長野県の中央部に広がる標高2,000m級の高原が「美ヶ原」です。
長野県の中央にあり、標高が高く各地に見晴らしがきく場所ということで、最高地点である「王ヶ頭」(2,034m)には、テレビ局などによって多くの電波塔が建てられています。
この電波塔のおかげで、お膝元の松本や安曇野はもちろん、上田や佐久、長野からも美ヶ原を見つけることができます。
松本の街の東側に見上げるように聳えていますが、その台上に出ると、広々とした平坦な牧場が広がっており、アルプスの展望も素晴らしく、雲の上の大草原といった趣です。
信州の中央高原「美ヶ原」の散策を楽しもう
この台地の上には、整備された遊歩道が開かれていますが、一般車両が通る車道はありません。また高低差もほとんどないので、子どもからお年寄りまで、安心して散策を楽しむことができます。
基本的に牧場ですので、柵がありどこでも自由に歩けるわけではありませんが、遊歩道は高原全体に広がっており、まさに雲上のハイキングを満喫できます。

美ヶ原の最高地点は「王ヶ頭」。また松本側にせり出した「王ヶ鼻」というピークもあります。めずらしい名前ですが、その由来は、麓の松本から見ると「王ヶ頭が冠を戴いた王の頭、王ヶ鼻がその鼻に見えるから」だと言われているそうです。
アプローチと駐車場
「美ヶ原」へは麓の三城などから歩いて登ることもできますが、多くの人は自家用車やバスで台上までやってきます。ルートは3つに分けられますが、ビーナスラインのドライブと共に訪れる人が多いようです。

松本市から
自家用車利用の場合、松本側からは「美ヶ原スカイライン」を登ります。
浅間温泉から美鈴湖を通り、途中で「美ヶ原公園沖線」(県道62号線)に合流して「美ヶ原自然保護センター」の駐車場まで来ると、車はここで終点です。
売店前の広い駐車場に無料で駐車できます。
ここから歩いて、王ヶ頭まで30分ほどで、王ヶ頭へ行くには最短ルートになります。
上田市から
上田市武石から「美ヶ原公園沖線」(県道62号線)を登り、途中の武石観光センターから県道464号線に入り台上まで登っていくと、美ヶ原高原美術館周辺に出ます。
車は、高原美術館の広大な駐車場に無料で駐車できます。
ビーナスラインから
霧ヶ峰方面から続く「ビーナスライン」の終点が美ヶ原です。
アプローチの中では最も整備された道ですので、初めての方にはこちらをおすすめします。
車は、上記の美ヶ原高原美術館の駐車場か、山本小屋ふる里館前の長和町営駐車場のどちらかですが、王ヶ頭へ散策をするなら、長和町営駐車場に駐めたいところです。
おすすめコース「山本小屋から王ヶ頭へ」

ビーナスラインを美ヶ原までドライブし、王ヶ頭まで高原を散策するというのが最も人気のプランです。
今回はビーナスラインから少し入った「山本小屋」から「王ヶ頭」までの散策の様子を紹介しますが、一般的なルートとは少し違った、高原台地の縁を巡るハイキングです。(パンフレットから引用した地図の「アルプス展望コース」)
所要時間と準備品
時間は、休憩など入れながらゆっくり歩いても往復でおよそ3時間です。王ヶ鼻など、さらに周辺に足を伸ばす場合は、その時間をプラスして計画してください。
身支度も、動きやすい服装と運動靴で大丈夫ですが、アルプス展望コースはできればトレッキングシューズを用意したいところです。
行動中の水分と食料は必ず持参しましょう。王ヶ頭まで行けば食事をとることも可能です。トイレは、ルート途中には「塩くれ場」に1カ所だけあります。
なお、今回の「アルプス展望コース」は、道の下がすぐ崖になっていますので、天候の良くない日、視界の悪い日には避けるのが賢明です。
駐車場はどこがいい?
霧ヶ峰方面から来ると、ビーナスラインを登り切る直前で、道が2つに分かれます。
ここを左方向「山本小屋」方面へ進みます。しばらく行くと「山本小屋ふる里館」と駐車場(長和町営駐車場)が現れ、車はここまでになります。
駐車場は約100台分あり無料で駐車できますが、混んでいて満車の場合が多いです。空きがない場合は、空きが出るまで待つか、美ヶ原高原美術館の駐車場まで行って、牛伏山経由で散策をスタートするかのどちらかになります。
ハイキングに出発


ふる里館から歩き出すと、視界が開けて前方に「山本小屋」が見えてきます。右側には、王ヶ頭のアンテナ群も見えてきます。

そして美ヶ原のシンボル「美しの塔」が見えてきます。この画像は2019年放牧祭りの日のものなのでたくさんの人がいますが、普段はこんなに混んではいません。





「塩くれ場」で、車の通れる広い遊歩道から分かれ山道に入ると、すぐにトイレが建っています。この先、王ヶ頭までトイレはありません。

アルプス展望コースへ

さらに進むと道は台地の端に出て、目の前は急に切れ落ちています。前方には北アルプスの姿も見えてきます。
ここから下っていくと「百曲がり」を経て、三城のキャンプ場へ下りていきますが、「アルプス展望コース」は右方向へ台地の縁に沿って進みます。



王ヶ頭、王ヶ鼻、アルプスの山々を眺めながら進みます。
右側には先ほどまで歩いてきた遊歩道が見えますが、牧場の柵で遮られており、途中から合流することはできません。崖沿いの道に自信のない方は、展望は劣りますが遊歩道を進んだ方が安心です。(地理院地図記入の緑のライン)



烏帽子岩を通り過ぎ、王ヶ頭の直下まで進むと、王ヶ鼻方面への道と分かれ最後のひと登りで王ヶ頭山頂(2,034m)に到着です。
王ヶ頭

王ヶ頭を最高地点とする「美ヶ原」も、「日本百名山」の一つに数えられています。


王ヶ頭からは360度の展望が開けますが、現代的な建造物が多いので2,000mの実感がありません。




王ヶ頭ホテルもまさしく山頂に建っており、宿泊客でなくても食事や軽食をいただくことができます。こちらのテラスから、歩いてきた道を見渡しながらソフトクリームを食べました。

帰路は、牛を眺めながら遊歩道を歩きました。下りと平坦な道だけで疲れることもなく、高原の風が心地よい。
山はどこもそうですが、天気がすべてだと改めて思います。天気の良い日を選んでお出かけください。特に山歩き未経験者の方におすすめのコースです。


