近年、何かと話題の「小豆島」。
小豆島は橋で渡ることができないので、行こうと思ったら、どうしても船を利用する必要があります。どのようなルートで島へ渡り、どのような方法で島内を巡るのか・・・。
今回は、小豆島への渡航方法と、現地での交通関係について、東日本から行く場合の概要をまとめてみました。
小豆島への渡航方法

一般的に小豆島へ渡るには、本州または四国からのフェリーか高速艇の定期便を利用することになります。
本州側は、兵庫県の神戸新港、姫路港、岡山県の新岡山港、宇野港からフェリーが出ていて、四国側からは高松港、高松東港からフェリーと高速艇が出ています。小豆島に到着する港はそれぞれ違うので、出発港と到着港の関係も含めて、どの航路を利用するかを検討することになります。
今回は、東日本方面から小豆島へ向かう場合について、本州側からのアクセスについてまとめてみます。
東日本 → 小豆島 の主なルート
神戸港 ~ 坂手港 (運営会社:ジャンボフェリー)
東日本から最も近いフェリー便の港は「神戸港」になります。
こちらからは小豆島の「坂手港」へ、5200トン(定員620名)と3682トン(定員475名)の比較的大きめのフェリーが運航されています。
1日3便(土休日は4便)で、夜行便などもありますが、便数は少なめで、時間も3時間20分ほどかかります。
こちらの料金は、車両、旅客、燃油サーチャージなどに細分化され、休日や深夜便には追加料金もあります。
旅客運賃は大人1990円(往復3790円)で、土休日はプラス500円の追加料金がかかります。
車両の場合、6m未満の乗用車は一律で片道7990円、往復15190円(運転者1名の運賃を含む)で、そのほかに燃油サーチャージが片道1200円程度かかります。
2輪車は片道2000円(往復4000円)で、別途旅客運賃が必要です。(燃油サーチャージは不要)
なお、ネット予約の場合には、5%の運賃割引きがあります。
姫路港 ~ 福田港 (運営会社:小豆島フェリー)
次に東日本から近い港は、「姫路港」になります。
こちらからは小豆島の「福田港」へ、1日7便運航されており、フェリーは1326トン(旅客定員490名)と神戸便よりは小さいですが、渡航時間は1時間40分ほどで、神戸便のおよそ半分です。
この航路の運賃は、旅客大人片道1,710円で、車両は全長によって料金が変わり5m未満の乗用車で片道9850円(旅客運賃1名を含む)です。マイカー・レンタカーで乗船の場合は5%割引になり、往復だと復路の運賃が10%割引きになります。
2輪車の場合、750㏄未満の運賃は3260円(旅客運賃1名分含む)ですが、海が荒れて波が高いと乗船できない場合があるため注意が必要です。
2輪車と旅客は予約ができないため、すべて先着順となります。
なお、こちらはすべて現地決済で事前決済はありませんので、乗船前に必ずターミナル窓口へ出向く必要があります。
東日本から自家用車で小豆島へ向かう場合、岡山まで行って渡航する必要性はあまりないと思うので、主にこの2つからの選択になると思います。
新岡山港 ~ 土庄港 (運営会社:国際両備フェリー)
徒歩で小豆島へ渡ってから「レンタカー」を利用しようと思っている場合は、岡山まで行ってから渡航するのも選択肢に入ると思います。
それはなぜかというと、小豆島内のレンタカー業者の多くが、土庄港周辺に集まっているからです。
それ以外の港の周辺にはレンタカー業者が1つだけだったり、ない所もあります。各港へ回送してくれるサービスもありますが、その際には別途回送料金がかかります。
レンタカーを利用するなら、車種や料金と合わせて検討し、土庄港への航路を利用するのも選択肢に入ると思います。
新岡山港~土庄港の航路は1日8便で、渡航時間は1時間10分、フェリーは990トン、942トンとやや小さいですが、定員は500名です。
料金は旅客1名片道1200円(往復料金はなし)、車両は5m未満片道8250円(旅客1名分含む)です。
なお、こちらは予約をすると、取り消しの際にキャンセル料が発生します。
予約は必要か
徒歩での乗船であれば、どの航路でも予約の必要はないと思われます。(姫路航路は旅客の予約自体ありません)
また乗用車の場合でも、夏の繁忙期などの様子はわからないのですが、それ以外の時期であれば、特別なことがない限り事前に予約をしなくても乗船は可能ではないかと思われました。
車だと道路の状況などによって、時間通りに港へ到着できない場合もあるので、予約なしの方が気が楽ですが、確実に乗りたいのであれば予約をおすすめします。
小豆島内の交通事情

公共交通機関はバス
徒歩で小豆島へ渡った後の観光については、1日で主な名所を巡る「島めぐり観光バス」などを利用することもできますが、個人で自由に見て回りたい場合は、路線バス、レンタカー、タクシーのいずれかの利用ということになります。(島内を広く見て回りたい場合、距離や地形を考えると、レンタサイクルはあまりおすすめではありません)
多くの方が路線バスを利用しているようですが、離島にしては島内のバス路線や便数は充実している感じがするので、しっかり計画すれば、それほど不便を感じることなく目的地を巡ることができそうです。
ただし、時間的にはどうしても回れる場所の数が限られてくるので、多くの場所を自由に見て回るには、レンタカーやタクシーが有利です。
レンタカーという選択もあるけれど
タクシー利用だとかなり高額になるし、運転手さんに気を遣うことなく仲間だけで自由に巡るとなると、レンタカーの利用がよいと思います。
島内にはこうした需要に応える業者も複数あり、レンタル料は小さめの車で1日およそ1万円ほどです。
1泊2日だと2万円程度ということになり、これはフェリーの往復運賃とだいたい同程度になります。
であれば・・・
神戸や姫路までの長いドライブが気にならないということが前提になりますが、自家用車で港まで行き、フェリーで島に渡るのが、もっとも気楽で自由度の高い選択だと思われます。
自家用車で小豆島へ

自家用車で小豆島へ渡るフェリーの航路は、前述のとおり、神戸、姫路、新岡山、宇野、高松からあるのですが、東日本から自家用車で行くなら、「神戸」「姫路」からの航路が利用しやすいです。
今回、便数が多く渡航時間の短い「姫路~福田航路」を予約なしで利用したので、その際の渡航の実際の様子を紹介したいと思います。
姫路港

3月下旬の平日、朝2番目の便である9:45発に乗ろうと、「姫路港」にやってきました。
出発の20分ほど前にフェリー乗り場に到着すると、すでに20台ほどの乗用車やトラックが待機場所に並んでいます。
フェリーの誘導員の方が案内してくれた場所に停めて、チケットがまだ無いことを告げると、「ターミナルへ行って買ってきて」と言われたので、いったん駐車してターミナルへ向かいます。
ターミナルの窓口には行列ができていて、学生さんが春休みの時期のためか、若い人が多かったです。
車検証を持ってくるように案内されていましたが、車の全長を申告したら、特に車検証の提示は求められませんでした。
こちらのフェリーは、チケットの購入は現地決済のみなので、日によっては長い順番待ちが発生していることもあるかもしれません。混雑する時期は少し時間に余裕をもって到着した方がよさそうです。
この日は風が強いためか、「バイクや自転車の乗船はできない」との看板が出ていました。

乗船は、出発の10分前から始まります。

誘導に従って船に乗り込み、指定の位置に駐車します。
大きなフェリーではありませんが、3列でそれなりに余裕をもって駐車することができました。
乗船には大きな段差もなくしっかり誘導してくれるので、初めての方でも戸惑うことはないと思います。
駐車したら、航行中は車内には留まれないので、車を出て2階の客室へ上がっていきます。

やがてフェリーは乗り場を離れ、静かに出発していきました。
小豆島フェリー

2輪車は乗れないということだったので、波が高いのかと思ったのですが、港では揺れもなく船は滑らかに出発しました。このくらいでも2輪は乗れないとすると、バイク旅は計画が難しいかも、と思いました。

3階のデッキに上がってみました。
夏の晴れた日などは気持ちがよいでしょうが、この日は風が強く、デッキには誰もいませんでした。


2階の客室には様々なタイプの座席があります。

船内には、あちこちに「うどん県香川」のPRキャラ「ヤドン」の姿が・・・。
しかし、窓に貼ってあるところは外の景色を遮ってしまうため、お客さんが座っていなかったです。これってどうなのか・・・。


船内には「うどん」を提供する売店があり、「讃岐うどん」が味わえます。こちらは軽食類やお土産なども扱っていますが、営業時間は短めで、早朝や夕方以降は営業していないようです。


船首部の座席に座って進行方向を眺めていると、前方から同じ型のフェリーがやってきました。

福田港からの便で、途中ですれ違います。



やがて、前方には小豆島が迫ってきます。

福田港に入っていくと、港には他の会社のフェリーの姿も見えます。
小豆島はいろんな航路のフェリーがたくさんあるので、アクセスはかなりよいと思います。

福田港に到着し、車に戻って船外へと走り出しました。
福田は小さな集落で、港周辺に車を止めておける駐車場のある大きな施設が見当たらなかったので、そのまま島の南側に向けて走っていきました。
島内めぐりの様子については、別の記事で紹介します。
おわりに

予約なしでフェリーを利用して、自家用車で小豆島へ行ってみましたが、アクセスは順調で特に気になる点はなく、観光を楽しむことができました。
島内ではレンタカーもけっこう見かけましたが、自家用車で来ている人もそれなりにいる感じで、全国あちこちのナンバーの車が走っていました。
しかし、観光地に近いバスの乗り場にはたくさんの観光客がいたので、バス利用の旅人が最も多いのかなという感じでした。
島内には、島を一周する道路や「寒霞渓」の上まで行くスカイラインなどもあり、自動車で巡ると様々な場所を見て回れるので、やはり車がおすすめだと思います。
ただ、島内のガソリンスタンドは本土に比べると価格が高めなので、渡航前に満タンにしておくとよいと思います。
小豆島は、橋によって繋がっていない島としては瀬戸内海で最大で、人口も2万人以上が暮らす大きな島なので、フェリーが水上バスのように頻繁に行き来しています。
小豆島は香川県ということもあり、島へのアクセスが最もよいのは「高松」だと思われます。
高松からは渡航時間も短く、高速艇などもあるので、東日本から行く場合でも、こちらも渡航場所の候補になるかもしれません。
列車利用なら、「サンライズ瀬戸」で早朝に高松に到着し、そのまま島へ渡るというような効率の良い旅もできます。
自家用車でも、「姫路」から小豆島内を通り抜けて「高松」へ渡るという「通り抜け」のお得なチケットも販売されていたので、日程に余裕があれば、明石大橋、鳴門大橋を渡る行程で旅をするのもおもしろそうだと思います。
※この記事の料金、時刻等の情報は、すべて2025年3月時点のものです。
