群馬県長野原町から「草津」や「白根山」を通り、国内の国道最高地点である「渋峠」を越えて「志賀高原」へ繋がる「国道292号線」は、通称「志賀草津ルート」と呼ばれる景色の素晴らしい高原の道です。
しかし国道292号線は、志賀高原を過ぎてからも、新潟県妙高市まで続いています。
今回は飯山以北の国道292号線を終点まで走り、沿道にある「富倉そば」の店を訪ねてみました。
富倉峠
国道としては日本で最も高い場所を通る「国道292号線」は、最高地点の標高が2,172mもある、景色のよい高原のドライブルートとして人気があります。
しかし、国道292号線は志賀高原を過ぎると終わりではなく、新潟県まで続いており、「富倉峠」を越えて妙高市へと続いていきます。
「富倉峠」は変わったところのない一般的な国道で、展望もない普通の峠道なのでドライブルートとして特におすすめする点はないのですが、この沿道には、山々に自生する「オヤマボクチ」という植物の葉の繊維をつなぎに使った「富倉そば」という珍しいそばの店があります。
かつては富倉の集落内に、富倉そばを提供する食堂が何店かあったのですが、コロナによる休業の後、いずれも閉業してしまったようでした。
民家そのままの広間で、おばあちゃんがたっぷりの漬け物や煮物と共に振る舞ってくれるコシのある蕎麦は、そのロケーションと共に素朴な味わいがあったのですが、今となっては懐かしい思い出です。
そんな中、今もオヤマボクチの蕎麦を提供する店が営業を続けています。
かじか亭
飯山市の国道117号線から分かれ、国道292号線を山へ向かって登って行きます。
「富倉峠」は県境ではなく、峠のトンネルを過ぎてもまだ長野県ですが、道は新潟方面へ向かう下り坂になります。
途中にあるトンネルを過ぎると道の分岐があり、その入口に「かじか亭」の看板が出ています。
山深い集落ですが、今ではこの周辺の地下を「北陸新幹線」の長いトンネルが通っています。
富倉そばを味わう
分岐からすぐの、広いダートの駐車場の奥に「かじか亭」がありました。
隣には公民館があり、このあたりは地域の拠点にもなっているようです。
休日のまだお昼前でしたが、店内はほぼ満席で賑わっていました。
店内はけっこう広く、テーブル席の他に小上がりの座敷席もあります。
訪れている方々は年配の方が多い感じでした。
メニューはシンプルで、そば、笹ずし、天ぷらと飲み物だけです。
メニューと共に、「富倉そば」の説明書きもありました。
笹ずしも食べてみたかったので、「笹ずしセット」を注文しました。
蕎麦はみずみずしく、つるりと食べられるタイプです。
つなぎはオヤマボクチの繊維とのことですが、繊維質の感じはなく、適度なコシのある美味しいそばでした。
「てんぷらバー」は自分で取るのではなく、はじめに皿盛りでいくつか提供され、そのあとはおかわり自由というシステムでした。
過疎化の真っ只中であろう集落の中、一軒だけで頑張っているという感じでしたが、特徴ある美味しい蕎麦がいただけました。
ジェラートnina(ニーナ)
蕎麦を食べた後は、国道292号線を「関川」に沿って下っていきました。
天気のよい暑い日だったので、終点の妙高市に着いたところで、近くのジェラートの店を探してみました。
そして、5分ほどの所にあるこちらの店を訪ねました。
メニュートップの「牛乳」を注文してみました。
すると「おまけのひと口」をどれにしますか?と聞かれたので、「塩キャラメル」でお願いしました。
どのアイスにも、違う種類のアイスをちょっとだけトッピングしてくれるサービスがあるようで、こういうのはけっこう嬉しいです。
「牛乳」は信州オブセ牛乳を使用とのことで、甘さ控えめの爽やかな感じのアイスでおいしかったです。
広い駐車場や屋根のある休憩スペースもあり、食べ終わる頃には行列ができている人気店でした。
日本海へ
緑の田園が広がる高田平野の景色の中を、日本海を目指してもうひと走りします。
海の季節までもう少しといった時期ですが、たくさんの人々が、思い思いに海辺のひとときを楽しんでいました。
コロナで止まっていた様々なものが再び動き出し、久しぶりに「夏が来る」と思ったツーリングでした。