万沢林道の起点として当ブログでも紹介している「四万温泉」は、昔ながらの雰囲気を残す小さな温泉街です。
ツーリングもよいですが、ここへ来たら温泉街を歩いてみるのもおすすめです。日帰り入浴ができる施設や旅館があるので温泉を楽しむのもよいし、通りを歩きノスタルジックな遊技店を覗いたりすれば、懐かしい気分に浸れます。
今回は、四万温泉の街を歩いてみました。
メロディーラインと四万の甌穴

「四万温泉」は山懐の温泉街で、ここへ行くには一般的には国道353号線を通るルートしかありません。
群馬県中之条町から国道353号線を北上して行きます。
途中に「メロディーライン」という表示があり、しばらく走ると路面から聞き慣れたメロディーが聞こえてきました。
メロディーラインとは、道路に溝を作り、その上を一定の速度(制限速度)で走ると、走行音がメロディーを奏でるようにした道路のことだそうです。
流れてきたのは「いつも何度でも」。この曲はアニメ映画「千と千尋の神隠し」の主題歌ですが、四万温泉にある老舗旅館が、この映画の「油屋」のモデルのひとつと言われていることにちなんだ選曲のようです。

さらに進むと、「四万の甌穴」という天然記念物があるので見ていきます。
「甌穴」というのは、河底や河岸の岩石面上にできる円形の穴のことで、くぼみの中に石が入り、川の流れによってその石が回転して岩を削り、長い年月を経て円形の穴ができたものです。
国道沿いに広い駐車場があり、四万川の河原へ下りていく道がありますが、国道沿いからも見ることができます。



四万温泉郷


四万大橋の手前で旧道に入り、四万川に沿って細長く広がる温泉郷を辿っていきます。

新湯川との合流点付近まで進むと、川沿いに広い駐車場があるので、ここに車を駐めて歩き始めます。

四万川と新湯川との合流点の河原には、その名の通り「河原の湯」があります。石造りの独特の建物で、湯船は少し小さめでお湯はかなり熱いらしいのですが、無料で利用できます。


新湯川にかかる萩橋を渡るとバスターミナルがあり、ホテルの脇の細い道を進んでいくと左側に赤い橋があり「積善館本館」という碑が立っています。


こちらが、千と千尋の神隠しでモデルになったと言われる旅館「積善館」です。橋のたもとに建つのは洋風の上に和風という不思議な建物ですが美しい佇まいです。本館は1691年に建てられたそうで、群馬県の重要文化財だそうです。
田村坂

積善館の先には、まっすぐな坂道が続いています。

坂の入口に「四万たむら」の門柱があり、ここから旅館の敷地内のようですが、宿泊ではない方もたくさん歩いています。

坂の突き当たりにあるこちらも、なかなか趣のある建物です。
たむらの祖・田村甚五郎清政がこの地に来たのは1563年で、こちらが四万温泉の始まりだそうです。


コロナの影響で、現在は日帰り入浴は受け入れていないようです。



坂の途中にある建物はいつ頃のものでしょうか。昭和初期?のような雰囲気です。

積善館の前に戻り、向かいにある「落合通り」を歩いてみます。
落合通り


細い路地のような通りには様々な商店が並んでいて、昔ながらの温泉街の雰囲気です。




遊技場を覗くと、福助と招き猫がお出迎え。店内にはスマートボールやパチンコ台が並んでいます。

通りを抜けたところには四万川が流れていました。



再び落合通りを通って車に戻ります。ここまでで小一時間。いにしえの温泉街を歩く小さな旅でした。


四万川の上流には、四万川ダムによってできた「奥四万湖」があります。奥四万湖までは車で10分ほどです。

