今回は、関東起点で日帰りできる距離のドライブにおすすめの「山岳観光ルート」を3つ挙げてみました。
山々の景色が広がり、高原の風を直に感じることのできる場所、しかも観光として誰でも行くことができるルート選びです。
ワクチン接種が始まり、日常を取り戻すまでもう少しという期待も出てきました。今しばらくは安全に日帰りドライブを楽しみたいと思います。
「山岳観光ルート」の基準
山深い林道などは誰でも行けるわけではありませんので、老若男女を問わず一般的な乗用車で走れる道を「山岳観光ルート」とし、基準は以下のようにしました。
絶景が見られる標高1000m以上の道
普段の生活では目にすることがない、他では見られない景色に出会える。そして夏でも涼しい高原のルート。
ある程度の距離がある
いくら絶景でも、すぐに終わってしまうのではドライブとしては物足りないので、ある程度の距離を走りながら景色を楽しむことができるルート。
途中に飲食や販売などの施設がある
「景色のよい道」はたくさんありますが、そういう道は辺境や山奥深くだったりします。
しかし観光道路といえば、飲食のできる店やお土産が購入できる施設があることも重要なので、沿線にそうした施設のあるルート。
無料
観光用の有料道路なら景色がよくて当たり前なので、有料道路は除外します。
観光ルート3選
3つに絞るのは大変ですが、とりあえず挙げてみました。
標高が高い場所になるとどうしてもアプローチが長くなりますが、それでも片道3時間くらいで行ける範囲でないと日帰りは難しいので、その範囲内です。
日帰り前提ですが、ルートの前後にも多くの観光地があるので、宿泊ありなら絶景ドライブと合わせて楽しめます。
ビーナスライン

ビーナスライン入口の長野県茅野市には、中央道利用で都内から2時間ほどです。
周囲にアルプスの峰々を展望しながら、草原が広がる1500mを超える山の上を走り、距離も全長76kmという長さを備えたルートは、他では探すことができません。
沿線には手軽にハイキングを楽しめるスポットもたくさんあり、山岳ドライブといえば必ず名前が挙がるルートです。
景観のメインは白樺湖から美ヶ原に至る部分で、霧ヶ峰山麓の草原の道をアルプスや八ヶ岳の峰々を見渡しながら走ります。

白樺湖あたりまでは樹林の中を通ることも多いのですが、それ以降は広々とした草原の道を走ります。



ルート沿いには散策のできる遊歩道が各所にあり、ドライブと合わせて高原のハイキングを楽しめるのも魅力です。


ルート沿いにある「八島ヶ原湿原」は、周囲にトレッキングコースが整備されています。


美ヶ原に登る道は、急カーブの連続で高度を上げていきます。
美ヶ原高原に続くこの区間は、冬季閉鎖が解除になる前の春の残雪期にも走ることができます。


ビーナスラインについては以下の記事もご覧ください。

志賀草津ルート

群馬と長野の温泉地を結び、火山の間を走る標高2000mを超えるドライブルートです。
県境になる「渋峠」の標高は2152mで、国道としては全国最高地点です。
これまで草津白根山の火山活動により交通規制が行われていましたが、噴火警戒レベルが下がり、2021年春から全線開通となりました。
今は以前のように白根山の火口周辺へ行くことはできませんが、火山特有の荒涼とした景色や、志賀高原の四季の自然を満喫できるルートです。
アプローチにはやや時間がかかり、都内からはどちらから行っても3時間程度みておく必要があります。


群馬側は「草津温泉」がスタート地点で、少し寄り道をして「湯畑」など草津ならではのスポットも訪れたいものです。

スキー場の中を山に向かって登っていくと、硫黄の匂いが漂ってきて、周囲には荒涼とした火山灰に覆われた景色が広がってきます。

現在、火口にできた「湯釜」周辺は立入が禁止されています。
白根山を見ながら登ると、間もなく「渋峠」に到着し県境を越えます。
渋峠にはスキー場のリフト乗り場があって春遅くまでスキー客が訪れ、県境を跨いで建つことで知られるホテルなどもあります。


志賀高原の最高峰「横手山(2307m)」には、ルート途中の中腹にある駐車場に車を駐めて、歩かずにリフトで登ることができます。


志賀高原一帯にはスキー場が広がり、様々なエリアに遊歩道が整備されていて、四季を通じてハイキングを楽しむこともできます。
志賀高原からの下りは、長野オリンピックの際に整備された走りやすい道になっていて、下り終えると「湯田中」の温泉街へと続いています。
同じエリアにあるこちらも、魅力的な風景に出会えるドライブルートです。


赤城山

景観重視だとどうしても高い山のある中部方面が多くなってしまいますが、3つ目は、首都圏に近く絶景も見られるこちらを選びました。
赤城山は関東平野の北に聳える1828mの独立峰で、天気がよければ関東平野を広く見渡すことができる展望台です。
関東ではお馴染みの山で距離的に近く、利根川を挟んで隣には「榛名山」もあるので、合わせて楽しむこともできます。
赤城山にはたくさんの道が開かれていますが、今回おすすめするのは、景色を見ながら南斜面を下りてくるルートです。

まず北側の沼田方面から、なだらかな高原の道を登っていきます。周囲には一面に野菜畑が広がっています。
山頂まで1000mほど登りますが、県道251号線は道幅も広く走りやすい道です。


山上に出ると間もなく、大沼湖畔に「赤城神社」が見えてきます。標高1300mの山の上ですが、たくさんの参拝者で賑わっています。

山上のカルデラ内には、大沼、小沼、覚満淵などの池があり、独特の景観をつくっています。

山頂カルデラの縁にあたる「鳥居峠」からは、南側の関東平野の展望が広がります。
景色を見るなら「県道16号大胡赤城線」
下りは「県道16号大胡赤城線」を下ります。この道は南側に延びる尾根上を走っており、関東平野を見下ろしながら一気に下る爽快なルートです。
道はいくつかありますが、景色を見るならこちらがおすすめです。
しかし、道は細くすれ違いには気を遣います。また傾斜も急で、登りは大変そうなので下りで通るのがよいと思います。ここを自転車で下る人も見かけました。


カルデラ内は平坦な道ですが、下りに入ると細く曲がりくねった急傾斜の道が続いており、運転に不慣れな人にはあまりおすすめできないルートです。


道は木々に覆われているので、展望は所々で開ける程度ですが、途中には「赤城山パノラマ展望台」があるので、ここでゆっくりと景色を堪能できます。
近くに数台駐められる駐車スペースもあります。

坂を下り終わったところには、赤城神社の里宮があります。

山麓周辺には、桜の名所やフラワーパークなど様々なスポットがあるので合わせて楽しめます。
感染対策を行いながらドライブを楽しみましょう。

