新型コロナの猛威は2021年になってもなかなか衰えを見せません。
緊急事態宣言が出された大都市圏の皆さんは、どこにも出かけることができず残念な日々を送っているかも知れませんが、ここは辛抱です。
コロナは人から人へ拡散していくもの。人との接触を避け予防に努める以外に収束への道はありません。
都道府県間の移動が可能になったとしても、不特定多数との接触は避けたいので、単独での野外活動は、しばらくは今どきのレジャーの形として広がりを見せるかもしれません。
一人でアウトドアを楽しむ

コロナ禍の中で「外出自粛」が要請されているのは、ご存じのように人と人との接触が感染を広めるからです。基本的に人の接触がなければ感染は広がらず収束に向かいます。
しかし家の中に籠もっての生活が長くなると、人はどうしてもどこかへ出かけたくなるものです。
そんな時、基本的に自家用車の中で過ごす「ドライブ」は、比較的自分自身も安全で、周囲への感染拡大のリスクも制御できる移動方法です。
自家用車の中は、家の中にいるのと同じようなものなので、移動はするけれど誰とも接触せず、人の中へ行くのは食料を仕入れる時など最低限にしていれば、家で暮らすのとほぼ変わらない状況になります。
もちろん車から出る際は十分な注意を払いますが、自家用車で移動し、コロナ感染の危険の少ない自然の中で単独または少人数で過ごすことは、けっこう安全なレジャーではないかと思います。
ソロ活動には危険もある
密を避けるために「単独」で行動するのは、コロナからの安全を確保するためには一番有効です。
今は「ソロキャンプ」も人気のようですが、しかし「ソロもいいな」と思うのは「車中泊やキャンプ」までです。
実際のところ、登山やハイキングなどの野外での活動においては、単独での行動はあまりおすすめはできません。
登山等での単独行動は、安全面で大きな不安があります。確かな経験と技術、一人を愛する心がなければやめておいた方がよいものです。
ソロキャンプやソロ車中泊は一人で行う活動ではあるものの、周辺には人がいる環境なので、いざというときは救援を求めることができます。
しかし山の中での単独行動は、本当に何があっても一人なので、自分だけではどうすることもできない事態に遭遇したら手の打ちようがありません。
楽しいアウトドアのために、何事も安全第一で行動しましょう。
というわけで、そんな今どきのアウトドア活動の中から、今回は「車中泊」についてです。
最小限の準備でおこなう車中泊

日帰りでない限り、旅をする場合はどこかで宿泊をしなくてはなりません。
旅の最大の出費は宿泊費なので、これを抑えるために車中泊をする人が増えていますし、車に泊まること自体を楽しむキャンパーとしての車中泊愛好者もたくさんいます。
そのため、車中泊については「今更」といった感があります。すでに一般的な旅の手段になっており、ネット上にたくさんの情報もあって、凝って楽しむのに参考になるブログもたくさんあります。
しかし今、「人との接触を避ける」ためにとりあえず車に泊まって旅をする、という人がいきなり車中泊を始めると、いろいろと戸惑うこともあると思います。
この記事では、こうした「これから始めよう」とする人に向けた、最小限の準備と実際の様子の話です。
必要なものを準備する
車中泊は字のごとく「車の中で泊まる」ものなので、何と言っても「寝る」ための準備が必要です。
逆に言えば、寝る準備さえ用意できればすぐにできます。
寝具
シュラフを使う人が多いですが、布団でも毛布でも寒くなく眠れるものがあればなんでもよいと思います。
荷台の大きな車で、運転席や助手席とは別に眠る場所が確保できるのであれば、本当に布団でも構いませんが、前部のシートを倒して寝床を作るような場合は、片付けが簡単にできるシュラフが便利です。
ちなみに私はステーションワゴンで車中泊をするので、運転席、助手席はそのままにして後部座席を倒し、後ろのスペースに就寝するスタイルですが、寝具はダウンのシュラフを使っています。
保温性も使い勝手もよく、ひとつ用意しておくといろいろな場面で使えます。
登山に使用するものがあったのでそれを流用しているのですが、コンパクトなのに体の周囲をぐるりと囲んでくれるので、冬は暖かく重宝します。そしてダウンの威力は大きいです。
助手席を倒して使用する場合も、シュラフはコンパクトに収納できるので適していると思います。
また、枕になるクッションなども用意したいところです。
マット
助手席の場合、シートを倒しただけではなかなか快適に眠ることはできません。よく眠れないと翌日の運転に影響が出て、安全面にも不安があります。快適な睡眠を確保するためにマットは欠かせません。
しかし、一枚用意すればOKという場合はほぼありません。
シートの凹みにクッションを入れたり、固めのエアマットで平面を作ったりして、できるだけ真っ直ぐ体を伸ばせる空間を作らなくてはなりません。
ここは寝心地を左右するので、しっかりと対策を考えておきたい部分です。
私は前に倒した後部座席背面と荷台を使って寝ているので、就寝する面はほぼフラットですが、そこに断熱効果のあるアルミを張ったマットを敷き、その上にコンパクトに収納できる薄めのエアマットを広げて寝ています。
ここまでできれば、とりあえず車中泊ができます。
照明器具
車中泊では「照明器具」が必ず必要になります。
夜トイレに行く時や、夜の車内での生活のために「照明」が必要です。
そもそも目隠しで窓を覆うと、車内は真っ暗になってしまいますので、車中泊には「照明器具」は必需品です。
できれは携帯できる「懐中電灯」と車内を照らす「室内灯」のようなものが両方あるとよいのですが、とりあえず「懐中電灯」のような灯りがあればOKです。
窓の目隠しシェード
車中泊で寝ている間、車内を覗かれるのは気持ちのよいものではありませんし、防犯上も気になる点です。
そんなことは気にしないという豪快な方でない限り、目隠し用のシェードやカーテンを用意する必要があります。
最近は車種に専用の物から汎用の物まで、様々な商品が販売されていますが、それなりの値段がします。
お試し車中泊では躊躇ってしまう価格なので、とりあえず自作をおすすめします。
フロントガラスはサンシェードを流用し、サイドとバックの窓を覆える身近なものを探します。
たとえば、黒い画用紙を窓を覆える枚数用意して、それを窓の形に切ってはめ込んだり、テープや磁石で窓枠に固定したりすれば、数百円で目隠しを作ることはできます。
ものづくりが好きな人なら、工夫次第でいろいろな物ができるので楽しめるかもしれません。
私の場合は、前部座席との間に突っ張り棒で黒いカーテンを張り、就寝スペースの窓には黒い画用紙を形に合わせて切り抜いてはめ込み、専用の目隠しセットを作りましたが、これでも十分に使えました。
その他
車中泊では外に出る機会も多いので、サンダルがあると便利です。その都度靴を履くより楽なので、車内に一足入れておくとよいと思います。
また、私は就寝用の荷台に余裕があるので、小さなテーブルを置いています。ここで食事や簡単な作業もできますし、スマホや時計などすぐ必要な物を置いておけるので便利です。しかしこれはなくてもまったく構いません。
工夫次第で、あまり予算を掛けずに準備をすることができます。
計画を立てる
適している季節は?
車中泊はどの季節でもできますが、適しているのは「春と秋」です。そして大変なのは何と言っても「夏」です。
「冬」の寒さについては工夫次第で様々な方法がありますが、「夏」の暑さ対策はエアコンを使う以外どうしようもありません。
一晩中エンジンをつけてエアコンを入れておくのはどうかと思いますし、場所によってはできないところもあります。本格的なキャンピングカーでなければ、車内専用にエアコンを付けることなどもできません。
窓を開ければ虫がやってきますし、防犯上の心配もあります。第一外気が暑ければ、窓を開けてもあまり意味はありません。
どうしても夏の車中泊をやりたい場合は、標高が高く夜は気温が低くなるところへ行くか、高速のパーキングエリアなどエンジンがかかっていても迷惑になりにくいところでエアコンを使用しながら寝るくらいしか対策はないと思います。
冬はとにかく暖かい寝具を用意することです。冬山登山で用いるシュラフがおすすめです。
使い捨てカイロなどをたくさん使って暖を取れば、寝られないことはないと思います。また費用はかかりますが、ポータブルのバッテリーを用意すれば、電気毛布などを使うことも可能です。
車中泊の場所は?
宿泊のためには、どうしてもトイレが必要です。24時間使用できるトイレがあることが大前提になります。
車利用の旅のために「オートキャンプ場」や「RVパーク」も増えていますが、一人でこれを利用すると、予算的には安いホテルに泊まるのと大差ありません。
コロナ禍でホテルに泊まること自体をためらうお試し車中泊なので、とりあえず「無料」の場所を探したいところです。
車中泊場所としてよく挙がるのは、「道の駅」と高速道路の「サービスエリア」です。
どちらも車中泊をする場所ではありませんが、明確に禁止されているところでなければ、車内で完結する夜間の宿泊(仮眠という扱い)は問題とされることはありません。
しかし、出入り自由の「道の駅」は夜間にどんな人が来るかわからないので、移動中に多くの人が仮眠する高速道路の「サービスエリア」の方が安心かなという気はします。
せっかく泊まるのだから景色のよいところに・・・といったロケーションを気にしなければ、全国至る所に車中泊可能な場所があり、ネット上にたくさんの情報があります。
無料キャンプ場の駐車場や海辺や山の中にある駐車場など、車中泊そのものは禁止されていない所もありますし、街中ならコインパーキングなどに駐めて行うことも可能ですが、安全やトイレ等の事情も考えると、上記の2カ所が一般的かと思います。
おわりに

ここまでの準備で、とりあえず車中泊はできます。そしてスーパーやコンビニで食料を仕入れれば、最小限の人との接触で旅ができます。
入浴については、多少の接触は必要ですが、近くにある日帰り温泉施設を探して入るということになります。
車中泊をやる理由は、「お金をかけずに旅をする」という人が一番多いです。
宿泊代は旅の費用で最も大きな部分を占めるものなので、これをカットできれば経済的な負担を大きく減らせます。
しかしコロナ禍の今では、「人との接触を避けるための旅の方策」として考えている人も少なからずいます。
時間さえ自由になるのなら、車中泊での旅は様々な可能性を広げるおすすめの旅の方法だと思いますので、まずはやってみることです。
やってみて車中泊が楽しいと思えば、いろいろな用具を揃えたり工夫したりして楽しんでいけばいいと思いますし、自分には向かないと思ったらやめればよいのですから。費用をかけずにまずは体験してみましょう。
何事も挑戦してみることがすべてのスタートです。

