尾瀬の独特の景観と手つかずの自然、静かに流れていく時間は、多くの人々を魅了してきました。
♪ 夏が来れば思い出す はるかな尾瀬 遠い空・・・
登山やハイキングを趣味としない人でも、「夏の思い出」という歌を知っている人には、一度は尾瀬を訪ねてみたいという方がたいへん多いです。
そこで、なかなか行く機会がとれない、という方も、「これなら行けるかも」と思える、できるだけ短時間で尾瀬を訪れる山行を計画しました。
今回は至仏山登山がメインですので、尾瀬ヶ原の散策もよいけれど、やはり山にも登りたい、という方にも、参考にしていただけると思います。
「いつかは行ってみたい」尾瀬を日帰りで体験します。(2019年夏の記録です)
短い休暇で尾瀬を訪れるには
尾瀬は首都圏から近いのですが、いざ行くとなると、ある程度の日数が必要です。
サラリーマン生活をしていると、休日山行は1泊2日の行程が基本だと思いますが、尾瀬は三県にまたがる山深い地域なので、どのコースもアプローチはそれなりに長いです。
そのため、車を利用して登山口近くまで行くのが最も時短になると思いますが、尾瀬は自然保護のための交通規制があり、いつでも車で近くまで行けるというわけではありません。
春のミズバショウ、秋の紅葉の季節は交通規制が行われ、登山口への一般車両の乗り入れを禁止しています。
尾瀬へ行くのならミズバショウの時期に、あるいは紅葉の時期にと思う人が多いと思うのですが、交通規制が行われるのはまさしくその季節。尾瀬のハイシーズンは春と秋なのです。

そこで・・・
今回はミズバショウも紅葉もあきらめて、とりあえず「短時間で尾瀬へ行く」ということで、夏の時短山行について紹介します。
夏の尾瀬はドライブ登山の穴場
一般的に夏は登山のしやすい時期ですが、実は尾瀬にとっては穴場の季節です。
初夏のミズバショウと秋の紅葉の間、いわゆる夏山シーズンの8月から9月にかけての平日は、登山口への自家用車での通行が規制されていません。
各地の山岳観光地では自家用車の入山規制を行うところが増えましたが、そのほとんどで規制期間に夏山シーズンも含まれています。むしろ、マイカー規制が行われる期間=(イコール)夏山シーズンといっても良い所がほとんどです。
しかし尾瀬では、夏山シーズンに車でアプローチを稼げます。つまりドライブ登山をするには、規制が解除されているこの期間はもってこいの季節なのです。
目的地と入山口
三県にまたがる尾瀬周辺は、群馬、新潟、福島の各県から登山道があります。
どの登山道を選ぶかは、どこへ行くか、どの山へ登るか、尾瀬沼と尾瀬ヶ原のどちらを目指すかなど、山行の目的によって最短ルートが違ってきます。計画段階でよく検討する必要があります。
また、周辺は時期によって交通規制が行われますので、こちらも事前に調査して、計画している日時と重ならないよう確認しましょう。


今回の目的地は、最も尾瀬らしい景色が広がる「尾瀬ヶ原」です。
そして尾瀬のシンボルの一つであり、日本百名山にも名を連ねる「至仏山」(2,228m)に登ってきます。
「至仏山」は尾瀬の西の展望台とも言うべき山で、尾瀬全体を見渡す絶景を目にすることができます。
時短No.1ルートで鳩待峠~尾瀬ヶ原をめざす
今回の山行は、初めて尾瀬を訪れる方にもおすすめということで、関東から近く、自家用車でもっともアプローチの稼げる「鳩待峠」からのコースです。
鳩待峠には広い駐車場があり、交通規制のない時期は自家用車で乗り入れることができ、車中泊をすることも可能です。
また、いわゆる尾瀬と言われる地域の代表的なスポットである「尾瀬ヶ原」への距離が最も短い登山口でもあります。
鳩待峠から尾瀬ヶ原までのコースタームはおよそ1時間。また登山道の多くの部分に「木道」が設置されていて、歩きやすさも抜群です。
今回は鳩待峠まで自家用車で行き、前泊(車中泊)して尾瀬ヶ原から至仏山に登り、鳩待峠に戻ってくる日帰り山行の様子を紹介します。
アプローチ 鳩待峠駐車場で車中泊
尾瀬は山深い場所ですので、どのルートも主要な鉄道や高速道路などの交通機関からは距離があります。
列車利用ならバスやタクシー、自家用車でも市街地からはけっこう長いドライブが必要です。この移動時間はけっこうかかります。
そこで時間を有効に使えるのが、鳩待峠駐車場での車中泊です。
車中泊はテントではなく車の中に泊まるだけで、やることはキャンプとほぼ変わりません。また、ドライブを趣味にする人なら、車中泊はおなじみという人も多いでしょう。
関越道経由で、鳩待峠駐車場へ
関越道沼田インターを下りてからは、尾瀬方面に向かってひたすら車を走らせます。
けっこう長い道のりになりますが、夕方以降であれば交通量は多くはないでしょう。

道の途中にある日帰り入浴施設「望郷の湯」は、行き帰りに汗を流すのにちょうどよい施設です。
戸倉周辺まで来るといくつものスキー場が広がり、大きな駐車場もたくさんあります。こちらにも前泊車中泊らしき車が見られますが、明日の朝、ここからバス利用となると時間的に制約されてしまうので、今回はさらに奥を目指します。
水上方面への道と分かれて、津奈木ゲートを過ぎると、鳩待峠まであと3.5kmです。道は山道になりますが舗装されており、対向車とのすれ違いも心配ない広さで、特に注意する箇所はありません。
ただし津奈木ゲートは夜間の19時~5時までの間は閉鎖されるので、それまでにゲートを通過していなくてはなりません。
やがて行き止まりの看板に突き当たると、右側が鳩待峠駐車場です。ちなみに駐車場は舗装はされていません。



鳩待峠駐車場の駐車料金は、普通車で1日2,500円です。
前泊の場合は日を跨いで2日に渡るのですが、24時間まではこの料金でよいようです。
下のスキー場の駐車料金は1,000円なので高いように感じますが、往復のバス代を合わせると、むしろこちらの方が経済的ということになります。
こちらは夜間は無人となるため、到着したときには、すでに管理の方はいませんでした。
翌朝、未払いの車には係の方が回ってきて集金をされていましたので、夜遅い時間に到着した方は、朝、係の方が来たら忘れずに支払いをしましょう。


5時に津奈木ゲートが開くので、朝ここまで来ても6時前には出発できると思います。
しかし駐車場の混み具合も心配ですし、夏の朝はもっと早い時間に出発したいものです。やはりここは、車中泊での前泊がベストだと思います。
車中泊後の「至仏山登山」の様子については、下記のリンクからご覧ください。

時間に余裕があれば
尾瀬に向かう前後に時間に余裕があるなら、沼田の町を観光してみるのもいいと思います。
数年前の大河ドラマ「真田丸」でも登場した沼田は、古くからの城下町。JR沼田駅などを見下ろす高台にある沼田城趾は美しい公園として整備されています。
またNHKの「ブラタモリ」で紹介されたように、街の周辺は見事な河岸段丘の見られる地形で、こちらも一見の価値があります。
また上州名物のとんかつやモツ料理を食べられるお店も揃っていて、登山前後のプチ観光にも事欠きません。





