今回もミニストーブでの調理を試してみます。これまで、カップ麺、炊飯と100円ショップの製品を使って実際にやってきましたが、第3弾となる今回は「ラーメンを作ってみる」です。
今回も、使用するのはすべて100円ショップの製品です。「ミニストーブ」と「クッカー」を使って、「袋麺」の調理の様子を紹介します。
袋麺の調理

外出自粛の日々の中、100円ショップ製品の「ミニストーブ」と「固形燃料」を用いた調理を試しているのですが、今回は「袋麺のラーメン」についてです。
袋麺の場合は、カップ麺やご飯を炊く場合に比べ、多くの水を沸かさなければいけない印象があるため、「火力弱めな固形燃料でしっかり作れるのか」という疑問を感じていました。
カップ麺が広く普及している現状では、非常時の食事などで準備するのはカップ麺が主流になっているので、袋麺の需要がどの程度かは分かりません。
実際自分も、人生のかなりの期間を、袋麺というものをまったく食べずに過ごしてきました。
学生の頃の合宿の朝食で作って食べることはあったのですが、それ以降社会人になってからの長い間食べた記憶がなく、再び目を向けたのは最近のことです。
今回、ラーメンを作るにあたり新たに用意したのは、ラーメン鍋として使える「クッカー」です。
袋麺を調理するには、一般的に500mlほどのお湯が必要ですが、この量のお湯を沸かすとなると、さすがに100均製品には適当なものはないかと思ったら、価格は200円(税込220円)ですが、十分な大きさのものを見つけました。
100均ショップの200円クッカー

今回のクッカーはキャンドゥの製品で、タグには「ステンレス折りたたみ手付き鍋16cm」とあり、価格は220円(税込)です。
「直火専用」との表記があるので、ミニストーブでの使用も問題なさそうです。
材質はステンレス鋼(クロム12%、底の厚さ0.3mm)で直径は16cm、満水容量は1.25ℓです。

ちょうど袋麺がすっぽり入る大きさで、調理するにはぴったりなサイズです。
調理開始

今回も自宅のベランダで行っています。晴れた夏の日の、午前中の早い時間に行いました。
日の当たる屋外なので、気温が高くなった暑い時間帯の活動は避けたいということと、お湯が沸くまでの時間が他の季節に比べて短くなるなどの影響があるかも知れないと思い、比較的涼しい時間帯に行いました。
風はほぼ無風ですが、一応防風板もセットします。
使用する固形燃料は1個。燃焼時間はおよそ20分です。これでラーメンが作れるのか、検証のスタートです。
お湯を沸かす
一般的な袋麺の場合、必要な水量はだいたい500mlほどです。
今回用いた袋麺の水量は450mlなので、測ってクッカーに入れ、ミニストーブの火にかけます。

今回は風がないので、加熱も順調のようです。3分ほどで気泡ができはじめ、4分で湯気が立ち上がるのが見えます。
固形燃料1個の場合、それほど火力が強くないので、ぐらぐらと沸騰するということはなく、どこで最高温度に達したと見るか迷います。

10分が経過し、固形燃料の燃焼時間のほぼ半分が過ぎました。
まだ沸騰という感じではありませんが、麺を入れるとお湯の温度が一気に下がるので、燃料に余裕があるうちに調理を始めたいところです。

燃料の燃焼時間の約半分を過ぎたので、加熱を始めて11分で、麺を投入することにします。
麺を茹でる

クッカーに麺を投入し、そのままにしてしばらく待ちます。
3分後、麺に箸を入れると、麺は柔らかくなっていて形をほぐせる状態にはなっています。
しかし、正規の調理法では煮るのは3分間ですが、この火力では3分ではまったく足りず、食べるにはまだけっこうな固さが残っています。

沸騰していない状態でそのまま続けて火にかけていると、柔らかくはなるのですが、麺がのびたような感じになってきて明らかに食感は落ちていると思われます。
とりあえず柔らかくなったので、麺を投入してから6分で火から下ろし、スープを投入します。


この時点で、固形燃料はまだこれくらい残っています。(写真参照)
ミニストーブと固形燃料1個でも、袋麺の調理はとりあえずできそうなことがわかりました。
※固形燃料を複数個使用した例は、以下の記事をご覧ください。

おわりに

今回の検証は、「ミニストーブと固形燃料1個で、500mlほどの水を沸かして煮るのに十分な火力を得られるのか」を確かめるのが目的だったのですが、とりあえずラーメンを作ることはできました。
しかし火力が弱いため、食感のよい麺を茹でることはできませんでした。
ミニストーブを使うような状況だったり、非常食として用意するなら、やはりカップ麺という選択がいろいろな意味で有利であると思います。
余談ですが、朝から食べるのびたようなラーメンはあまり食欲をそそるものではなく、学生時代はこうした食事をエネルギー源としてお腹に入れ、何日も山の中を歩いていたのかと思うと、「今の自分にできるのか」と、何となく自問していました。
もちろん、やればできるのですが、一度変わってしまうと、そんな時代の生活に後戻りするのはなかなかできないことのように思います。
コロナが収まった後の世の中も、もう「元通りにはならないだろう」ということを、改めて感じていました。

