【旅と宿】白樺湖畔の格安ホテルに泊まってみた

白樺湖ビューホテル

   

旅の宿は、快適に一夜を過ごせる場所さえあればよいという考えなので、ビジネスホテルなどを素泊まりで利用することが多いです。

そんな中、2食付きでしかもアルコール類の飲み放題も付いて1泊7,800円という大変リーズナブルな宿があることを知り、試しに泊まってみました。

今回は、格安ホテルチェーン「伊東園ホテルズ」についてのレポートです。

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目的が「宿」という旅

白樺湖畔に建つ「白樺湖ビューホテル」

旅には、個性的な宿を訪ねたり、地元の食材を味わったりすることを目的とするものもあり、そういう旅を楽しんでいる方々もたくさんいます。

自分としては、今のところそういう旅をしたいとはあまり思ってはいないのですが、旅のプランを調べたりする中で、温泉宿などについての情報に触れる機会も増えています。

そんな中で目についたのが、今回の「伊東園ホテルズ」でした。

1泊2食付き7,800円(税別)という価格の宿は他にもあるかもしれませんが、夕食のバイキングにアルコール類の飲み放題もついてこの価格というのは初めて見た気がします。

今まで、これほど破格の宿は知らなかったので、実際にどんな様子なのか?‥と興味をもち、泊まってみることにしました。

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格安のホテルチェーン

とりあえず、どんな宿なのかを調べてみました。簡単にまとめます。

伊東園ホテルズは、関東周辺を中心に、温泉旅館などを運営するホテルグループです。

「伊東園」は、元は伊豆の伊東にあった老舗ホテルでしたが、倒産し競売にかけられていたものを現在の運営会社が買収し、改装して2001年に再出発させました。

その後も、経営の行き詰まった旅館やホテルを買収し、経営の効率化を図って再生させるという手法でグループを拡大し、現在では東日本各地で30以上の施設を運営しているそうです。

グループにはかつては老舗と言われた、地元では名の通った宿も多く、建物はしっかりしているのですがいかんせん古く、客室やサービスについてのネット上の意見も様々なので、そのあたりは実際に自分で確かめてみないことには何とも言えません。

基本のコンセプト

伊東園ホテルズは、当初は「365日同一料金1泊2食付」という業態を売りにして運営していたようですが、現在では時期や部屋のグレードによって料金には違いがあります。

正月などの繁忙期や、リニューアルされた部屋、露天風呂がついた特別室などは、それなりに料金が高くなります。

それでも、繁忙期以外の標準的な客室の利用は、従来からの7,800円+税で宿泊することができ、リーズナブルな宿であることは変わりません。(実際の料金は宿によって入湯税などが異なるため一律ではありません)

食事は朝、夕ともにバイキング形式で、料理の内容はグループのどの宿でも大きな変化はないようですが、基本的なものはだいたいそろっていて、季節の食材を用いたフェアなども頻繁に行われており、それなりに充実しているとのことです。ただし連泊をすると、全く同じ料理を2日続けて食べる、ということになるようです。

そして一番の特徴は、「アルコール類の飲み放題」が付いていることだと思います。この価格でアルコールまで飲み放題という宿は他にはないと思うので、お酒を飲む方にはけっこう魅力的なポイントだと思います。

展開する地域

スタートが伊豆だったということもあり、傘下の施設は伊豆周辺に集中していますが、それ以外にも北は北海道から南は静岡まで、東日本各地にあります。(しかし西日本には1軒もありません)

関東周辺では、福島、栃木、群馬、長野などに複数軒あるので、この方面への旅では比較的利用しやすいと思います。

また、北海道、新潟、山梨、千葉、茨城にも1軒ずつあります。

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秋の信州を走る

白樺湖畔の遊歩道

今回は、伊東園ホテルズの宿を予約して、「秋のビーナスライン」を走りに行きました。

しかし、当日のビーナスラインは低い雲がたれ込め、蓼科山や車山などの景観はまったく見ることができず、夜間には雨も降って、ツーリングとしては楽しいといえるものではなかったです。

このように、宿を予約すると荒天の日に当たってしまうこともあるので、景観重視のツーリストとしては、基本的には宿は決めずに好天の日を見極めて旅に出るようにしていますが、今回はホテルに宿泊すること自体も目的だったので、「天気が悪くてもまあいいか」という感じでした。

   

ビーナスラインの近くには系列の宿が2軒あったので、半月ほど前に予約をしようと調べてみたのですが、諏訪湖畔にある宿はほぼすべて満室で、数ヶ月先まで予約はまったく取れませんでした。

一方、今回宿泊した宿も、週末はすでに満室で数ヶ月先まで予約が取れなかったのですが、平日は空室がたくさんあり、金曜日にも多少の空きがありました。

天候がだめでも、温泉に入り、飲み放題でビールや地酒が飲めるならいいかな、と思い、金曜日の予約を取りました。

このように、同じ系列でも立地、宿の規模や施設、周辺の観光地などの違いにより、予約の取りにくいところと取りやすいところがあるようでした。

今回泊まった「白樺湖ビューホテル」は、比較的予約が取りやすい印象で、平日であれば、けっこう空室がありました。

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白樺湖ビューホテル

「白樺湖ビューホテル」があるのは白樺湖のほとりで、湖を望む客室もたくさんあり、高原のリゾートホテルとしての立地は大変良いと思います。

「ビーナスライン」がすぐ近くを走っており、自家用車利用のドライブ・ツーリングではアクセスも申し分ないと思います。夏のハイキングや、冬のスキーなどにも大変便利です。

ホテルのチェックイン時間は15:00~18:00ですが、車で到着したのは午後5時頃で、あたりは暗くなりかけていました。

ホテル前の駐車場はすでに満車で、一台の空きもありませんでした。

その場合は、ホテルから100mほど離れたところにある湖畔の市営駐車場(無料)に車をとめて、歩いてホテルへ向かいます。

ホテル入口

すでに多くの方がチェックインしていると思われましたが、フロントでは私の前後にも続々とお客さんがやってきて手続きをしていました。

ホテルフロント
大浴場はこの奥
おみやげの売店
浴衣はこちらから各自で部屋へ持参
ロビー
ロビーから見た白樺湖

1階にはフロントのほか、ロビー、ラウンジ、売店、大浴場などがあります。

裏面は館内案内図

チェックインでは、パンフレットを見ながら館内利用の説明を受け、朝夕の食事券と売店の割引券を渡されました。

この時間の到着だと、夕食は19:00~しか選べませんでした。朝は3つの時間帯から選びます。

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客室

浴衣を持って、客室へ向かいます。

今回の宿は本館(ヴィラ)の3階です。

ちょっと懐かしいエレベーター
2階ホールがバイキング会場入り口

食事のバイキング会場は2階にあります。

3階ホールの自販機
カップ麺の自販機と給湯器・製氷器

3階のホールには飲み物の自販機があり、カップ麺の自販機と給湯器もありました。

本館(ヴィラ)の廊下

ホールから本館、ヴィラそれぞれに長い廊下が延び、その左右に部屋が並んでいます。

部屋のドアは昔ながらの丸いノブで、鍵で施錠するタイプです。

部屋は本館(ヴィラ)の「和洋室」で、山側の部屋でした。

洋室部分にベッドが2台と、広げるとベッドにもなるソファーが置かれ、その奥に6畳の和室があります。

山側の部屋の窓からは、景色はほとんど見えませんでした。

トイレは、洗浄機能などは付いていない昔ながらのものです。

大浴場があるので、ユニットバスは使うことはありませんでした。

入口を入ったところにステンレスの流し台が付いていたのが謎だったのですが、こちらは当初、ホテルの他にリゾートマンションも運営していたようなので、その名残かと思われました。

室内にはテレビ、湯沸かしポット、金庫などがあり、暖房機の他にエアコンも付いています。Wi-Fiも問題なく使えました。

机の上の湯飲み、コップとお菓子

部屋は広々しており、今どきの安価なビジネスホテルに比べるとかなりゆとりがあります。

壁などには多少の傷もあり、全体的にはけっこうな古さを感じますが、清潔感もまずまずで掃除もそれなりにされているようで、特に問題を感じるような点はありませんでした。

宿に求めるものは人それぞれですが、自分的には一夜をゆっくり過ごすには十分かと思いました。

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大浴場

こちらはホテルなのですが「大浴場」があり、温泉を楽しむことができます。(大浴場の写真はありません)

白樺湖に面した浴槽は、ホテルの規模に比べると大きいとは言えないと思います。

ゆっくり浸かれるのはせいぜい10人くらいで、洗い場は13ありますが、浴槽も13人入ればいっぱいというくらいの広さです。

小さな打たせ湯もありますが、温泉を楽しみたいのなら、系列の他の温泉旅館を選んだ方がよさそうでした。

しかし、温泉には夜と朝に2回入りましたが、どちらもそれほどの混雑なく入ることができました。

他のグループが食事をしている間や、夜遅い時間帯、朝食後のチェックアウトする人が増える時間などを選べば、ゆっくり入ることも可能だと思われます。

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食事

ビールは3杯飲みました

夕食は90分間のバイキングで、2部制(17:30~19:00?、19:00~20:30)のようでした。

料理は和、洋、中華とあり、特筆するようなものはないかと思いますが、信州らしさなのか、蕎麦が3種類用意されていました。

また、この時はちょうど「10種の寿司食べ放題」というフェアの期間でしたが、こちらも普段のものに加えて種類を増やしたくらいで、大きな違いはないだろうと思われました。

特質すべきは「アルコール類の飲み放題」だと思うのですが、ビールはスーパードライで、日本酒は地酒が数種類あり、焼酎やワインもありました。

ビールは機械にグラスをセットすると自動で注いでくれるものが3台並び、グラスも冷蔵庫にたくさん用意されていて何杯でも飲めるので、これは呑兵衛にはたまらないだろうと思われます。

これを目当てに泊まっている人も、一定数いるであろうと確信しました。

   

気になっていたのは、「混み具合と清潔感」でしたが、会場の座席数が多く、人もそれほど多くはなかったので、ゆっくりと食事をすることができました。

今回は2部制の後半だったので、前半に比べて人が少なかったということもあるのかと思いますし、団体と思われるような方々も見られず、家族連れや年配のご夫婦などが多い感じだったので、落ち着いた雰囲気だったのかもしれません。

ただ、料理が終わってしまって補充されていないものもあったので、料理にこだわるなら前半の方が良いかもしれません。しっかり食べるなら前半、のんびり食べるなら後半といった感じかと思います。

朝食は3部制で、一番最後の時間帯(8:00~9:00)を選びましたが、こちらは昨夜にも増して人が少なかったです。

夕食もそうでしたが、ほぼ満室と思われたのでもっと混雑することを想定していたのですが、これはうれしい誤算でした。食事なしの宿泊をする方もけっこういるのかもしれません。

山側の窓際の席に着くと、道の向こう側に「テディベア美術館」の建物が見えます。

パンは2種類のみ

昨夜食べ過ぎたので、朝は軽く洋食でと思っていたのですが、おかずは和食用のものが多く、パンの種類も少なかったので、急遽和食に切り替えました。

洋食派の方には、朝はちょっと寂しい内容かもしれません。

煮物など、ほとんど終わってしまっているものも少なくなかったので、朝もしっかり食べたい方は、やはり早い時間帯がおすすめかもしれません。

写真を撮るために埋めました

混雑がなかったので全体的に落ち着いていて、料理を取る人たちの行動もみなさん丁寧でした。

食べ終わった座席は、スタッフが食器を片付けた後、アルコールをスプレーして拭いており、清潔感などで特に気になる点もありませんでした。

チェックアウトの際に、次回の宿泊で1,000円引きになる優待券をいただきました。リピーターを増やす取り組みもしっかりされているようです。

白樺湖畔の市営駐車場
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泊まってみて

こちらのホテルは、和室37、洋室19、和洋室89と部屋数があるので、比較的予約が取りやすかったのだろうと思います。

今回は、予約の時点で湖側の客室はすでに満室だったので、泊まったのは山側の部屋だったのですが、宿に着いたのはすでに夕方で、翌日も雲がたれ込めていて景観を見ることがあまりなかったため、特に気にはなりませんでした。しかし予約が取れるのであれば、湖側がおすすめだと思います。

客室はけっこう古さを感じますが、室内に気になるような傷みや臭いはなく、詳しく調べたわけではないので目に付く範囲しかわかりませんが、清掃もきちんとされているようで、特に気になるような点はありませんでした。

ただ部屋にあった羽織の袖が汚れていたのですが、スタッフに話したところ、すぐに交換してくれました。

全体的に、価格を考えればサービスや食事内容は妥当だと思いますし、飲み放題までついているのはこの系列だけなので、企業努力もされていると思います。

     

チェックアウトは11:00までですが、客が退室した部屋には若いスタッフたちがどんどん入って清掃を始めていて、朝食から帰るときには、廊下は一面シーツだらけになっていました。

建物の古さだけでなく、このようなことにも違和感を感じる方には向かない宿ですが、多くを求めなければ、リーズナブルに温泉と食事&お酒を楽しめる宿だと思います。

実際のところ、露天風呂などがある、温泉がメインの他の旅館にも泊まってみたくなりました。細かいことを気にせず、温泉とお酒が好きな方にはおすすめだと思います。