ビーナスラインを使わずに、松本側から直接美ヶ原へ上がるルートに、通称「美ヶ原スカイライン」があります。
車道は「王ヶ頭」の下で終点になりますが、そこから徒歩30分ほどで、百名山のひとつ、美ヶ原の最高地点「王ヶ頭」(2034m)に登ることができます。
今回は、美ヶ原を走るもう一つの絶景ルート「美ヶ原スカイライン」についてです。
松本から直接王ヶ頭へ上る絶景ドライブルート
美ヶ原へのアプローチは、どうしても道が整備されていて走りやすい「ビーナスライン」を選びがちですが、松本の町から直接美ヶ原の台上へ向かうルートがあります。
それが、通称「美ヶ原スカイライン」です。
道は曲がりくねっていて、路面もビーナスラインのように整備されてはいませんが、上部へ行くと北アルプス方面の絶景が広がる、まさにスカイラインという名前がふさわしいドライブコースです。
ルートの概要ですが、松本市街から「美鈴湖」を経由して林道美ヶ原線を「武石峠」まで上がり、ここからは稜線に沿って県道62号美ヶ原公園沖線を王ヶ頭へ向かって走ります。
武石峠までの道はカーブが多く、展望もほとんどありませんが、稜線に出てからは次第に視界が開け、松本盆地の向こうに北アルプスの山並みが広がる絶景ロードになります。
そして、高原の大草原の中の道を、「王ヶ頭」へ向かって走ります。
入口になる国道254号の分岐から終点の「美ヶ原自然保護センター」までは、距離約23㎞、40分ほどのドライブです。
林道美ヶ原線
「林道美ヶ原線」は、浅間温泉から美鈴湖を経て「武石峠」へ続いていきます。
浅間温泉~美鈴湖間は、距離も短く舗装されていますが、まさしく林道といった感じの道で、観光目的の方におすすめできる道ではありません。
他にも美鈴湖へ向かう道はいくつかあるのですが、おすすめするのは、「松本浅間カントリークラブ」を経由する道です。
こちらも曲がりくねっていて距離がありますが、ほぼ全線2車線の道なので、山道に慣れない方でも走りやすいと思います。
その他の道は、道幅の狭い生活道路なので、林道ツーリングなどが目的の方以外にはおすすめしません。
美鈴湖へ
国道254号線を松本方面から走ってくると、美鈴湖方面へ向かう分岐には目立った掲示板は出ていないので、「松本浅間カントリークラブ入口」の看板を目印にします。
曲がるとすぐにカーブの続く坂道になりますが、上っていくとやがて傾斜が緩くなり、「美鈴湖」の湖畔に出ます。
美鈴湖は江戸時代に作られた人口湖だそうで、温暖化した現在では考えられないことですが、かつては全面結氷して国体のスケート会場にもなったそうです。
周囲には何ヶ所か駐車場やトイレなども設置されていて、車中泊スポットにもなっているようです。
武石峠へ
美鈴湖畔の駐車場前の道には、「県道62号美ヶ原公園沖線」の全面通行止めの看板が立っていました。
美鈴湖から武石峠までの道は、舗装されたほぼ2車線の道ですが、樹林の中をひたすら登る道で、展望はほとんどありません。
そんな中、「袴越レンゲツツジ群生地」まで来ると、周囲の樹林が途切れ、展望の広がる場所があります。
ここからは、北アルプス方面の山並みを望むことができます。
さらに上っていくと、広場の脇に石碑がたっている場所があり、ここにはかつて「武石峠茶屋」があったとのことでした。
武石峠茶屋跡のすぐ先に、県道との合流点が見えてきます。
「県道62号美ヶ原公園沖線」の上田方面は、ゲートで封鎖されていて、通行止めが続いていました。
県道62号美ヶ原公園沖線
「武石峠」に着くと「林道美ヶ原線」は終わり、ここから先は上田方面から続く「県道62号美ヶ原公園沖線」を走っていきます。
しばらくカラマツ林の中を走りますが、そこを抜けると周囲の視界が広がってきます。
そして、稜線に沿った「スカイライン」らしい道が始まります。
安曇野の向こうには、北アルプスの山並みが続いています。
景色は良いですが、道幅は多少狭くなるので、対向車には注意が必要です。
道は稜線の松本側を走って行きますが、「武石峰」のあたりまで来ると、道の向こうには、王ヶ頭のアンテナ群が見えてきます。
スカイラインを走る
ここからは、広々とした美ヶ原高原の上を走る、このルートのハイライトです。
前方に王ヶ頭のアンテナ群を見ながら、草原の中に続いていく道を走っていきます。
道のわきには、様々な花たちが、行く夏を惜しむかのように咲きみだれています。
「王ヶ頭」に向かって、大草原の道を走ります。
美ヶ原牧場では、のんびりと寝そべっている牛たちの姿が見えます。
「王ヶ頭」が迫り、「王ヶ鼻」も間近に望むようになると、間もなく終点です。
やがて「美ヶ原自然保護センター」の広い駐車場の前に出て、道は終点になります。
駐車場に着くと、美ヶ原の最高地点「王ヶ頭」はすぐ目の前です。
美ヶ原自然保護センター
駐車場からは、上田方面の展望が広がります。「浅間山」もよく見えていました。
駐車場に隣接して、売店「うつくしテラス」があり、その奥に「美ヶ原自然保護センター」があります。
こちらへは「美ヶ原直行バス」という路線バスで来ることもできるようですが、時刻表には午前と午後に1便ずつあるだけで、利用には乗車15分前までに予約が必要とのことでした。
予約もインターネット限定なので、しっかり予定を組んで利用したほうがよさそうでした。
「美ヶ原自然保護センター」は美ヶ原の動植物などの紹介がされている施設で、入場は無料です。
関連情報
ここから先も車道は続いていて、山頂の王ヶ頭ホテルまで行くことができるのですが、道はゲートで封鎖されていて、通れるのはホテルの送迎バスや業者の車に限られていて一般車両は通行できません。
王ヶ頭までは整備された登山道があり、歩くのが速い人なら20分程度で王ヶ頭の山頂まで行くことができます。(登山道なので運動靴必須です)
ここまで来たなら、ぜひ「王ヶ頭」まで足を運んでみることをおすすめします。標高2034mの百名山です。
王ヶ頭までのハイキングの様子は、次回の記事で紹介したいと思います。