標高2000m近い高原に、大草原が広がる「霧ヶ峰」。
なだらかなピークと湿原が広がる霧ヶ峰周辺には、いくつものハイキングコースが開かれています。
今回は、シーズンを迎えたニッコウキスゲの群生地を訪ねながら、霧ヶ峰の最高峰である「車山」に登頂するハイキングの様子を紹介します。
霧ヶ峰は日本百名山

ビーナスラインをドライブしていると、周囲に広がる大草原の中でひときわ高く、頂上に白く丸いドームのある「車山」が目に飛び込んできます。
霧ヶ峰は「日本百名山」のひとつなのですが、「霧ヶ峰」として挙げられていて山の名前ではないので、百名山の中に「車山」という名はありません。
しかし、霧ヶ峰の最高地点ということで、百名山踏破をめざす多くの登山者が訪れます。
深田久彌は著書「日本百名山」の中で、若き日にこの高原でひと夏を過ごし、あちこち歩き廻ったと書いていますが、この高原のすべてを百名山のひとつとしたかったのかもしれません。
四季を通じて親しまれている「霧ヶ峰」ですが、緑の大草原が広がる初夏の霧ヶ峰には特別な想いがあります。
7月の初めに、ニッコウキスゲが咲き誇る季節がやってきた「霧ヶ峰」を訪ねてみました。
アプローチ

車山へのアプローチは、「ビーナスライン」を走っていきます。
車山周辺のビーナスラインへ行く最短ルートは、諏訪から「県道40号」を登るルートですが、上田方面、茅野方面ともに、「国道152号線」で白樺湖へ向かい、ここからビーナスラインに入るのが走りやすいと思います。
今回は、白樺湖からビーナスラインに入り、途中で「富士見台」に寄ってニッコウキスゲの様子を見ていきます。

ビーナスライン



白樺湖から坂道を登り高度を上げていくと、周囲の展望が開けてきます。


道の周囲には、見渡す限りの大草原が広がります。


しばらく行くと、大きな建物が並ぶスキー場の駐車場が見えてきます。
車山高原SKYPARKスキー場


車山の東側斜面にはスキー場が開かれていて、頂上直下までリフトが設置されています。
そのため、このリフトを利用すれば、車山は歩く時間が最短で頂上に立てる「百名山」でもあります。
ビーナスライン沿いにある「車山高原展望リフト」の駐車場に車を駐めてリフトに乗れば、リフトの終点から山頂までは徒歩5分ほどです。(リフトの詳細は記事の最後にあります)


スキー場から、車山の南斜面を通るビーナスラインを走って行くと、広い駐車場のある「富士見台」が見えてきました。
ニッコウキスゲ
富士見台展望台

「富士見台」周辺は、霧ヶ峰の南側を見渡す展望台で、周辺にはニッコウキスゲの群生地が広がっています。

駐車場に入り山を見上げると、丘の上には黄色く咲いたニッコウキスゲの花が一面に広がっていました。
「ニッコウキスゲ」の群生地は霧ヶ峰にいくつかあるのですが、こちらは花の数が多く広範囲に広がっています。


駐車場は展望台にもなっていて、中央アルブス、南アルプス、八ヶ岳の山々が広く見渡せます。
そして富士見台の名の通り、八ヶ岳と南アルプスの間に、「富士山」が端正な姿を見せていました。

ニッコウキスゲ群生地

道を渡って、ニッコウキスゲの丘へ登っていきます。

植生を守るために周囲には柵が設置されていて、入口の扉を開けて入っていきます。




緑の草原に、見渡す限り黄色い花が咲き誇っている様子は壮観です。
その草花は、ただ懸命にその命を生きているだけですが、こんなにも美しい景色が生み出されるこの星の営みを想います。
道は丘の遥か上まで続いていました。




土産物店の掲示によると、この日はまだ6~7分咲きとのことでした。
車山

車に戻り、「車山肩」に向けて再び走り出します。

間もなく、「車山肩」の建物が見えてきました。
車山肩

「車山肩」には、約200台収容の無料駐車場があります。
こちらに車を駐め、車山へ向かいます。



「車山肩」の向こう側には「車山湿原」が広がっていて、こちらは「八島ヶ原湿原」などとともに、国の天然記念物に指定されています。

車山登山道

広い登山道を、山頂に向けて登り始めます。

登山道は、車山の西側斜面を大きく巻きながら登っていきます。



振り返ると、遠くになった車山肩の向こうに「美ヶ原」が見えていました。


見渡す限り、緑の大草原が広がります。

登山道が山の南側を通るようになると、今度は八ヶ岳や南アルプスが見えてきます。




巻き道を折り返すと、山頂のドームが見えてきました。


巻き道が終わると、山頂部のなだらかな道を、頂上へと真っ直ぐに進んでいきます。



大きな石が転がる、広い山頂に到着です。
山頂には集団登山の子どもたちもいて、たくさんの人で賑わっていました。
車山肩から山頂までは、なだらかな登山道を歩いて30分ほどです。
車山山頂



山頂の南側には、大きなテラスが設置されていて、山々の展望が広がります。





展望テラスの東側には「車山神社」が祀られていて、八ヶ岳を背景にして鳥居が立っています。
その姿は空に浮かび上がるようで、「天空の鳥居」といった感じです。

車山神社の周囲には4本の御柱が立てられており、ここは諏訪の文化圏であることを改めて感じます。

山頂からは眼下にリフト乗り場が見えていて、リフト終点から山頂までは5分ほどです。



この後、草原の道を進み「蝶々深山」へ向かいます。(次回へ続く)

関連情報
車山高原展望リフト

「車山高原SKYPARKスキー場」へは、白樺湖からビーナスラインを走って10分ほどで、リフト乗り場の周辺に無料駐車場があります。

展望リフトで山頂へ向かう場合は、2本のリフト(4人乗り)を乗り継ぎます。
駐車場から中腹までの「スカイライナー」と、中腹から山頂までの「スカイパノラマ」の2本で、所要時間は合わせて約15分です。

営業日 7~9月は休業日なし
営業時間 8:30 ~ 16:00
(山頂行き登り最終16:00 山頂からの下り最終16:30)
料金 下の写真をご参照ください。

夏期以外の休業日など、その他の詳細は下記HPからご確認ください。
車山高原SKYPARK展望リフト https://summer.kurumayama-skypark.com/lift
※ 掲載された情報は、すべて2023年7月時点のものです。
