この春は「折りたたみ自転車」と共に、ドライブ&ライドの旅をしています。
今回は、新潟県の海沿いにある自転車専用道路「久比岐自転車道」を走ってみました。
約30kmに渡り海岸に沿って走る気持ちのよいルートで、ほぼ水平な道なので初心者も安心して走れるおすすめのサイクリングロードです。
久比岐自転車道とは


「久比岐自転車道」は、旧国鉄北陸本線の線路跡地を利用した、国道8号に沿って走る自転車と歩行者の専用道路です。
上越市虫生岩戸から糸魚川市中宿まで全長約32kmの距離で、海沿いを走るルートからは、日本海の美しい風景を楽しむことができ、条件が良ければ佐渡島や能登半島も望むこともできます。
久比岐自転車道の「久比岐」は、新潟県上越地域(上越市、糸魚川市、妙高市)の古い呼び方で、「久比岐」または「頸城」と書きます。(以上 久比岐自転車道ポータルサイトより)
久比岐自転車道ポータルサイト https://www.hrr.mlit.go.jp/takada/road/kubikicycling/
このコースにはポータルサイトが開設されており、そこではアニメのPRキャラクターも登場するなど、しっかり広報・宣伝がされている印象で、実際に道の整備も進んでいるように感じました。春から秋にかけては、スタンプラリーのキャンペーンも行われています。
おすすめポイント
景色がよい
海岸に沿ったルートで、終始日本海を眺めながらの走りは爽快です。またところどころにあらわれる廃線跡の鉄道トンネルの姿も魅力です。
高低差がない
海岸沿いを走っていた鉄道の廃線跡を利用しているため、高低差がほとんどなく、体力的な負担が少ないルートです。初心者でも安心して走れると思います。
施設や情報が充実
自転車専用道として新潟県も積極的に売り出しているようで、専用のポータルサイトもあるため情報が得やすく、スタンプを集めると記念品がもらえるキャンペーンも毎年行われています。
沿道の案内表示もわかりやすく整備され、途中には休憩のできる「駐輪所」も多数あり、トイレなども設置されています。また沿線にある「道の駅」などにも、立ち寄りやすいように連絡路が整備されています。
沿道には冬期間を除きレンタサイクルなどのサービスもありますが、借りた場所まで戻って返却する必要があります。
鉄道も並行して走っている
鉄道がほぼ並行して走っているので、すぐに輪行もできます。
また「えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン」では、「サイクルトレイン」という自転車を収納しないでそのまま乗せることができる列車が運行されています。4月下旬~11月末の昼の時間帯の列車に設定されていて、乗車券の他に自転車積込み料金として 290 円が必要です。
日本海沿岸を自転車で走る

今回は、上越市から糸魚川市へ、西に向かって走ります。
上越側のスタート地点は「虫生岩戸」ですが、今回は「有間川駅」からスタートすることにしました。
コースの全長は約32kmですが、最初の6kmほどをカットするので、走行距離は約26kmになります。
カットした区間は、久比岐自転車道が国道8号線の歩道のような位置に並行して走っているので、車の騒音と排気ガスもあり、のんびり走るには向かない部分です。
また、今回は自転車道を往復するのではなく、帰路は鉄道を利用して戻ってくることにしたため、駅の近くが都合がよいということで有間川駅をスタート地点にしました。
※今回のサイクリングで使用している自転車は、下記の記事に詳細があります。

有間川駅からスタート

「有間川駅」は無人駅で、海岸に面した丘の上のような場所にあるため、駅舎やホームから海を見渡すことができる、景観的にも魅力的な駅でした。
ちょっと愛媛県予讃線の「下灘駅」を思い出させるようなロケーションです。(有間川駅の詳細は、下記の記事内でも紹介しています)

車の駐車場所としては、有間川漁港の「有間川フィッシャリーナ」や、桑取川の東の「たにはま公園」に広い駐車場があります。
また、こぢんまりとした有間川駅舎横にも車1台分くらいの駐車できるスペースがあり、駐車禁止などの表示はありませんでしたが、ここに駐車してもよいのかはわかりませんでした。


名立

有間川駅を出発すると、自転車道は国道8号線から離れ、一段高い山際を走るようになります。

少し走ると、すぐに「丹原休憩所」があり、右側には海の景色が広がります。


コース中にはトンネルが多数ありますが、照明のなさそうなトンネルも中に入ると人感センサーで照明が点灯し、暗さを感じるところはありませんでした。入口にはトンネルの長さや通過時間の表示もあり、よく整備されている印象です。


休憩所は各地にあり、どこも海の景色が美しいです。
今回は、平らなコースなので走っていてもあまり疲れを感じず、写真を撮るのにしばしば足を止めていたこともあって、休憩所でまとまった休憩を取ることはありませんでした。体力的な負担の少ないコースだと思います。





名立灯台を過ぎると、自転車道は集落の中を通っていきますが、この道から分かれて「うみてらす名立」へ向かう地下道の入口があります。
今回は、サイクリング中には道の駅へは寄らず先へ進みます。

すぐ近くの名立川のほとりにも「江野せせらぎの広場」があり、こちらでも休憩ができます。



名立の集落を過ぎると、赤い煉瓦造りの「大抜トンネル」があらわれ、ここを抜けると「名立休憩所」です。
能生


自転車道が糸魚川市(旧能生町)に入る頃になると、遙か彼方に雪を戴く頸城の山々が見えてきます。筒石漁港の防波堤も見えます。

徳合付近で、自転車道はいったん国道8号線の隣を走るようになりますが、すぐに分かれて再び集落の中へ上がっていきます。

この辺りがコースの中間になるようで、両方の起点から16kmの地点です。写真のような標識がありました。モグラ駅として知られる「筒石駅」へは800mという案内板もありましたが、後で車で行ってみることにして、先へ進みます。



百川トンネルを抜けると、海の中に大きな岩が見えてきました。「トットコ岩」です。



トットコ岩の向こうには「マリンドリーム能生」が見えていますが、ここも寄らずに、道の駅の向かいにある小泊トンネルを走っていきます。側面にアーチが並ぶ美しいトンネルでした。


能生の集落内を行くと、自転車道は「白山トンネル」に入ります。トンネル内には歩いている人もいたので、地域の生活道路なのかもしれません。

白山トンネルを抜けると「白山神社」があり、美しく整備された境内に社殿が並んでいます。
古くからの漁師町である能生には、こうした古い神社や寺院があると思いますが、幹線道路を車で走っているだけでは気づくことはなさそうです。こうして出会うのも「自転車旅ならでは」と思います。


ラーメン通の方には有名な「あさひ楼」は、この自転車道沿いにあります。
駐車場が満車なのでどうかなと思いながら、空いていたらここで昼食にしようと思い覗いてみました。しかし店の外にも待ちの人がいて、残念ながらパスします。

糸魚川

能生川のほとりにも「能生駐輪場」があり、休憩ができます。
能生の町を過ぎるとこのルートも終盤で、糸魚川まではあとわずかです。




浦本の集落に入ると、自転車道は「浦本駅前交差点」で国道8号線を横断し、海岸沿いに移ります。


浦本からは海岸沿いの真っ直ぐな道を進みます。
海辺で何か捕っている人や、漁港で作業する人の様子などを見ながら走っていると、前方には糸魚川の街が迫ってきます。



やがてローソンが見えてきて、その隣の「中宿駐輪場」に到着すると、久比岐自転車道のサイクリングも終了です。写真を撮りながらのんびり走って2時間半ほどの旅でした。
天気がよく、美しい海を眺めながらのサイクリングは疲れることもなく楽しめました。サイクリングは初めてという方にもおすすめだと思います。ただし、天気がよく風のない日限定という感じです。


この後、駐車した車へ戻るために、最寄りの鉄道駅へ移動します。美しく聳える残雪の頸城の山々を眺めながら、もう少し走りました。
えちごトキめき鉄道に乗る

「えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン」は、北陸新幹線の開業に伴って経営分離された第3セクターの鉄道路線で、かつてのJR北陸本線です。
「梶屋敷駅」は糸魚川駅から上越方面へ向かって2つ目の鄙びた無人駅ですが、古い駅舎に似合わない長いホームが、かつては主要路線の駅であったことを物語っています。

列車は1時間に1本程度で、サイクリングを終えて到着した時刻とタイミングが合わず、けっこう待ちました。
1両だけの列車がやってきました。午後早い時間の列車は空いているだろうと思っていましたが、意外にも座席はほぼ埋まっていました。


トンネル区間もけっこう多く、途中の「筒石駅」はトンネルの中に設置されているモグラ駅です。秘境感漂うこの駅で、乗り降りする人は一人もいませんでした。

乗車前、梶屋敷駅の待合室内には、運賃はワンマン方式でうしろ乗り・前払いという案内があったのですが、乗車すると車掌さんがいて、車内で切符を発券してくれました。
有間川駅でも、乗り降りしたのは自分だけで、一人取り残されるように列車は走り去っていきました。
国道8号線の周辺スポット

道の駅
国道8号線の沿線には、久比岐自転車道にも直結する「うみてらす名立」と「マリンドリーム能生」という2つの道の駅があります。地域柄、どちらも海の幸が中心になりますが、食事やお土産の購入ができます。
うみてらす名立には、日帰り温泉や宿泊施設が付属しており、マリンドリーム能生には、かにや横町や海の資料館などがあり、どちらも施設が充実しています。
サイクリングコースからも、国道8号線を横断しなくてもよいように、地下道や陸橋で行けるように整備されていました。
筒石駅
久比岐自転車道を走る途中に、「筒石駅」への案内がありました。
筒石駅は地下40mのトンネル内にある地底駅で、秘境感あふれる独特な鉄道駅なのですが、ここへ行くにはけっこうな登り坂を800mほど走らなくてはならないので、サイクリングの途中に寄るのはけっこう大変です。自分は車で移動する時に立ち寄りました。
詳細は下記の記事で紹介しています。

海から30分で行ける万年雪
こちらも別記事で紹介していますので、下記の記事をご覧ください。

サイクリングと鉄道とドライブ

今回は、海を見ながらサイクリングを楽しみ、列車の車窓から景色を眺め、ドライブでお土産や穴場スポットを見て回る旅でした。
概要をまとめると、有間川駅周辺に車を駐め、自転車で「久比岐自転車道」を糸魚川側始点まで走り、梶屋敷駅に駐輪して「えちごトキめき鉄道」に乗って有間川まで戻り、車で「国道8号線」を走って梶屋敷駅へ行き自転車を回収する、という、ほぼ同じ区間を異なる方法で3回走ることになりました。
サイクリング中は荷物を増やしたくないので、お土産などはドライブの時にゆっくり見ることができるし、輪行をしなかったので、自転車を気にすることなく鉄道旅を楽しむこともできました。
かなりくどい感じにはなりますが、常に身軽であったため、それぞれの行程を存分に楽しめたと思います。時間に余裕があれば、こういうスタイルも悪くないかもしれません。

