【出雲大社】山陰冬の旅 一畑電鉄に乗って出雲大社へ

出雲大社

「サンライズ出雲」は、これに乗ること自体が目的という人も多いと思うのですが、出雲に来たのなら、訪れてみたい場所もたくさんあります。

今回は、サンライズ出雲の旅に続き、山陰唯一の私鉄「一畑電鉄」に乗って「出雲大社」を訪れた様子を紹介します。

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「サンライズ出雲」乗車の後は

出雲大社をイメージしたJR出雲市駅

寝台夜行特急「サンライズ出雲」は、午前10時に「出雲市」駅に到着します。

この後は、再びその日の夜のサンライズ号に乗って帰っていく人もいますし、「山陰本線」に乗り継いで、新たな旅に向かう人もいたりして、人それぞれという感じです。

そして、やはり出雲へ来たのなら、「出雲大社」を訪れるのが鉄板の観光ルートだろうと思います。

出雲市駅の前からは、出雲大社へ向かう直行バスが出ていてアクセスに便利なので、多くの方がこちらへ向かいます。

しかし、ここはやはり、山陰地方で唯一の私鉄である「一畑電鉄」に乗って「出雲大社」を訪ねるのがおすすめです。

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一畑電鉄

一畑電鉄出雲市駅

「一畑電鉄」は、宍道湖の北岸を東西に走り、松江市と出雲市を結ぶ、古い歴史のある私鉄ローカル線です。

こうしたローカル鉄道は経営が厳しいところが多いのですが、一畑電鉄もご多分に漏れずのようで、先日、新型車両の導入に県などが公費を投入することが報道されていました。

田園の中を走る沿線の風景や、まっすぐ伸びる線路がちょっと波打つように歪んでいたりする様子を見ていると、なぜか懐かしくノスタルジックな旅情が湧いてくる、味わいのある鉄道だと思います。

やはり「出雲大社」への参詣は、この歴史ある列車で行くのがおすすめだと思います。

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レトロな列車に乗って

電鉄出雲市駅改札口

列車は、だいたい30分~1時間に1本という間隔で走っていて、「出雲市駅」から「出雲大社前駅」までの運賃は、大人500円です。

レトロな車両に乗り込み、まずは北松江線で「川跡駅」へ向かいます。

一畑電鉄路線図 有人の駅は全路線で5つだけ

「出雲市駅」から「出雲大社前駅」へ行く直通の路線はないので、出雲大社方面へ行くには「川跡駅」で乗り換える必要があります。

川跡駅
線路を渡って反対ホームへ
大社線に乗り換え

4駅だけの短い大社線の車内には、自転車を載せるスペースもあり、島根の観光キャラクター「しまねっこ」も飾られていました。

出雲大社前駅

出雲大社への玄関口である「出雲大社前駅」は、なかなか趣のある建物でした。

木製の改札口
大社線の終着駅
カラーグラスの光がこぼれる駅舎
円形の出札口

改札口が木製だったり、出札口が円形だったりして、カラーグラスの光がこぼれる駅舎はレトロモダンな良い雰囲気でした。

出雲大社前駅外観

出雲大社駅の駅舎は瀟洒な洋風の建物で、国の登録有形文化財に指定されているそうです。

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出雲大社

参道を行く

出雲大社への参道

駅舎から、出雲大社の参道の緩やかな坂を登っていきます。冬の平日はそれほどの人出はなく、沿道の店を覗きながらのんびりと歩いて行きました。

「出雲大社前駅」から出雲大社入口の鳥居までは約400mで、徒歩5分ほどです。

鳥居を過ぎると、松林の中の道を進みます。

中央は神様の通り道

参道の途中には、かわいいウサギの像がたくさん並んでいます。その後も、境内のあちこちにこのようなウサギ像がたくさん置かれていました。

銅鳥居

やがて参道の正面に、出雲大社の社殿が見えてきました。

社殿へ

「銅鳥居」をくぐると、まず「拝殿」の前に出ます。

拝殿

出雲大社というと、大きな「注連縄」が思い浮かびますが、こちらにもみごとな注連縄がかかっていて、出雲大社にやってきたことを実感します。

八足門と御本殿

拝殿の裏に回ると、周囲を囲む門と回廊の向こうに、聳えるような「御本殿」の屋根が見えてきました。

出雲大社の祭神は、大黒様としておなじみの「大国主大神」。「縁結び」の神としても有名です。

「出雲国」は、我が国の歴史を語るときに欠かせない重要な地域ですが、神話の時代から繋がる様々な歴史の名残が、この神社にも息づいているようです。

大社造の御本殿

「御本殿」の周囲には回廊が巡っているので、近づくことはできませんが、特徴的な屋根を見ながら回廊に沿って一回りしました。

出雲大社のうんちく

ここで、出雲大社に関する「うんちく」を少しだけ紹介しておきます。

出雲大社の御本殿は「大社造」という様式なのですが、一番わかりやすい特徴は、屋根の上についている千木(ちぎ)が「置き千木」いわれる屋根の上に載っかっているもので、その先端が地面に対して垂直であることでしょう。(「伊勢神宮(内宮)」では、千木の先端が地面に水平であるなど、様式によって違いがあります。)

また、平安時代に貴族の子息の教科書として用いられたという『口遊』という書には、当時の大きな建物として「雲太、和二、三京」の記述が見られるそうです。

これは当時の巨大建造物のベスト3を表しているのですが、1位の「雲太」は出雲大社、2位の「和二」が東大寺の大仏殿、3位の「三京」が平安京御所の大極殿を意味していて、出雲大社はかつては日本一といわれるほどの大きな建物だったようです。(高さが50m近くあったという説があります)

素鵞社

御本殿の後ろには、ヤマタノオロチを退治した神として知られるスサノオノミコトを祀った「素鵞社」があります。

スサノオノミコトは天照大神の弟で、大国主大神の妻の父(つまり義父)。ご先祖様として祀られています。

背面から御本殿を望む
こちらにもウサギの像があります
大社造の御本殿(背面)
彰古館
北西側から見た御本殿
回廊の西面にある御神座参拝所

回廊を巡っていくと、回廊の西側にも参拝所があります。

御本殿は南向きに建っていますが、殿内の御神座は西向きになっているそうで、御神座の正面である西側からもお参りをするのが習わしだそうです。

ちなみに、こちらの拝礼作法は、「二拝 四拍手 一拝」とのことでした。

周囲に並ぶ摂末社
おみくじや絵馬がぎっしり

続いて、「神楽殿」を見に行きます。

神楽殿

境内の西側にある「神楽殿」の前にやってきました。

こちらの「注連縄」の大きさは、拝殿のものをはるかに凌ぐ大きさで、その巨大さに圧倒されます。

注連縄の長さは約13m、重さは約5トンもあるそうです。

巨大な注連縄をいただく大きな神楽殿

出雲大社といえば、はやりこの光景が一番有名かもしれません。

「拝殿」と「神楽殿」はちょっと似たような感じなので、注連縄が2ヶ所にあることを知らないと、拝殿しか拝まずに帰ることも少なくないようです。

こちらの注連縄は、拝殿より一層大きいので、ぜひ訪れたい場所です。

参道に戻り、長い松林の道を戻っていきました。

この土地に、初めてこの神社が祀られた頃のこの国は、どんな世界だったのだろうか・・・。

古に思いを馳せてみるのも、旅の一興です。

帰路も一畑電鉄に乗っていきました。

長い歴史を刻んだ神社を訪れる旅には、鄙びた電鉄に乗っていくのが似合うかな、と思います。