ビーナスラインのドライブでは、途中で立ち寄りたいハイキングスポットが幾つもありますが、今回紹介するのは「八島ヶ原湿原」を一周するコースです。
コースは湿原を一廻りするのですが、およそ1時間30分程度で歩くことができ、木道が整備され高低差もほとんどないので、子どもでも無理なく歩き通せるコースです。
八島ヶ原湿原とは
「八島ヶ原湿原」は、霧ヶ峰高原の標高約1,600mに広がる湿原で、日本の高層湿原の南限とされ、尾瀬ヶ原より厚く泥炭層が堆積しているそうです。
周囲を一周する遊歩道が整備されていますが、貴重な植生を守るため歩道以外への立ち入りは禁止されています。
湿原の入口にある看板には「七島八島」と書いてありますが、これは昔からの土地の呼び名らしく、正式には「八島ヶ原湿原」と言います。周辺には他にも車山湿原、踊場湿原があり、これらをまとめて国の天然記念物になっています。

八島ヶ原湿原へのアプローチ
ビーナスラインをドライブして
八島ヶ原湿原は、霧ヶ峰の車山と旧中山道である和田峠のほぼ中間にあり、ビーナスラインに隣接しているため、ドライブの途中でも気軽に立ち寄ることができます。
アプローチは諏訪方面、上田方面から様々な道がありますが、どちらから来ても最終的にはビーナスラインに合流してから来るので、まずはビーナスラインを目指してドライブを楽しみたいところです。
駐車場は?
観光地はどこもそうですが、こちらも問題は駐車場です。
「八島ビジターセンターあざみ館」には、隣接して駐車場が約100台分あり、24時間無料で利用できます。しかし観光シーズンの日中は満車になることが当たり前で、観光バスも来場しており、駐車場所の確保に時間がかかる場合が多いです。
待たずに確実に駐めるためには、朝のうちに到着することをおすすめします。

八島ビジターセンターでは、展示ブースで八島ヶ原湿原の自然や歴史について学ぶことができます。また売店があり、オリジナルのお土産などを購入することもできます。
八島ビジターセンターの概要は以下の通りです。
■開館期間 4月下旬〜11月中旬
■開館時間 午前9時30分〜午後4時30分
■期間中無休/入館無料/AED設置施設
■TEL 0266-52-7000
また、ホームページからは、八島湿原のパンフレットやイラストマップをダウンロードすることができます。
トンネルを通って湿原へ
コースは木道部分が多いよく整備された歩道なので、普通の運動靴でも問題なく歩けます。また湿原周辺にはトイレがありませんので、ビジターセンターでトイレを済ませて出発しましょう。
センターのすぐ前に、ビーナスラインの下をくぐるトンネルがあり、ここを通って湿原へ向かいます。トンネルの入口には、野生動物たちが通らないようにネットが掛けられていますので、すり抜けて入っていきます。




トンネルを抜けて数分で、湿原が見渡せる広場に出ます。周囲をなだらかな山に囲まれ、池塘が点在する湿原の景色が広がります。


観光客の多くはここまでなので、この先は静かなハイキングが始まります。
八島ヶ原湿原一周コースに出発(反時計回り)

湿原の周回はどちらからでもよいのですが、今回は反時計回りに辿っていきます。
展望広場から湿原のほとりに下り、南に向かって歩き始めます。湿原の西側はずっと木道歩きになります。

湿原の向こう側の山の裏側は、エコーバレースキー場になります。


やがて道は林の中に入り、緩やかな登り坂になります。道の脇にはたくさんの「アサギマダラ」が舞っていました。


林を抜けると、道は湿原沿いを離れ草原の中を行きます。前方に緑の屋根の「ヒュッテ御射山」が見えてきたら、看板のある角を左へ進みます。
御射山


3分ほど歩くと標識があらわれ、ここで車道に合流します。標識にしたがって「鎌ヶ池・八島ヶ原湿原」方面に向かい、ここからは北上していきます。ここまでの所要時間はおよそ30分です。
しばらく車道を歩きますが、一般車両は通行できないため、車に出会うことはほぼないと思われます。

3分ほど歩くと道の途中に柵があらわれ、案内に従って自分で柵を開けて通っていきます。
この柵はシカが湿原に入って害を及ぼすことを避けるために設置されており、周辺のあちこちに見られます。なお、柵の向こうへはペットの連れ込みはできません。


柵の中に入り、湿原からやや離れた車道を15分ほど歩くと、旧奥霧キャンプ場の跡が見えてきます。
奥霧キャンプ場跡

ここにはかつてキャンプ場がありました。「こちら、奥霧キャンプ場は、只今休止中です。」と書かれた看板が立っていますが、もう10年以上休止のままで、随分長くなりました。昨今の環境保護の流れを見ても、再開することはないのだろうと思います。


車道はここで終わり、道は再び木道になります。標識に従い「八島ビジターセンター駐車場」方面に進みます。
なお、ここの分岐から東の山の方へ進めば、車山まで登っていく登山道があります。



草原の中を行くと、間もなく歩道は湿原沿いになり、「鎌ヶ池」が見えてきます。美しい池の姿を見ながら進みます。


鷲ヶ峰の麓へ
鎌ヶ池を過ぎると、歩道は湿原の北側を辿ります。周回コースも残りわずかです。湿原の向こうに、車山がよく見えます。






青々とした湿原を見ながら進むと、やがて鷲ヶ峰方面への分岐の標識があらわれます。鎌ヶ池からここまで15分ほどです。
「鷲ヶ峰」は湿原のすぐ北に聳える1,798mの峰で、湿原との標高差は200mほどなので、ハイカーの中には山頂まで足を伸ばす人もけっこういるようです。


出発からほぼ1時間半で広場まで戻ってきました。

車に戻った後、霧ヶ峰肩まで移動して、歩いてきた八島ヶ原湿原を見下ろしました。中央の緑の平地が湿原、その後ろが鷲ヶ峰です。
おわりに
家族連れにもおすすめの、安全で負担の少ないコースだと思います。
今回は訪れた日が8月お盆過ぎの午後2時スタートでしたので、すぐに駐車場を確保することができました。しかし多くの場合、駐車場の空き待ちを覚悟することになりそうですので、それなりの混雑を想定し時間の余裕をもって出かけた方が良いかも知れません。

