れが見られました。
林道鉢伏線の上部では、一部に路肩の崩落箇所がありましたが、道路には影響はなく、通行には差し支えありませんでした。
高ボッチスカイラインに入ると店舗等はなく、補給ができる場所はありません。自然保護センター前に飲み物の「自販機」はありました。
また「鉢伏山荘」とその駐車場(有料)も人はいませんでした。何かあったときは携帯が通じるので大丈夫だと思いますが、平日の高ボッチから先は、無人である想定で行くべきだと思います。
「高ボッチスカイライン」は、雪が降ると冬期間の通行止めになりますので、秋遅くに行く場合は、状況を確認してからお出かけください。

