富士五湖のひとつ「山中湖」の周囲には、富士山を眺めながら湖畔のサイクリングを楽しめるコースが整備されています。
山中湖畔を走るコースは、距離約14km、走るだけなら1時間程度で一周できる平坦で走りやすいルートです。
今回は、春の山中湖一周サイクリングの様子のレポートです。
山中湖サイクリングロード
「山中湖サイクリングロード」は、山中湖畔を巡るほぼ平坦なルートで、全体の半分くらいは富士山を眺めながら走ります。
標高1000m近い高原の湖畔を走る、爽やかで景観的にも魅力あるルートです。
(山中湖の標高は982m)
距離は約14kmで、走るだけなら1時間もあれば一周できると思います。
サイクリングコースについての案内表示はほとんど見かけることはなかったのですが、「自転車が走れる道」は湖畔の至る所にあり、それらを辿っていけば、予備知識がなくても迷うことなく湖を一周できると思います。
今回も折りたたみ自転車持参でのサイクリングですが、湖畔には自転車のレンタルをしている店舗がいくつもあるので、準備がなくても気軽にサイクリングを楽しむことができます。
山梨県道715号富士吉田山中湖自転車道線
山中湖の湖畔には「山梨県道715号富士吉田山中湖自転車道線」という自転車専用道が整備されているのですが、この道はひと続きではなく、山中湖周辺に部分的に設置されていて、他に忍野村周辺にも点在しています。
山中湖の周囲を一周しているわけではないので、一廻りするには一般車道を走る部分も出てきます。
しかし、湖畔の車道は歩道が整備されている所が多く、自動車と隣り合わせで走らなくてはならない危険な部分は多くはありません。
一部を除けば、概ね湖畔をのんびりと走れるルートになっています。
駐車場
湖の周辺には、至る所に無料の駐車場があるので、湖畔のどの辺りでも駐車することができます。
今回は湖の西端の「山中湖公共駐車場」に駐車し、ここから反時計回りで湖を一周しました。
レンタサイクル
自転車をレンタルする業者は湖畔の各所にあるので、駐車場所の近くで選べばよいと思います。
今回の駐車場所の周辺の業者では、時間ごとに細かく料金設定がされていて、1時間700円~6時間3000円程度(1人用)でした。
車種もいろいろあり、2人乗り用なども用意されていました。
電動アシスト自転車もあるようですが、道は平坦な部分が多いので、普通の自転車でも十分かと思います。
山中湖南岸を走る
今回は、山中湖の西端からスタートし、左に湖を見ながら反時計回りに一周します。
後半、富士山を正面に見ながら走るようになるので、反時計回りがおすすめだと思います。
スタート地点のすぐ近くには「奉納鯉の碑」とモニュメントがあり、道をはさんだ向かいにはコンビニもある便利な場所です。
すぐ近くで、レンタサイクルも営業していました。
この辺りはボードウォークになっていますが、基本的に自転車通行可です。
ずっと続いている湖畔のボードウォークをゆっくり走って行きます。
湖の反対側には、家並みが途切れるとその向こうに「富士山」も見えています。
山中湖の西岸はボートなど観光客向けの施設も多い地区なので、歩行者も多いです。ボード上はゆっくりと走りましょう。
駐車場周辺を離れても、しばらくはボードウォークの歩道が続いています。
ボードウォークが途切れると、「国道413号線」の車道を走るようになります。
路面には自転車が走る表示もありますが、道幅は広くはないので、追い越していく自動車との距離も近く、注意しながら走ります。
湖畔にはウォータースポーツの施設が並んでいますが、車に注意しなくてはならないので、のんびり眺めてばかりはいられません。
湖の南端へ向かう道は、しばらく車道の走りが続きます。
(しかし、一周する中で、歩道のない車道のみの区間はこの周辺だけでした。)
「山中湖村役場」の近くまで来ると、再び歩道があらわれ、自転車も通行可になっています。
道の向こうに「森の駅 旭日丘」が見えてきて、国道138号線分岐を過ぎると、サイクリングロードは湖畔にある「旭日丘湖畔緑地公園」の中へ入って行きます。
旭日丘湖畔緑地公園を過ぎると、道は少し登り坂になります。
道は湖畔から高台に上がり、湖が見渡せるようになります。
「小田急フォレストコテージ前」のバス停を過ぎると、「自転車歩道通行可ここまで」の表示が出ていますが、歩道は続いています。
車が通るときは、歩道に退避しながら走った方が安全かと思います。
この一帯には、各大学の研修施設がたくさん集まっていました。
坂道を越えたところには「山中湖サイクリングベース」があり、自転車に問題が生じた場合などは対応してもらえます。
また、こちらでも自転車のレンタルができます。(90分2000円)
湖の東端までやってきました。
国道413号から分かれて左折する自転車・歩行者専用道に入ると、湖畔にある「山中湖交流プラザ きらら」へと入っていきます。
山中湖交流プラザ きらら
山中湖の東端にある「山中湖交流プラザ きらら」は、広い芝の敷地をもつ施設で、ここからは富士山をはじめ、周囲の山々の展望が開けます。
背後にはなだらかな山並みが続き、湖の向こうには富士山が見えるようになります。
2021年に行われた東京五輪の自転車ロードレースコースは、ここ山中湖村も会場になっていたため、この近くに「メモリアルモニュメント」があるらしいのですが、気づかずに通り過ぎてしまいました。
「山中湖交流プラザきらら」を過ぎると、再び自転車専用道が始まります。
「きらら」からの湖の北側を走る道は、ほぼすべて自転車専用道になります。
湖畔を走り、湖の東の端にある入り江に入っていきます。
湖に突き出た半島にある「旧みさきキャンプ場」の前を過ぎると、道は西へ曲がり、正面に富士山が見えるようになってきます。
富士山に向かう北岸の道
ここからは、湖畔の自転車専用道を、富士山に向かって走って行きます。
遮るのものが何もない湖畔の道を、富士山を見ながら走る快適な道です。
湖の北岸は同じような景色の単調な道になりますが、人と自転車以外はいないので、富士山を見ながらのんびりと走ることができます。
「県道729号線」の脇に出て、並行して走るようになると、まもなく「長池親水公園」があらわれます。
「長池親水公園」には多くの人が訪れ、富士山の展望を楽しんでいました。湖岸には「世界遺産」の碑も立っています。
湖の北側は沿道に何もないところを走ってきますが、この辺りまで来ると湖畔に休憩できる店舗もあらわれます。
富士山を見ながら、湖の西端を目指して快適に走ります。
湖の西側にも道沿いの駐車場が広がっていて、駐車場所に困ることはないと思います。
一周コースは湖畔に沿って続いていきます。
富士吉田方面への分岐である「明神前」の信号を過ぎると、出発した「奉納鯉の碑」のモニュメントが見えてきて、山中湖一周サイクリングを終了しました。
写真を撮りながらゆっくり走りましたが、1時間40分ほどのサイクリングでした。
高原の湖畔を走る景色のよい爽快なコースで、レンタサイクルで走る人たちも多く、サイクリングが初めての方にもおすすめだと思います。
吉田のうどん
サイクリングの後、帰路に食事を摂っていきます。この土地ならではの食事といえば、やはり「吉田のうどん」です。
しかし、富士吉田周辺のうどん店は昼のみ営業のところがほとんどなので、午後も遅くなってしまうと、立ち寄ることができる店はかなり限られます。
平日の午後3時過ぎなので、確実に開いている店を選んで訪れました。
選んだのは、富士急「富士山駅」の駅舎にある「吉田のうどん とがわ」です。
地下のフードコートにある店舗では、昼食と夕食の間の中途半端な時間にもかかわらず、外国の方も含め数名のお客さんがうどんを食べていました。
「肉うどん」を注文しました。「すりだね」もたっぷり入れます。
肉は馬肉ではなく豚肉でしたが、太い麺にキャベツが載る「吉田のうどん」定番のビジュアルです。
麺も歯ごたえのしっかりしたタイプで、思っていた以上に吉田らしいうどんをいただくことができました。