ラグビーの聖地「菅平」の後方に、たおやかに横たわる「根子(ねこ)岳」。
なだらかな斜面の広がる山容は、全面スキー場にできるのではないか、と思ってしまうほどです。

見た目のように比較的傾斜が緩やかで、周囲の展望が素晴らしいことから、初めての登山をするにはうってつけの山です。歩行時間4時間程度で、2,207mまで往復することができます。
今回は、菅平牧場からの最短ルートで行く根子岳への日帰り山行の様子を紹介します。
根子岳とは

長野県の菅平に聳える「根子岳」。標高は2,207mです。
すぐ隣には日本百名山のひとつである「四阿(あずまや)山」(2,354m)があり、ここへの経路として、根子岳に登頂していく登山者も少なくありません。
遠方からは仲良く肩を並べているように見えるこの二つの山は、「四阿カルデラ」と呼ばれる古い火山の火口の縁の一部として形成されました。
「四阿山」というめずらしい名前について少しだけ・・
四阿山は吾妻山(あづまやま)ともいい、どこから見ても山の形が屋根の棟に似ているのでこの名がつけられたといいます。古事記によれば、日本武尊が東征から戻って、信濃に入る峠に立たれたとき、「あずまはや」と叫んで弟橘(おとたちばな)姫をしのばれたといい、群馬県側の嬬恋村(つまごいむら)の名もこの伝説によるそうです。
根子岳は四季を通して親しまれている山で、冬期間の入山者も少なくありません。
根子岳の麓には幾つものスキー場が点在していますが、それに続く根子岳の斜面は、山スキーの格好の舞台としてスキーヤーが入山し、かつては山頂までヘリコプターが飛んでいたこともありました。
現在も、冬は「雪上車」で山頂近くまで行くことができます。(この雪上車は、写真撮影などスキー以外の目的でも利用することができます。)
根子岳へのアプローチ
菅平牧場登山口へ
高速道路利用の場合、上信越道の上田菅平ICか須坂長野東ICからになりますが、どちらで下りても1時間足らずで登山口まで行くことができます。
菅平に着いたら、案内表示にしたがって牧場方面に向かって登っていきます。



やがて菅平牧場に続く一本道になり、牧場まで直進します。

登山口は菅平牧場の中にありますが、牧場の入口には料金所があり、ここで入山料大人一人200円、子ども一人100円を支払います。

料金所を過ぎてさらに進むと、左側に第1~第3駐車場とバス専用の駐車場の計4つの駐車場が設置されています。


駐車場は3つありますが、それぞれ20台程度しか収容できませんので、いっぱいになる日もあるかも知れません。
車を駐車後、右に牧場の売店を見ながら車道の突き当たりまで進むと広場があり、その先が登山道の入口になります。

近くに登山届の提出箱や掲示板、トイレがあります。




他の登山道の情報
今回のルートは「菅平牧場」登山口からで、こちらが根子岳への最短ルートになります。
その他には、峰の原高原からの登山道もよく登られる道ですが、現在は登山道の一部が崩落して迂回する新しいルートになっており、距離も時間も長くなったため、登山者は以前ほど多くはありません。
また、小根子岳北肩から米子大瀑布方面への道は通行できないようですので、注意してください。(情報元:須坂市役所商業観光課 最終更新日2020-6-5)

展望と花を楽しむ登山道を行く

はじめは牧場の中の道
登山道に入ってしばらくの間は、牧場の柵に沿って進みます。
所々に白樺の林のある、牧場の中を通る展望の良い道です。
思ったよりも傾斜があるかも知れませんが、周囲の景色を楽しみながらゆっくり登るのがよいと思います。登山口発 9:20



20分ほど登ると、東屋のある展望台(1,757m)があらわれます。
ここが牧場の上端にあたり、ここまでは階段状の歩道が整備されているので、登山ではなくドライブの途中で散策に来た、という人たちもいます。東屋 9:50



前半は白樺林の道

展望台から先は登山道になり、広葉樹の明るい樹林帯の中を進みます。
木々の葉が夏の日差しを遮ってくれます。




登山道の途中のところどころに、休憩のできる広場があります。


根子岳まで0,8kmの標識 10:30

登山者の中には軽装の人も多いです。街で履くスニーカーにTシャツのみの若者も。




道端の花を見ながら歩いていると、いつの間にか、シラカバがダケカンバに変わっています。標高が上がってきました。
後半は展望の道


樹林帯を抜けると、ササの生い茂る緑の斜面を進みます。頂上へ向かう登山道が見渡せるようになります。

展望が開けてくると、山頂まで0,5kmの標識があらわれます。11:05

登山道の脇には様々な花が咲いていますが、根子岳は「花の百名山」のひとつに数えられています。




展望が開け、足下の菅平もよく見えます。登山道はほぼ真っ直ぐに延びていて、遙か先を行く登山者も見えています。ひたすらササの中の道を進みます。





登山道が広くなってきたら、頂上が近いです。やがて山頂が見渡せるようになり、左に峰の原への登山道の分岐の標識を見て、山頂に到着です。11:40
登りに要した時間は、休憩も入れて2時間20分でした。



山頂はたくさんの人で賑わっています。老若男女、様々な世代の方々が訪れていました。
四阿山、小根子岳への道
四阿山方面


山頂からは、お隣の四阿山がよく見えます。山頂で一休みしたら、少し四阿山方面へ行ってみましょう。


山頂から四阿山方面に向かうと、すぐに右側が大きく切れ落ちた崖沿いの道になります。これまでのおだやかな姿とは違う根子岳の別の一面が見られます。
根子岳周辺は古い火山の一部なので、火口壁などの火山特有の地形が随所に残っています。根子岳、四阿山は「四阿カルデラ」の外輪山の南側にあたります。





根子岳山頂は広く視界が開けていますが、唯一「小根子岳」のある北側を見渡すことができません。四阿山との鞍部方向へ少し下ると、北側の視界が開ける場所があります。
美しい稜線が延び、溶岩の塊などのおもしろい火山地形も見られます。ぜひ足を伸ばしてみてください。
小根子岳方面


いったん山頂へ戻り、今度は峰の原高原への道を5分ほど下ります。すると標識のあるあたりから「小根子岳」の姿を見ることができます。
小根子岳にいる登山者の姿もはっきりと見えます。気持ちの良さそうな稜線の道で、時間に余裕があればこちらを下山路にするのもよさそうです。
しかし、「こねこ」・・・かわいい名前です。

再び山頂へ戻り、下山を開始します。12:51
展望を満喫しつつ下山開始




根子岳まで0,5kmの標識通過 13:11

根子岳まで0,8kmの標識通過 13:30

東屋に到着、休憩 13:48


菅平牧場駐車場へ戻りました。14:10 下山に要した時間は、休憩も入れて1時間20分でした。
菅平牧場

登山を終え、牧場でしばしの休憩。たくさんの方がソフトクリームを求めてやってきます。


売店では、ソフトクリームの他、牛乳やバッジ(根子岳、四阿山)なども購入できます。また休憩所が併設されており、屋内で休むこともできますし、すぐ近くに白樺に囲まれたベンチや東屋もあります。


山行を終えて
今回は、景色や花を見ながらゆっくり歩いたり、山頂であちこち移動したりしたため、時間がかかっていますが、山頂往復には4時間ほどみておけばよいと思います。
ルートの途中に山小屋などの施設はありませんが、シーズン中は登山者も多く、クマなどの心配も少ないため、単独の方も安心して登れると思います。
展望が素晴らしく、きつい登りもないため、登山初心者の方に特におすすめのコースです。天気の良い日にお出かけください。

