【十石峠】2022通行止め解除 復旧した国道299号線を走る

【十石峠】2022通行止め解除 復旧した国道299号線を走る

群馬と長野をつなぐ「国道299号線」は、2019年の台風19号災害により、「十石峠」周辺で2年半にわたって通行止めが続いていました。

しかしこの春、復旧工事が終わり通行止めが解除になったので、走りに行ってみました。

今回は、国道299号線にある「十石峠越え」の様子です。

スポンサーリンク

十石峠とは

国土地理院地理院地図より引用 地理院タイルに赤線等追記して掲載

かつて米が採れなかった群馬県西部の山間部に、長野県佐久地方から、一日十石の米を運んでいた道だったということで、この名がつけられたと言われています。

峠の標高は1,351mで、冬期間は雪のため通行止めになります。

関東と信州を結ぶ道路はいくつかありますが、「国道18号線」(碓氷峠 バイパスは入山峠)が幹線で、それ以外の道路では「国道254号線」(内山峠)「国道299号線」(十石峠)の2つが国道となっています。

国道299号線の十石峠区間は、道幅の狭い所が多く、傾斜のある群馬県側では、崩落等による通行止めがしばしば起こるルートでもあります。

「国道」とは言え、すれ違いができない道幅の狭い部分も多いので、運転初心者の方には、あまりおすすめしないルートです。

余談ですが、「国道」と書いてあると、県道や市道、林道などよりしっかりした道を想像しがちですが、山間地の国道は、古くからある道が元になっているため、道が狭かったり曲がりくねっていたりする部分も多く、走りにくい道が少なくありません。

どのルートを行くか選択する場合には、こうしたグレードにとらわれず、実際の道路状況を把握してから選ぶことをおすすめします。

スポンサーリンク

長野側からスタート

今回は長野県側をスタートし、群馬県上野村までの様子を紹介します。

JR小海線に沿うように走る「国道141号線」から、佐久穂町の中心部にある「千曲病院入口」信号で東方向へ進みます。

「中部横断自動車道(2022年現在 無料区間)」の「佐久穂出口」を下りた場合は、そのまま市街地方面へ下って直進すれば、国道299号線に入ります。

このあたりは、しばらくの間、広く緩やかな登り坂の道が続きます。

集落に入ると道が狭くなる部分もありますが、標高1,000mを超えるあたりまで、広くなだらかな登り坂の道です。

古屋ダム

途中で、「古屋ダム」が見えてきます。

古屋ダム手前で左に分かれていく「林道大上線」は、未だ通り抜けできないようでした。

沿道に「臼石」という案内板がありました。

「臼石」は、臼のように形の美しい「甌穴」で、この石には雨ごい伝説も残っているようです。

かつてこの石があった川辺は、国道の改修工事によって埋もれてしまうことになり、こちらへ移動したようでした。

天然記念物になっている「甌穴」が、こちらで見ることができます。

【四万温泉】千と千尋の神隠しモデルのレトロな温泉街を歩く
万沢林道の起点として当ブログでも紹介している「四万温泉」は、昔ながらの雰囲気を残す小さな温泉街です。ツーリングもよいですが、ここへ来たら温泉街を歩いてみるのもおすすめです。日帰り入浴ができる施設や旅館があるので温泉を楽しむのもよい...

さらに登ると「乙女の滝」の駐車場がありますが、滝へ続く遊歩道は閉鎖されていました。こちらも台風19号による被害で崩落があったようです。

スポンサーリンク

国道299号線

「乙女の滝」を過ぎると、だんだんと道が狭くなり、山道になってきます。

林道十山線入口
林道大野沢線入口

途中の林道入口には,、どこも工事中の看板が出ていて、走れるところはなさそうでした。

林道曲久保線入口

道が細く曲がりくねってくると、まもなく峠です。右側に林道曲久保線入口があらわれ、「十石峠」に到着します。

長野県側は、おおむね傾斜が緩やかで、比較的走りやすいです。

十石峠
スポンサーリンク

十石峠

展望台

「十石峠」周辺は公園のように整備されていて、立派な「展望台」があり、舗装された駐車場やトイレもあります。

駐車場とトイレ
奥まったところにある十石峠の標板

この峠のシンボルとも言える「展望台」へ行ってみました。

残念なことに、床の一部が破損していて危険ということで、内部は立入禁止になっていました。

しかし、この日は霧が立ち込め、登っても何も見えなかったと思います。

スポンサーリンク

群馬側へ下る

群馬県側へ下っていきます。

工事箇所はまだ残っていますが、通行に問題はありません。

「水の戸」の石碑と林道入口

峠から2kmほど下った所にある林道入口前の広場に、「水の戸」と書かれた石碑が立っています。

ここは「十石峠道」と、北相木方面からの「栂峠道」の合流点だそうで、近くに水場もあることから、かつては「茶屋」があり、信州と上州・武州を結ぶ交通の要衝だったそうです。

道標を兼ねた石碑には「右 十石佐久町、左 万場秩父市」と彫られているようです。

このあたりは、天望山からのびる尾根上の道を走ります。

道のすぐ脇に鉄塔が立っていて、道と交差するように送電線が通っていました。電線のすぐ下を通り過ぎます。

しばらく、尾根に沿ったなだらかな道を下っていきます。

尾根道の先端部分

この尾根道の尖端で、道は2つに分かれます。

「国道299号線」は大きく折り返して山腹を下りていきますが、尾根沿いには「林道矢弓沢線」が続いています。

林道矢弓沢線入口

「林道矢弓沢線」は新しい道ですが、近くには旧十石街道を歩く遊歩道があり、元々あったかつての十石街道に沿ったルートのようです。

ネット上では、道路状況が厳しい国道299号より、こちらを通ることをすすめる意見も多いです。

大きく折り返して続く国道299号線

折り返して少し行くと、樹林のない視界の開けた一帯があり、この先の山腹を下っていく道が見えます。

このあたりの道は、尾根上より狭くなります。

来た道を振り返る

途中に、新しく道を広げた部分があって展望が開けているのですが、この日は雲がかかっていて、周囲の山々はあまり見えませんでした。

道は黒川の近くまで下り、そこからは黒川に沿ってカーブの多い道を走っていきます。

「対向車注意」の路面標示

川沿いの曲がりくねった細い道が続いていますが、ところどころにすれ違いのできる場所はあるので、確認しながらゆっくり走って行きます。

集落の近くまで下ってきても、道の細さは変わらないので、最後まで対向車には注意が必要です。

初心者マークを付けた車が、すれ違いで難儀しているのに出会いました。運転初心者の方は、国道だからといって入り込まないように注意しましょう。

上野村いのぶたセンター
黒川集落

上野村いのぶたセンターがあらわれると、間もなく黒川の集落に入ります。

下仁田方面への分岐
砥根平トンネル
川の駅上野

あとは道なりに進み、砥根平トンネルを過ぎると「川の駅上野」の前に出て、十石峠越えは終了です。

スポンサーリンク

終わりに

久しぶりの復旧となった「国道299号線」ですが、ツーリングやドライブを楽しむ方であれば、「酷道」として知られるこの道を走ってみるのもおもしろいと思います。

国道ではありますが、秘境ドライブを楽しめると思います。

しかし「十石峠」を越えることが目的で、走りづらい道は避けたいという方には、「林道矢弓沢線」を通ることをおすすめします。秋は紅葉も美しいと思います。

対向車に留意し、安全運転でドライブを楽しみましょう。

【ぶどう峠】2022通行止め解除県道124号上野小海線を走る
2019年の台風19号による災害で、関東と長野を結ぶ峠道の多くが、長い間通行止めになっていました。しかしこの夏、「ぶどう峠」を越える「県道124号上野小海線」の通行止めが解除されたので、走りに行ってみました。今回は、202...
【蓼科スカイライン】大河原峠から女神湖へ秋の絶景ドライブ
蓼科山への登山口「大河原峠」を通り、女神湖へと続く「蓼科スカイライン」。いくつかの林道を繋いだこの道は、標高2000mを走り、北アルプスから浅間山まで長野県北部の山々を見渡す絶景が魅力のルートです。今年の冬は、ラニーニャ現...