松本市の東に聳える「美ヶ原」は、2000mの高原上に広がる草原から周囲の山々の展望が開け、「アルプスの展望台」とも言われています。
前回の記事で、松本から王ヶ頭直下へ続く「美ヶ原スカイライン」の様子を紹介しましたが、その終点からは、徒歩30分ほどで山頂に登ることができます。
今回は、前回の続きで、「美ヶ原スカイライン」の終点から、美ヶ原の最高地点「王ヶ頭」までの夏のハイキングの様子を紹介します。
美ヶ原スカイライン終点から王ヶ頭へ
美ヶ原スカイラインの終点「美ヶ原自然保護センター駐車場」からは、「王ヶ頭」のアンテナ群が目の前に見えています。
ここから王ヶ頭までは徒歩約30分。傾斜もそれほどなく、天気が良ければ大展望の広がる高原ハイキングを満喫できます。
ツーリングやドライブの方も、ここまで来たなら、ぜひ足を延ばしてみることをおすすめします。
駐車場に車を駐めたら、身支度をして自然保護センターの前から歩き出します。
美ヶ原は全体が広い草原で、日影が少ないので、帽子などの日焼け対策は必須です。
また登山道は特に荒れた部分はないのですが、運動靴などで歩くことをおすすめします。
「しっかりした靴がない」という場合なども、登山道ではなく車道を歩いて行けば山頂までいけますが、安全上の観点からおすすめできません。
王ヶ頭への道は、最初はダートの車道になっています。
ちょうど「王ヶ頭ホテル」の送迎バスが出発していきました。
ここから先は、一般車両進入禁止です。
道から見える王ヶ頭は、本当に「すぐそこ」といった感じです。
遠くに台上の草原が見え始め、「美しの塔」も確認することができました。
登山道の入り口には「天狗の露路」という表示板があり、ここから石の階段が始まります。
右に続く車道にはゲートがありますが、歩行者用の入口があり、人が歩くことはできるようでした。
天狗の露路
「天狗の露路」に入ると周囲は樹林になり、日差しを遮ってくれるのでひと息つけます。
途中までは「遊歩道」といった感じですが、次第に笹やぶの中の道になり、石の転がる「登山道」といった感じになります。
登山道のすぐ脇にも、様々な花たちが咲いていました。
牧場の柵を抜けると、いよいよ山頂は目前です。
王ヶ頭山頂
振り返ると、武石峰方面へ「美ヶ原スカイライン」が延びているのがよく見えます。
松本側の入り口に立つ表示板まで、駐車場から20分ちょっとでした。
山頂にはたくさんのアンテナが林立しホテルも建っていて、標高2000mであることを忘れてしまいそうです。
王ヶ頭ホテルの西に鎮座する「御嶽神社」の後ろを通り、王ヶ頭の石碑のある山頂へ向かいます。
日本百名山 美ヶ原
日本百名山の一つ「美ヶ原」の山頂に到着しました。周囲は多くのハイカーでにぎわっています。
西には「王ヶ鼻」とその向こうに北アルプスの山々。
東には美ヶ原の台地とその向こうの八ヶ岳連峰。絶景が広がります。
安曇野やアルプス方面がさらに広く見渡せる「王ヶ鼻」までは、ここから徒歩20分ほどです。
景色を楽しんだ後は、「王ヶ頭ホテル」のカフェに立ち寄ってひと休みします。
カフェのテラスからは、高原を行き交うたくさんのハイカーたちの姿が小さく見えます。
帰路は同じ道を戻っていきます。
関連情報
王ヶ頭へのハイキングは、徒歩で登り30分、王ヶ鼻まで往復して下山しても歩行時間は1時間半程度なので、子供連れでも楽しめる手軽なハイキングコースです。
標高2000mなので、天気が良くないと夏でも冷えますが、夏の晴天であれば特別な装備なしで楽しめます。
山頂にはホテルもあり、施設面で心配な部分は少ないですが、天気が良くないと魅力はほとんどないので、「晴れた日限定」といったコースだと思います。
また、バスでのアクセスは良くないので、バイクや自家用車でのツーリング、観光の方向けのルートかもしれません。
アプローチである「美ヶ原スカイライン」は、上部が広々とした草原のドライブルートですが、行き止まりのためかビーナスラインほどの人出はなく、気持ちの良い山岳ドライブが楽しめます。
現在、「美ヶ原公園沖線」は上田方面が通行止めになっているので、松本からの往復以外の選択肢がないのが残念ですが、松本の街から王ヶ頭まで往復しても半日程度なので、松本観光の魅力的なオプションになります。