2021年の夏、山梨県の御坂山地にある新道峠に、「FUJIYAMAツインテラス」という富士山を望む展望スポットが新設されました。
今回は、この「FUJIYAMAツインテラス」の様子と、合わせて駐車場やバスの情報をお知らせします。
FUJIYAMAツインテラスとは
山梨県の富士五湖周辺の御坂山地には、富士山を間近に望む展望台として人気のスポットがたくさんあります。
今回紹介するFUJIYAMAツインテラスがある「新道峠」も、富士山の撮影ポイントとして、以前から多くの写真愛好家に知られた場所でした。
「新道峠」は笛吹市と富士河口湖町の間にある峠で、なだらかに裾野を広げる富士山の姿が美しく、眼下には河口湖なども見渡せる絶景スポットです。
ツインテラスの名の通り、二つの展望台があり、どちらも同じような絶景が見ることができます。
これまでは、登山や林道ツーリングでしか訪れることができない場所でしたが、近年新たにこの展望台が設置され、送迎バスによって誰でも気軽に訪れることができるようになったので訪ねてみました。
新道峠へのアクセス
駐車場
新道峠へは、県道36号線と719号線で笛吹市芦川町にある「芦川すずらん群生地」を目指します。
すずらん群生地の駐車場に、新道峠へのシャトルバスのバス停があります。
シャトルバスの停留所は、すずらん群生地の手前にも2ヶ所あるので、以下のいずれかに駐車してバスに乗っていきますが、ツインテラスだけが目的なら、すずらん群生地まで自家用車で行くのがよいと思います。
〇 すずらんの里「沢妻亭」 15台 無料 (火曜定休日)
〇 芦川農産物直売所「おごっそう家」 25台 無料 (火曜定休日)
〇 すずらん群生地 50台 無料
なお、すずらん群生地から新道峠へ向かう「水ヶ沢林道」は、ツインテラスの開設に伴い一般車両は一年を通して通行ができなくなり、現在ではバス以外には、徒歩か自転車でしか通行できません。
送迎バス
テラスまでは、送迎バス(約20人乗り)に乗車します。
送迎バスの乗車料金は、どのバス停で乗っても片道200円(小学生以上)です。
支払いは現金のみなので、あらかじめ100円硬貨を用意しておきましょう。
令和5年度の運行は、4月26日(水曜日)から11月27日(月曜日)までで、火曜は運休となります。
バスは平日は1時間に1本、休日(土日祝)は30分に1本の運行で、すずらん群生地の始発時刻は9:13、ツインテラス発の最終便は16:05です。
繰り返しになりますが、バス停「すずらん群生地」から「FUJIYAMAツインテラス」間は、一般車両は通年進入禁止です。
そのため、早朝や夕方、火曜日に訪れる場合は、すずらん群生地駐車場から約40分の道のりを歩くことになります。
バスの詳細は、以下の「ふえふき観光ナビ」HPでご確認ください。
ふえふき観光ナビ(https://www.fuefuki-kanko.jp/scontents/fujiyamatwinterrace)
新道峠へ
県道719号線から「すずらん群生地・新道峠」方面への案内にしたがって、蕪入沢上芦川林道に入ります。
案内に従って進んでいくと、すずらん群生地の駐車場があらわれます。
すずらん群生地駐車場までの沿道に「ツインテラス」と表示された案内はまったくなかったので、とにかくすずらん群生地か新道峠を目指していく感じです。
ダートの駐車場はけっこう広いので、駐車に困ることはないと思います。
駐車場の脇には「すずらん群生地」への入口がありますが、まだ花の季節ではないので、こちらへ向かう人はいませんでした。
少し傾斜のある駐車場の上端に、まだ新しいトイレがあります。
そして車道の脇にバス停があり、乗車待ちの行列ができていました。
定刻を少し遅れて、バスが2台やってきました。料金は前払いで乗り込みます。
バス内は、下の停留所で乗った乗客で、すでに半分ほど席が埋まっていました。
バスは20人ほどしか乗れないので、混雑時には乗れない人が出てくると思われるのですが、臨時便が出るのか、次の定時バスまで待つのか、その場合の対応については分かりませんでした。
バスは曲がりくねった林道を上っていきます。
途中で、歩いている人もけっこう見かけました。
約10分の乗車で、ツインテラスのバス停に到着します。
林道終点の小さな広場で、トイレや案内板などが設置されています。
バス停の先には、まだ新しいコンクリートの階段が続いています。
歩くこと数分で「新道峠」に到着します。
そして、稜線の向こうに、富士山が姿をあらわしました。
セカンドテラス
稜線に出た所に、一つ目の展望台「セカンドテラス」があります。
峠に到着して、目の前に広がる絶景に最初に出合う印象的な場所で、テラスのみのシンプルな展望台になっています。
まずは、しばらく絶景を楽しみます。好天の日を選んでやってきた甲斐がありました。
新道峠の標高は1570m。ここから見る富士山は、均整のとれた美しい裾野を長く広げており、眼下には河口湖、そして遠く山中湖まで見渡せます。文句なしの絶景スポットです。
このテラス自体は、観光振興のための公的な施設だと思いますが、周辺は一般の企業が管理している森林だそうです。
次に、稜線上を約80m東へ行った所にある「ファーストテラス」へ行ってみます。
ファーストテラス
稜線上も、コンクリートの整備された歩道が続いています。
すぐに「ファーストテラス」が見えてきました。
こちらも同様の絶景が広がっています。
多くの写真家を魅了してきた美しい富士山の姿です。
ファーストテラスはセカンドテラスよりも広く、ベンチやテーブルが設置されていたり、自由に腰掛けてくつろげるスペースが用意されていたりします。
ファーストテラスから先は山道になっており、黒岳方面への道が続いています。
休憩できる場所がたくさんあるので、長居をしてしまいそうですが、日差しを遮るものは何もないので、日焼け対策が必要かもしれません。
しばし絶景を楽しみ、帰路へ向かいます。
セカンドテラスへ戻り、バス停に向かって同じ道を下っていきます。
バスは2台駐まっていましたが、1台は「すずらん群生地行き」、もう1台はその先の停留所まで行く便のようでした。
特に案内はなかったので、行き先を運転手に確認してから乗車した方がよいと思います。
帰りの車窓から南アルプス方面を見てみましたが、沿道には展望が開けるような所はなく、よく見えないまま降りてきました。
シャトルバスは、人出が多い時期は複数台で運行しているようでした。
帰りは河口湖側に下り、湖畔の「大石公園」から新道峠を振り返ってみました。
よく見ると、二つのテラスを確認することができました。
関連情報
新しいテラスができ、バスの運行が始まったことにより、多くの人が手軽に新道峠の絶景を楽しむことができるようになったと思います。
今回行ってみたところ、設置されて3シーズン目になりますが、なぜか沿道には「ツインテラス」という名での案内は皆無で、「新道峠」や「すずらん群生地」への案内しかありませんでした。ツインテラスをもっと売り出してもよいと思うのですが・・。
なお、ファーストテラスには「ライブカメラ」が設置されており、随時天気状況や富士山の展望を確認することができます。前述の「ふえふき観光ナビ」HPからご覧ください。
テラス周辺では、ドローン撮影は許可を得た場合を除き原則禁止だそうです。またペットはバスには乗れないので、ペット同伴の場合は歩いて登る必要があります。
飲料水の自販機などは、すずらん群生地駐車場にもツインテラスバス停にもないので、事前に準備しておく必要があります。
そして、テラス周辺にはまったく日陰がないので、紫外線対策が必須という感じでした。また当然ですが、ごみは各自で持ち帰りです。