信州と越後を隔てる「関田山脈」周辺は、なだらかに広がる山稜を越える峠道がいくつも開かれていて、気持ちのよい走りができるおすすめのツーリングエリアです。
その中で、長い間通行止めが続いている「牧峠」の様子を見に、秋も深まった日に訪ねてみました。
飯山から牧峠へ
これまでにも、関田山脈の峠道は「関田峠」や「伏野峠」などをこのブログでも紹介していますが、この2つの峠の間にある「牧峠」は、近年通行止めが続いています。
そこで、現在の状況を見に、行けるところまで行ってみようと思い、この峠道を走ってみました。
今回のルートは、峠の長野県側、関田山脈の麓を山脈に沿って延びる「みゆきのライン」を走り、途中で峠道に入っていきます。
広大な裾野の大地を走る
今回も、スタートは道の駅「花の駅千曲川」です。
ちょうど「野沢菜」の収穫の季節で、道の駅にもたくさんの野沢菜が並んでいました。
また、以前来た時は工事をしていた道の駅には、併設の「モンベル」ショップが開店していました。
ここから、「戸狩温泉スキー場」の麓を通って、峠道につながる「みゆきのライン」に向かいます。
沿道には標識や案内があるので、それに従って「なべくら高原」を目指します。
なべくら高原
戸狩の集落に入り、「戸狩温泉スキー場」方面へ進みます。
標識の案内に従って、「なべくら高原」方面へ進んでいきます。
振り返ると、花の駅千曲川で見た時は目の前に聳えていた「高社山」を、見下ろすようになっています。
「みゆきのライン」の案内板が出てきたら、右折してみゆきのラインに入ります。
みゆきのライン
「みゆきのライン」は、関田山脈の麓の台地の上を走る道で、周囲にはなだらかな山に囲まれた田園地帯が広がる気持ちのよい道です。
なお、途中に信号は1つもありません。
井出川にかかる橋を過ぎると、牧峠方面への小さな看板があるので、ここを左折して山の方へ登っていきます。
農園の道を登る
関田山脈は、主峰ともいえる「鍋倉山」などの他はこれと言って名のある山がないので、場所を説明しづらいのですが、「牧峠」は前述の「関田峠」と「伏野峠」の中間あたりにあります。
峠の下には台地状の平原が広がっていて、広大な畑が広がる農園地帯です。
ソバやキャベツなどの畑が広がる農場の中の道を、折り返しながら上っていきます。
畑作業で来ている方もけっこういるようで、何台かの軽トラとすれ違いました。
秋の峠道には、一面に生い茂ったススキが穂を伸ばしていました。
広がる農園地帯が終わると、道は山へと入っていきます。
このあたりから先は、紅葉の中を走る秋らしい道です。
まもなく、芝の広がる平坦な広場に出ました。
ここは峠のすぐ下にある農業用のため池で、地図にも名前はありません。
こんな辺鄙な池の湖畔に、車が1台駐車していたのですが、近くには大きな望遠レンズの付いたカメラを載せた三脚が立っていたので、撮影に来ているようでした。
牧峠は、「イヌワシ」の撮影スポットとしても有名なようです。
紅葉の道を進むと、「法面工事中」の看板があらわれ、県境付近が通行できないことを知らせていました。
まもなく、工事中の法面が見えてきて、「牧峠」に到着しました。
牧峠
少し手前に駐車して、歩いて峠へ向かいます。
関田山脈は、その稜線に「信越トレイル」というトレッキングルートが開かれているのですが、その標識が道沿いにあり、ルートが合流してきます。
「信越トレイル」は下草が刈られて手入れがされているようでしたが、歩く人はそれほど多くはないのでは、という感じがしました。
通行止め区間は、県境の法面工事の部分だけのようで、峠周辺までは一般車両でも行くことができました。
法面の脇からは、また「信越トレイル」の道が続いています。
通行止め区間の様子を見たところ、法面工事はほぼ終わっているようで、来年あたりには通行止めが解除されるのではないかと思いました。
現状でも、通り抜けはできませんが、峠までは行けます。
峠からの帰り道は、農園の方は通らずに、旧来の峠道の方を下っていきます。
紅葉の美しい、誰一人いない静かな道を、景色を見ながらのんびりと下っていきました。
展望の開ける場所からは、「苗場山」など新潟方面の山並みもよく見えます。
「なべくら高原 森の家」を過ぎると、まもなく「みゆきのライン」に戻ってきます。
おわりに
牧峠周辺の道はすべて舗装されており、上部の道は細いですが走りづらいような部分はありませんでした。
農園地帯に近く、イヌワシの観察に訪れる人もいて、それなりに人が入っている道なので整備はされています。
通行止めの現場を見た感じでは、工事はほぼ終了しており、近いうちに通行止めが解除になるのでは、という感じがしました。(個人の希望的観測です)
周辺の「関田峠」「伏野峠」などと合わせて、峠越えを走るのがおすすめかと思います。