北アルプスを代表する山の一つである「穂高岳」。いくつかの岩峰からなるこの山の最高地点「奥穂高岳」の標高は3,190mで、日本第3位の高峰です。
穂高岳は山全体が岩稜で、体力と技術が必要な部分が多いのですが、その峰々の中で最も短時間でピークに立てるのが「西穂高岳」です。
新穂高から「新穂高ロープウェイ」を利用すると、日帰りでの山行が可能です。とは言え、西穂高岳周辺は険しい岩稜で、これはある程度の技術や経験のある人に限られた話です。
しかし、ロープウェイを利用してアルプスの雰囲気を味わう初心者向きの登山コースもあります。それは「西穂高岳独標」をめざすルートです。
今回は、「新穂高ロープウェイ」を利用して、「西穂高岳独標」まで往復する日帰り登山について紹介します。
西穂高岳独標とは

西穂高岳は、北穂高、前穂高、奥穂高などのいわゆる「穂高岳」の峰々の南端にあり、焼岳以南を除けば、北アルプスの主稜線の南端とも言える山です。
西穂高岳のピークからは、南に向かっていくつもの岩峰が連なっていますが、西穂高の山頂を1として順番にナンバーが付けられていて、独標は11番目のピークなので「11峰」と呼ばれることもあります。
独標から先はやせた岩稜の尾根道になり、岩場の経験がないと危険な箇所がありますが、独標までは比較的安全な稜線歩きで到達することができるため、多くの登山者が訪れています。
独標が11峰ですので、西穂高岳まではこの先10の岩峰を越えていくルートになります。体力と技術に自信がない場合は、登山は「独標」までにしておくのが賢明です。
新穂高へのアプローチ
高速道路利用の場合、関東方面からは長野自動車道の「松本IC」、中京方面から来る場合は、東海北陸自動車道から中部縦貫自動車道に入り「高山IC」で下り、ともに「新穂高温泉」を目指します。
ロープウェイの登山者用駐車場へは、新穂高の温泉街に入る前にメインルートから外れて山の方へ登っていく道になりますが、詳細は新穂高ロープウェイのホームページに案内が掲載されているので参照してください。

新穂高ロープウェイ

いわゆる「新穂高ロープウェイ」は、第1と第2の二つのロープウェイに分かれています。
「新穂高温泉郷」の奥にある乗り場は、短い「第1ロープウェイ」の乗り場で、すぐにメインである「第2ロープウェイ」に乗り換えなければなりませんので、はじめから第2ロープウェイの乗り場である「しらかば平駅」へ向かうのがよいと思います。
登山者の場合、登山者用の駐車場はしらかば平駅に近いところに設置されているので、必然的にこちらへ向かうことになります。




※掲載されている情報は、すべて2020年10月時点のものです。
西穂山荘へ
ホームページの案内に従って登山者用の駐車場に向かい、車を駐めます。ここから「しらかば平駅」までは少し歩きます。

「しらかば平駅」でロープウェイに乗車し、「西穂高口駅」までの標高差850mほどを一気に登ります。約7分の乗車です。


ロープウェイの「西穂高口駅」は標高2156m。屋上の展望台からは、西に「笠ヶ岳」、南に「焼岳」、北には穂高の山並みの向こうに「槍ヶ岳」も見えています。



西穂山荘への登山道は、樹林の中の整備された歩きやすい道です。およそ1時間で「西穂山荘」に到着です。



山荘の周辺は、夏のアルプスの稜線歩きを楽しむ人々で賑わっていました。
西穂山荘は「通年営業」の山小屋で、ロープウェイ利用による入山のしやすさもあって年間を通じて多くの登山者が訪れています。
西穂高岳への稜線を行く


独標に向かって、樹林の中の道を登り始めます。高度が上がると、頭だけ見えていた焼岳の全体の姿が見えてきます。

樹林帯を抜けると、ハイマツの中の道になります。前方には穂高岳に続く峰々が見えてきます。
夏休みの時期はたくさんの登山者がいて、小学生もたくさん登っています。


途中の「丸山」でひと休みしてさらに進むと、前方に聳える「独標」の上にいる人たちの姿もはっきりと見えてきます。
西穂高岳独標


独標周辺まで来ると、手も使って岩を登る部分が出てきます。岩稜帯の始まりといった感じです。
そして最後の一登りで、岩だらけの独標の頂上に飛び出します。


独標の先にはいくつもの岩峰が連なり、岩だらけの道が続いています。






山頂周辺は、休憩の人々であふれていました。
今回の山行はここまでです。しばし景色を楽しみ、帰路へ向かいます。まだ午前中ですが、空には雲が広がってきました。



ロープウェイ「西穂高口駅」に戻りました。往復には5時間程度見ておくとよいと思います。
おわりに
「アルプスの入門コース」として人気のルートです。今回はお盆の期間中の様子ですが、大変賑わっており、小学生もたくさん訪れていました。
比較的簡単にアルプスの稜線に立てますし、体力的にも厳しくはありませんが、北アルプスの一部であり、周囲は岩稜帯でエスケープルートもありません。
特に天候の急変には注意が必要で、過去には落雷事故もあります。子ども連れや年配の方は無理のない行動を心がけたいものです。
独標から先は岩稜続きになり、岩場の経験がないと時間もかかります。自身の力量を考えて安易に踏み込まないことが肝要です。
天候の良い日を選び、安全な登山を楽しみましょう。


