今年の冬は、ここまでとても暖かかったので、車中泊をするもの例年よりかなりやり易かったのではないかと思います。
車中泊はこれまでしばしば行ってきましたが、郊外の道の駅や高速道路のSA,、PAなどを利用することが多く、市街地のコインパーキングなどを利用して行ったことはありませんでした。
今回、「街中での車中泊」をやってみたので、その体験談を紹介します。
街中での車中泊
街の中で車中泊をするということには、どちらかというと抵抗があります。
郊外だと、車に泊まるキャンプのようなものであまり違和感はないのですが、街中だと車に寝泊まりするというのは、どことなく怪しさがあって、周囲によい印象は与えないと思います。
そのため、これまでやったことがなかったのですが、今回チャレンジしようと初めてやってみました。
そうだ 京都、行こう
これまでにも「クマのいないハイキングルート」を探してあちこち出かけてきたのですが、今回は冬の京都周辺の里山に出かけてみることにしました。
京都周辺の山は、かつて冬の「北山」を歩いた経験があり、街が近いわりに静かな里山歩きができるよい地域だと感じていました。
これまでに京都の有名な寺院の多くは見学・拝観をしたことがあったので、今回は基本的に神社仏閣等を訪ねるつもりはありませんでした。
「京都の里山を歩く旅」が目的で、それ以外の街中の観光などは計画になく、持ち物や服装もラフなものだけ、ということも、「車中泊でもよいか」と思ったきっかけになりました。
車中泊のメリット
当初はホテル泊のつもりで宿を探していたのですが、あまり早く予約をすると天候が予測できないので、できればある程度天候の見通しが立つ頃に予約をしようと思っていましたが、そうなると宿泊費の手頃な宿は一杯になっていたり、交通の便のよくない場所しか確保できなかったりして、なかなかよい宿が見つかりません。
また、京都の街中では駐車場のない宿も多く、ホテルの他に駐車場も別に確保しなくてはならないので、いっそのこと駐車した場所で車中泊をしてもよいのではないか、と思い始めました。
車中泊ならホテル予約の日程も気にしなくてよいし、料金的にも格安な旅になります。
郊外の車中泊好適地を調べてみると、京都の中心部からは遠い所が多く京都感のあまりない地域で、交通機関へのアクセスもよくありません。
そんなわけで、今回は市内中心部に近い街中のコインパーキングで適当な場所を探してみることにしました。
車中泊場所の条件
コインパーキングは至る所にたくさんあるのですが、車中泊をするとなるとどこでもよいというわけではなく、かなり条件が限られます。
まず、一晩を過ごす生活の基盤となる施設が近くにあることが必須です。食事などは買い置きしておけばどうにでもなりますが、「トイレ」だけは一晩中使える場所が近くにある必要があります。
また、今回は山歩きをするので入浴は必須で、「入浴施設」が近くにあるとありがたいと思っていました。
こうして車中泊場所を探すにあたって、今回参考にさせていただいたのは『車中泊まとめWiki』というサイトです。
全国の車中泊好適地がマップにまとめられており、詳細な情報も載っていて、大変役に立ちました。
こちらに紹介されている場所の中から選んだのですが、ここに掲載されている場所は、車中泊をする人には多少なりとも知られたスポットなのだろうと思います。
しかし冬は車中泊閑散期ということもあり、今回は夜間はすべて空車になっていて、問題なく駐めることができました。
具体的な施設の紹介はひかえますが、すぐ近くに24時間利用可能なトイレがあり、徒歩数分の所に銭湯もある便利な場所です。
しかも駐車料金の1日最大料金がかなり安く設定されており、夏の繁忙期などは人気でスペースを確保できないこともあるかもしれないと思います。
街中車中泊の利点と留意点
利点
今回のような街中での車中泊の利点は、なんといっても「目的地に近い」ということです。車から出るとすぐに街歩きが始まります。その街の雰囲気を感じながら、「徒歩で目的地に向かう」ことができます。
そして、車中泊には「自由度の高さ」があるので、旅に関して直前の決定も急な変更もアリですし、到着時刻も自由で時間にとらわれることがありません。
また「費用の安さ」も魅力です。今回の旅の宿泊費は駐車料金のみなので、ほとんどただのようなものでした。
車中泊の旅自体が目的という方もいますが、本来はあくまでも「旅の手段」のひとつなので、多くのメリットがある代わりに、多少の不便さも伴います。
むしろこの不便さを楽しむくらいの気持ちで行い、街中でキャンプを行うような感じで楽しむのがよいと思っています。
留意点
留意点として最も気を遣うのは、街中で周囲には民家も多いので「騒音」を出さないことです。
今回の車中泊では、駐車中は「エンジン音」も「話し声」も「テレビ・ラジオの音」もまったく出さずに過ごしました。
就寝に関しては厳冬期にも使えるシュラフを持参したので、冬であっても寒さの心配はなく、寝てしまえばシュラフの中はポカポカでぐっすりと寝ることができたので、エンジンを回して車内を暖めるようなこともありませんでした。
また周囲からの「視線」にも気を遣います。窓枠をシェードで覆えばかえって目立ってしまうので、できれば道沿いからは離れた奥まった所に駐めたいものです。
とにかく「マナーの良さ」「近隣の迷惑にならない」ことが最も大切なことです。
大津サービスエリア
京都の里山歩きについては、また別の記事で紹介しようと思いますが、今回の京都東山周辺の山歩きは、この市内のコインパーキングを拠点に行いました。
駐車場には2日間駐めさせてもらい、京都の里山の他にも、京都の街を歩き「鴨川デルタ」を訪ねたり、夕暮れの「哲学の道」を散歩したりすることもできました。
街の銭湯の雰囲気もよく、小さいながらもサウナなどもあって、疑似京都くらしを十分に楽しみました。
しかし結局のところ、街中の駐車場に長らく駐車して過ごすのは少し居心地がよくなくて、2日目の夜に駐車場を出て名神高速道路の大津パ-キングエリア(下り線)へ移動し、そこでもう1泊車中泊をしました。
こちらには車中泊をするお仲間もたくさんいて、かなり気楽に車中泊ができました。
京都周辺の車中泊には超おすすめのスポットなので、少し紹介をしておきたいと思います。
ショップとフードコート
施設も充実していて、1階の売店は24時間営業、2階のフードコートにも24時間営業している店舗があります。
ドライバーズコーナー
大津サービスエリアで特筆すべきは、下り線にある「ドライバーズコーナー」です。
こちらは24時間無料で利用が可能で、マンガコーナーやマッサージ機があったり、電子レンジやコンセントも完備したりしているので、寛いだり仕事をしたりすることもできます。
コンセントはカウンター席に4ヶ所設置されています。
またコインシャワー(10分300円)やコインランドリーもあるので、車中泊には最高の環境かと思います。
屋上展望台
屋上には展望台もあります。琵琶湖を望むこちらの展望デッキの開放時間は6:00~22:00で、無料で利用できます。
※この記事の情報は、すべて2023年12月時点のものです。