上高地方面からの帰り道、国道158号線で波田を通り過ぎる途中の細い分かれ道の入口に「日本アルブスサラダ街道」という小さな案内板があります。
以前から知ってはいましたが、大きな道路案内には出てこない名称なので、おそらく広域農道に名前をつけただけのものだろうと思って、これまであまり意識してはいませんでした。
しかし、今回思い立って部分的ではありますが走ってみたら、なかなか気持ちのよいドライブルートだったので紹介したいと思います。
今回は国道158号線との分岐点から北側、松本市から安曇野市方面についての様子です。
日本アルプスサラダ街道

「日本アルプスサラダ街道」は、長野県塩尻市から安曇野市にかけて北アルプスの山麓を走る約30kmにわたる観光ルートです。
制定されたのは1988年で、大規模なハード事業による観光開発をしないで、日常の農村を味わってもらうことが趣旨となっていたようです。
沿線にはぶどうやりんご、スイカなどの果樹や野菜の畑が広がっており、名称の由来となっています。
当初は日本アルプスサラダ街道協議会という組織があり、イベントなども行っていたようですが、現在は公式サイトも消滅しているようです。
既存の道路を生かしたものなので、周辺の生活道路が入り交じりルートがわかりにくい部分もあるのですが、沿線は見晴らしのよい部分も多く景色はなかなかのもので、信号機もほとんどなく、気持ちのよい走りができるルートです。
また沿線には、ワイナリーや蕎麦集落、入浴施設や国立公園など様々な施設があるのも魅力になっています。
松本から安曇野へ

今回はルートの北側部分だけですが、景観的にはずっと安曇野を見渡しながらのドライブになる気持ちのよい道です。
今回のスタートは松本市波田の158号線から「松本市役所波田支所」の前で分かれている細い道で、信号もなく小さな看板は道とは反対側に立っているので、注意していないと通り過ぎてしまいます。

上高地方面から来ると、「波田小学校前」の信号を過ぎてすぐ、左側へ分かれる道の反対側(支所の入口)に「日本アルプスサラダ街道」という小さな看板があるので、ここを左折します。
ここには左折する道が2本ありますが松本寄りの方の道です。
松本方面から来ると、道沿いの支所の敷地内に同様に看板が立っているので、ここを右折します。
この後も、「サラダ街道」に関する大きな案内板はまったく出てこないので、所々に現れるこの小さな看板が頼りで、迷ったら確認する必要があるといった感じです。


梓川を渡り、「立田上手町」の信号を左折して、河岸段丘を登っていきます。
北アルプス山麓の平原に出てからも、しばらく山に向かって登っていきます。

やがて例の小さな看板のある交差点があらわれ、ここを右折すると、遙か彼方まで続くりんご畑の中を走る一直線の道が始まります。
りんご畑の中の道


両側には、りんご畑が見渡す限り広がっています。


りんご畑の間には蕎麦畑や牧草地などもあり、ちょうど蕎麦が白い花を咲かせていました。



安曇野の向こうに、美ヶ原や鉢伏山などを見渡しながら走ります。
約2km続く直線を走り、例の案内板で左折すると、すぐに「安曇野ワイナリー」の看板のある交差点に出ます。
安曇野ワイナリー

このルートの南側の始まりである塩尻市の「桔梗ヶ原」は、ぶどう栽培が盛んでいくつものワイナリーがあるのですが、安曇野にもワイナリーがあるので訪ねてみます。

「安曇野ワイナリー」の看板から道を下っていくと、ぶどう畑の中に南欧風の建物が見えてきます。


広い駐車場があり、すぐ近くには渓流も流れています。

きれいに手入れされた葡萄畑が美しいです。


こちらではワインの試飲ができるのですが、車で来ているのでちょっと残念です。
お土産のワインやヨーグルトなどが購入できるショップがありますが、カフェの営業は止めたようです。コロナの影響でしょうか。

再びサラダ街道に戻り、川を渡ると「室山」という小さな山があり、その上に建物(ファインビュー室山)が見えています。
山の周辺は公園になっていて、「ファインビュー室山」では日帰り入浴ができ、なかなか見晴らしのよい広い露天風呂があります。

小倉の集落内で「サラダ街道」は右へ曲がり、りんご畑の中を下って行き終点になりますが、今回はさらに山沿いを進んできます。
山麓線へ

ここから先は、県道25号「山麓線」と言われる道を進みます。


途中の信号から山の方へ少し入り、「三郷スカイライン」の様子を偵察します。
北アルプスの山中に向けて走る山岳道路ですが、行ったことはありません。通り抜けができず引き返す道なので、林道ツーリング候補としてはどうしても優先順位が低くなりがちです。
通行はできるようですが、これからの季節は木々が茂り展望はよくないと思われるので今後の課題です。

山麓線沿道には、ところどころ収穫を控える麦畑も広がっていました。

山麓線を進むと「国営アルプスあずみの公園」入口の案内があったので少し入ってみます。

道は正面に常念岳を見ながら登っていきます。この周辺には広い国立公園が整備されていますが、今回は公園には寄らずに引き返します。



山麓線まで来ると山が近すぎて見えない所の方が多いので、山を見るなら少し下ったあたりがよいかもしれません。
今回は途中で山麓線を離れましたが、この先も大町方面へ道は続いていきます。
おわりに
「日本アルプスサラダ街道」は、農村地帯を走り、爽やかな景色を見ることができる道でした。
もともとある一般道をつなげたものなので、途中でルートがあちこちに曲がり、案内板も小さく少なめなので、わかりづらいルートではあると思います。
しかし、ところどころにあらわれる景色には魅力的なものがありました。
ルートの南側にも「桔梗ヶ原のワイナリー」や「唐沢蕎麦集落」などがあるので、こちらもいつか走ってみようと思いました。