NHKの「ドキュメント72時間」が、視聴者投票に基づいたこれまでの歴代ベスト10を発表しました。
その第一位に選ばれたのが、秋田にある「うどん自販機」についての回でした。
今回は、この有名なうどん自販機を訪ねた時のレポートです。
秋田 真冬の自販機の前で
「ドキュメント72時間」は、放送が金曜の夜11時前後という勤めを終えた方々が見やすい時間帯ということもあり、密かな人気番組であるようです。
そんな番組が、2022年に視聴者投票を行って「歴代人気ベスト10」を決定しました。そしてその結果を、お盆休みに一挙放送していました。
ここ数年、コロナ禍になってからは夜の外出もないので、私もほぼ毎週見ていたため、結果に注目していました。
これまでに321回あった全放送の中で、視聴者の投票によるベスト10の第一位となったのが、「秋田・真冬の自販機の前で」(2015・3/6放送)でした。
高順位だろうと予想はしていましたが、この回が一位に選ばれたことに納得もしたし、少し嬉しい気もしました。
「秋田・真冬の自販機の前で」は、ドキュメント72時間に注目するようになったきっかけの回でもあったので、自分の中でもベストをあげるとしたら「これかな・・」と思っていました。
何ということのない場所が、どこか懐かしい場所であったり、何ということのない食べ物が、かけがえのない記憶と結びついていたりする・・・。
多くの人の記憶の彼方にあるノスタルジーに繋がる世界が、しみじみと描き出されていました。
秋田港にあるうどん自販機
ここを訪れたのは東北ドライブの途中で、初めからここを目指していたわけではなかったのですが、ふと思い出して訪ねてみることにしました。
初回放送当時は、秋田港近くの道路沿いにある自販機コーナーに設置されていましたが、その後いったん営業を終了したり、復活を望む多くの要望に応えて再開したりという紆余曲折を経て、現在は秋田港に臨む「道の駅あきた港」の屋内に設置されています。
放送にあったような、吹雪の中でうどんを啜るような場面はもうやって来ないわけですが、こうして存続しているのは嬉しいことです。
道の駅あきた港
「道の駅秋田港」にはいくつかの建物があるのですが、うどん自販機は「セリオンリスタ」というガラス張りの建物の中にあります。
すぐ隣には「セリオンタワー」が建っていて、遠くからでも分かりやすいので、このタワーを目指していけばよいという感じです。
まずはセリオンタワーに昇ってみます。
「セリオンタワー」は高さ143mで、上部には展望台があり、秋田港から秋田の街まで見渡すことができます。こちらの展望台へは無料で行くことができます。
うどん自販機
うどん自販機があるのはその隣にある「セリオンリスタ」で、ガラス張りの大きなホールの一角にあります。
「セリオンリスタ」には営業時間があり、9:00~18:00です。
また「うどん・そば自販機」にも営業時間があり、10:00~17:00とのことで、今はかつてのように、24時間食べることができるわけではありません。
平日のお昼過ぎ、この有名なうどん自販機を目当てにたくさんの人々がやってきます。
近くにイスやテーブルが用意されていて、地元の方々や観光客の皆さんが写真を撮ったりしながら麺を啜っています。
「うどん自販機と言えば、これ」というお馴染みの機械です。
本体も周辺もきれいに整備されていて、古びた感じはなく、むしろけっこう新しく感じます。
周囲には様々な掲示物もあり、関係する皆さんの思いがこの古い自販機を支えているといった感じです。
うどん(250円)を購入して食べてみました。(※2022年より300円に値上げされました)
天ぷらの載ったうどんで、特にどうと言うことのない味なのですが、冬の寒い屋外で温かいうどんを啜るからこその味わいがあったのでしょう。
ババヘラアイス
うどん自販機があまりにも有名になってしまったので影が薄いのですが、ドキュメント72時間では、秋田の路頭で販売されているアイスクリーム、通称「ババヘラアイス」についても放送した回がありました。
地元のおばちゃんたちが街頭で売り歩くアイスが、へらを使って花びらのような形にしてくれるものなのでこの名前がついたのですが、他の地方ではちょっと見かけないめずらしいものです。
こちらもわざわざ探すことはなかったのですが、しっかり出会うことができました。
セリオンタワーを出た所で、「ババヘラアイス」を販売していました。
ソフトクリームのコーンの上に、ピンクと黄色の2種類のアイスを、ヘラを使って交互に花びらのように薄く貼り付けながら、花の形を作っていきます。
作ってくれる過程を見ているのも楽しいものです。
これも、地元の方にはお馴染みの懐かしい味なのだろうと思います。
夏休みの時期の天気の良い日に、秋田の幹線道路を走っていれば、1回くらいはお目にかかれるのではないかと思います。
旅の道すがら、+αの楽しみを与えてくれたスポットでした。
※記事中の価格等の情報は、現在は改訂されているものがあります。