【美佐島駅】北越急行ほくほく線の地下駅を訪ねる

【美佐島駅】北越急行ほくほく線の地下駅を訪ねる2

以前、新潟県のモグラ駅「筒石駅」を訪ねた際、新潟県にはもう一つ地下駅があることを知りました。

その十日町市にある「美佐島駅」に、新潟ドライブの途中で立ち寄ってみました。

今回は、北越急行ほくほく線にある地底駅「美佐島駅」の様子を紹介します。

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北越急行ほくほく線

国土地理院地理院地図より引用

以前「えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン」にあるモグラ駅「筒石駅」を、たまたま訪ねてみたのですが、その秘境駅の独特な雰囲気に触れて、それ以来地下にある駅が少し気になっています。

その時に調べたところ、他にも地底駅がいくつかあることを知りました。

その1つが新潟県内にあったため、先日の新潟ドライブの際、少し寄り道をして、地下にある「美佐島駅」を訪ねてみることにしました。

ほくほく線

「ほくほく線」は、新潟県南魚沼市の六日町駅から同県上越市の犀潟(さいがた)駅までを結ぶ北越急行の鉄道路線で、1997年(平成9年)に開業した比較的新しい路線です。

北陸新幹線がなかった時代に、上越新幹線と北陸本線を結ぶルートとして、北陸地方への移動の利便性を高めており、かつては特急列車も走行していました。

しかし北陸新幹線が開業してからは特急が走ることもなくなり、一地方鉄道として地域の足となっている感じです。

地図で見るとわかるのですが、この路線は六日町と上越を直線に近い形で結んでおり、また豪雪地帯であるため、雪への対策という面もあってトンネル区間が非常に長く、路線全体の約7割がトンネルになっています。

これを利用して、トンネル内でイルミネーションが点灯するシアタートレインという列車を走らせるなど、特性を生かした取り組みも行われているようです。

美佐島駅   

「美佐島駅」があるのは、六日町駅と十日町駅の間にある「赤倉トンネル」の中なのですが、六日町~十日町区間のほとんどがこのトンネル部分で、約10kmの長いトンネルで魚沼丘陵を一気に通り抜けていきます。

そのため、この区間には駅自体がほとんどなく、六日町と十日町の近くに1つずつ駅があるだけで、その他には地下駅である「美佐島駅」があるだけ、という状況です。

美佐島駅がモグラ駅になっているのも、長いトンネル区間という状況のため、地下に設置せざるを得なかったということなのだと思います。

また、ほくほく線は拠点となる六日町、十日町、犀潟の3駅以外はすべて無人駅なので、美佐島駅も無人駅です。

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地下トンネルの駅へ

美佐島駅

十日町の市街地を通る国道117号線の「本町六」信号から、県道74号線を東側の山の方へ入っていくと、距離約3km、車だと5分ほどで「美佐島駅」が見えてきます。

山間の道路沿いにポツンと佇む駅舎に、人影はありませんでした。

すこし離れた所に何軒かの人家もありますが、1日の乗降数が一桁というのも頷ける立地です。

山間の駅舎

駅名の看板は片岡鶴太郎書

側壁が板張りになっている駅舎は、無人駅にしては立派なもので、雪国らしい造りになっていました。

早春の駅舎入口の前には、まだ雪かきやスコップなどが置かれていました。

入口を入ると、ベンチと共に水場が設けられています。

その先にもう一つ扉があり、雪の吹き込みなどを防ぐ造りになっていました。

駅舎に入ると、まだ新しさを感じるホールには自販機などが設置されています。誰でも自由に使える傘が置かれているのもありがたい配慮です。

駅らしい設備は「列車時刻表」と「乗車駅証明書発券機」くらいで、どちらかというと公民館?といった雰囲気に近い感じがします。

待合室入口

待合室前の廊下には、地域の行事などを紹介する色鮮やかな美しいパネルが並んでいて、山間の無人駅とは思えない充実ぶりです。

「待合室」も覗いてみました。

待合室は広い畳の間で、暖房も完備していました。

地下ホームへ

ホールから地下へ降りていく階段を下っていきます。

美佐島駅のホームはそれほど深い場所ではなく、地下10mくらいだそうで、階段の上からホームへの入口が見えていました。

階段を降りるとステンレスの自動扉があり、ここを入るともう一つの「待合室」です。

扉には「この扉は、ホーム側扉が開いているときは開きません」と書かれています。

安全面への配慮と、列車通過時の風圧を防ぐためでしょうか、待合室の前後にある扉は同時には開かないようになっていました。

待合室内部

待合室に置かれたノートには、遠方から訪れた方たちによる記述もあり、はるばるこの地底駅を訪ねてくる人が少なからずいることがうかがえます。

列車を待つ間に読めるよう、マンガや文庫本なども置いてありました。

列車が来ない間は、ホーム側の扉は開かないので、ホームの様子は扉ごしに見るしかありません。

待合室の中には、時々どこからか風が流れてくるのですが、列車が近づいている気配だったのでしょうか。

突然、待合室の中に越後弁のおばあちゃんの声が流れてきました。

それに続いて、列車到着が近いことを知らせるアナウンスが流れたのですが、前半のおばあちゃんの声は何を言っているのかほとんどわかりませんでした。

ホームに列車が入ってきました。乗降する人がいないので、ホーム側の扉は開きません。

扉に近づけば自動扉が開くはずなのですが、自分が乗車するわけではないので、ホームに入るのはためらわれ、扉越しに列車を見送りました。

発車直後、ホーム側の扉に近づくと扉が開いたので、一瞬だけホームに出て走り去る列車の写真を撮りました。

階段を上って駅舎に戻ってきました。

30分ほど滞在したのですが、誰にも会うことはありませんでした。

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おわりに

美佐島駅は比較的新しい駅であるためか、扉の開閉も自動扉で安全面に配慮された構造になっていたり、ホームも地下10mほどと比較的浅い所にあったりするため、筒石駅のような秘境感を感じることはありませんでした。

しかし、めずらしい地底駅なので、鉄道や秘境駅に興味のある方は訪れてみるのも面白いと思います。

朝夕を除いた昼間の時間帯は、列車は1時間から1時間半に1本程度しか走っていないので、車で訪れるのがおすすめかと思います。

   

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