新しくなった青春18きっぷを利用して、「西」へ向かう旅に出かけました。
1日中列車を乗り通して広島県まで来た後、2日目は「尾道」の街を歩いてみました。
今回は、5日間の旅の最初の経由地「尾道」の様子を紹介します。
尾道

今回の「青春18きっぷ」の旅の目的地は、四国の「松山」です。
鉄道を乗り通して一日で行くことも可能だったのですが、少し変化を付けようと思い、四国へは「しまなみ海道」を渡って行くことにしました。
しまなみ海道の起点は「尾道」なので、1日目は列車を乗り継いで福山まで行き1泊。2日目に尾道の街を歩いてから、バスでしまなみ海道を渡って今治へ向かい、ここから再び列車で松山まで行くという行程です。

古くからの港町である広島県の「尾道」は、瀬戸内海の海運の拠点であった歴史ある街です。
自分が「尾道」と聞いて思い浮かべるのは、「坂道の街並み」と「しまなみ海道」、そして「映画のロケ地」といったところでしょうか。
この街を巡るのは「しまなみ海道を自転車で走る時」と思っていたのですが、下見を兼ねて今回の旅の途中で歩いてみることにしました。
坂の街を歩く

JR尾道駅に降りた後、海岸に出て、海辺の歩道を「千光寺」方面へ向かって歩いて行きました。

途中にある「福本渡船」の乗り場には、2025年3月末で渡船事業を廃止するというお知らせが掲示されていました。老朽化に伴い、135年という長い歴史のある営業を終えるとのことでした。

途中で「本通り商店街」のアーケードに入り、さらに線路を渡ってロープウェイの山麓駅へ向かいます。


ロープウェイに乗る前に、周辺の坂道を歩いてみようと思い、もう少し先にある「れんが坂」まで行ってみました。
れんが坂

狭い海峡に面し、背後に山地が迫る尾道は、「坂」の街としても知られています。
いくつもの映画のロケ地となり、特に尾道出身の大林宣彦監督の「尾道三部作」と呼ばれる作品の舞台になったことで、その街並みが知られるようになりました。


路地を抜けて県道に出ると、向かいの街並みの中に「大きな時計」が見えてきます。
映画「時をかける少女」で使われた時計が残されているそうで、主人公の原田知世がタイムトラベルする時に逆回りしていた時計だったような・・・。


再び路地に入り、坂道を登っていきます。通りの壁には、映画などの資料が貼られています。


坂道の石段を登り「れんが坂」に出ると、新しく張替えられた路面が続いていて、昔の面影はなくなっているようでした。


大山寺の境内に入り、尾道の街を見下ろしました。

向こうの山の中腹には「千光寺」が見えています。一帯には寺院が連なっていて、寺の多い町であることを改めて感じます。

坂道を下り、再びロープウェイ山麓駅に戻って「千光寺」へ向かいます。

千光寺山ロープウェイ

「千光寺山ロープウェイ」の営業時間は9:00~17:15で、15分おきにそれぞれの駅から出発します。運賃は大人片道500円です。


高度が上がると、眼下には歴史ある街並みが広がります。



ロープウェイは千光寺の上を通り越して、山頂駅に到着しました。
頂上展望台 PEAK

千光寺山の山頂には、千光寺頂上展望台「PEAK」があり、尾道の街を見渡すことができます。

螺旋のスロープを持つ、なかなか斬新なデザインの展望台です。


尾道の街と尾道水道が一望のもとです。



千光寺

展望台から「千光寺」に向かって下っていきます。

沿道には、尾道にゆかりのある作家たちの文学碑が点在していました。

道はやがて山の中腹に建つ「千光寺」の境内へと入っていきます。


鐘楼からは、ロープウェイ越しに尾道の街の展望が広がっています。



弘法大師の開基と伝えられる「千光寺」は、1200年の歴史をもつ古刹で、山の中腹に建つ舞台づくりの朱色の本堂は、尾道のシンボルともいえる存在です。

帰りは、千光寺通りの石段を歩いて下っていきました。





尾道ラーメン

お昼時になり、駅への帰り道の途中で「尾道ラーメン」の店を訪ねました。

人気店のようで、行列ができていてしばらく並びました。お一人様も結構いたので、気兼ねなく待てました。


キリっとした醤油味のスープに、浮かんだ背油がまろやかさを加え、みんなが好きな味だと思います。
しまなみ海道のスタート地点

駅へ戻り、いつか自転車で走りたいと思っている「しまなみ海道」に関係する情報を集めました。
尾道駅前には、自転車を組み立てている若者もいて、これからしまなみ海道へ向かうサイクリストたちの姿が見られます。
しまなみ海道サイクリング

駅舎の東側には芝生の公園があり、さらにその前には屋根付きの「自転車組立場」もありました。

こちらで準備をしたり自転車を組み立てたりできるありがたい施設です。

尾道水道を挟んですぐ向かいにある「向島」までは、渡し船で渡ることが推奨されています。「尾道大橋」を通って渡ることもできるのですが、交通量がたいへん多く、歩道もかなり狭いです。

尾道駅からのスタートでは、すぐ目の前にある尾道水道を、対岸にある「向島」へ渡し船で渡るのが一般的なルートなので、周囲の様子を見てみました。
渡し船には、上の写真のアーチのある乗り場から乗船します。
こちらの渡し船は、徒歩、自転車、125cc未満のバイク専用で、それ以上の排気量のバイクや自動車は乗れません。
運賃は、大人1回100円で、自転車を持ち込む場合は+10円で合計110円です。
事前に切符を購入する必要はなく、料金は船内で支払いますので、小銭を用意しておく必要があります。(キャッシュレス未対応)
乗船時間はおよそ5分です。
始発は6:00、最終が22:10で、時刻表はなく、およそ12分間隔で往復運行されています。
高速バス

今回はバスで尾道から今治まで移動したわけですが、この区間のバスについても簡単にまとめておきます。自家用車利用でしまなみ海道をサイクリングしに来た場合、バスで出発地点へ戻る必要のある場合もあるかもしれません。
結論から言うと、尾道と今治を直接結ぶバス路線はありません。どこかで「しまなみライナー」に乗り継ぎをする必要があります。
福山と今治の間には「しまなみライナー」という高速バスが走っていて、本州と四国の間を行き来していますが、直通のバス路線はこれだけなので、いずれにしてもこのバスに乗り継ぐことが必要になります。
「しまなみライナー」は福山と今治を結ぶ路線なので、福山まで行ってこれに乗車するのが一番簡単なのですが、尾道からでも乗り継ぎ1回で今治へ行くことができます。
尾道駅発の路線バスで「向島バスストップ」か「因島大橋」「因島重井バスストップ」のいずれかのバス停へ行き、ここでしまなみライナーに乗り継ぐのですが、接続がよくない場合もあるので、時刻表を見てしっかり計画しておく必要があります。
「バスストップ」は周囲に何もない場所ですが、「因島大橋」は大浜パーキングエリアに隣接しているので、時間調整をするならこちらがおすすめです。
料金は合計で2,370~2,390円で、所要時間はおよそ1時間40分ほどです。
今回は鉄道旅だったのですが、バスを利用して四国へ行くのも意外とお手軽ではないか、と思いました。
今治からは再び鉄道旅が再開です。
※この記事の情報は、すべて2025年3月時点のものです。


