長野県は周囲に高山が連なり、名だたる名峰に囲まれていますが、県の中央部にも、2,000mを超える高原が広がっています。
その山上を南北に走っているのが「ビーナスライン」。
かつては有料道路でしたが、現在は全区間無料で通行できます。
そして南は「霧ヶ峰」から北は「美ヶ原」まで、所々にハイキングを楽しめるスポットがあります。
各スポットの散策については別記事で紹介していますが、今回はビーナスライン全体の様子を見ていきたいと思います。
ビーナスライン周辺のドライブとハイキング

ビーナスラインは全長が76kmとされていますが、今回は高原を走る部分の白樺湖から美ヶ原へのドライブ(距離約40km、所要時間約1時間20分)と、周辺のハイキングのスポットについて紹介します。
ビーナスライン沿いのハイキングスポット
ビーナスラインの途中で、駐車して散策することのできる主なおすすめのスポットは以下の3カ所です。
①霧ヶ峰 車山
②八島ヶ原湿原
③美ヶ原高原 王ヶ頭
急げば、ドライブと共に1日で複数箇所を回ることも可能ですが、そこは高原の風を感じながらゆっくり時間をかけて歩きたい場所です。あまり欲張らずに、目的地を決めてそれぞれに訪れることをおすすめします。
また、この高原には、ほぼビーナスラインに平行するような形で、尾根伝いに登山道があり、歩いて縦走することも可能です。
ハイキングの延長で途中にある山々のピークまで登ることもできますが、通して歩くとなると結構な距離があるので、その場合は本格的な登山と同様に、宿泊を含めた計画が必要になります。
ビーナスラインへのアプローチ
ビーナスラインのスタートは長野県茅野市ということになっていますが、実質的な山岳ルートとしてのスタートは、「北八ヶ岳ロープウェイ」の山麓駅近くからという感じです。
「北八ヶ岳ロープウェイ」は、八ヶ岳周辺では唯一の観光用索道で、駐車場に隣接する山麓駅(標高1,771m)から山頂駅(標高2,237m)まで一気に登ることができ、山上駅からは北八ヶ岳に向かう登山道も整備されています。
ドライブの途中、時間があれば山頂駅まで足を伸ばしてみるのもよいと思います。


こちらのロープウェイは観光スポットであると共に、北八ヶ岳登山のアプローチとしても人気の施設ですので、登山をする方もたくさん訪れています。
多くの来客がありますが、駐車場が広く1日中滞在するという人は少ないので、よほどの混雑日でなければ駐車はできると思います。
ここから北上していくと、この高原地帯を南北に走るビーナスラインの途中で、東西に横切る様々な道が合流してきます。これらもドライブルートとしてなかなか魅力的ですので、アプローチとして利用するのもよいと思います。
霧ヶ峰高原
ビーナスラインの南の中心地は「白樺湖」ですが、こちらには茅野からのビーナスラインの他に、上田市方面から国道と県道がそれぞれあり、こちらもアプローチとすることができます。

白樺湖から西に向かうと、あたり一面に草原が広がる、霧ヶ峰に入っていきます。遙かな山並みと青い草原が見渡せる、気持ちの良いドライブが始まります。



ビーナスラインの各所で、車山山頂にあるレーダー観測所の白いドームが見えます。
車山は「日本百名山」の中でも、簡単にピークに立つことができる山の一つです。
車山に登るルートはいくつかあり、車を駐めていく駐車スペースも各所にあります。

最短ルートは「車山肩」からのルートです。登山道はなだらかでドームもすぐ近くに見えますが、準備や休憩なども含め、往復で2時間程度は確保しておきたいところです。


車山登山の詳細については、下記をご覧ください。

さらに西に進み、グライダーの姿が見えてくると、やがてドライブインのある三叉路に出ます。ここでビーナスラインは右方向へ大きく曲がります。直進すると諏訪方面へ下っていってしまうので注意してください。
ドライブインの道を挟んだ向かい側は、グライダーの滑走路になっていて、大空を飛ぶ何機ものグライダーが見えます。
駐車場は広く、お土産屋さんも何軒かあり、大勢の人が休憩しています。ここでの一番人気はソフトクリームのようです。





八島ヶ原湿原
三叉路を曲がってしばらく行くと、「八島湿原」の表示があり、左側に「八島ビジターセンター駐車場」があらわれます。車道から湿原は見えませんが、ここが八島ヶ原湿原への入口になります。

「八島ヶ原湿原」は、霧ヶ峰高原の標高約1,600mに広がる湿原で、日本の高層湿原の南限とされ、尾瀬ヶ原より厚く泥炭層が堆積しているそうです。
周囲を一周する遊歩道が整備されていますが、貴重な植生を守るため歩道以外への立ち入りは禁止されています。
湿原の入口にある看板には「七島八島」と書いてありますが、これは昔からの土地の呼び名らしく、正式には「八島ヶ原湿原」と言います。
周辺には他にも車山湿原、踊場湿原があり、これらをまとめて国の天然記念物になっています。

八島ヶ原湿原の散策については、こちらをご覧ください。

美ヶ原高原
八島ヶ原湿原を過ぎると、ビーナスラインは「山岳道路」の雰囲気になり、鷲ヶ峰の西側の山腹斜面を走って「和田峠」に出ます。
和田峠は古くからの街道で、江戸時代には京都と江戸を結ぶ幹線であった「中山道」の一部として栄えました。
現在の国道142号線は峠の下を通るトンネルとなっていてビーナスラインと交わることはありませんが、峠の旧道とはつながっているため、ここから長和町や下諏訪町に下りていくことができます。
さらにビーナスラインを北上すると、今度は「三峰山」の東の山腹を通って行きます。このあたりは笹に覆われた斜面が広がり、一面の緑の中を走ります。
途中にある「三峰茶屋」には駐車場もあり、展望台から東側の上田方面が見渡せるスポットです。
ビーナスラインがほぼ稜線に沿って走るようになると、間もなく「扉峠」です。「扉峠」からは、松本方面に下ることができます。
道は「茶臼山」の山腹を進み、落合大橋を渡ると、いよいよ美ヶ原の台上に向けて、曲がりくねった登り坂が始まります。坂を登り切るとビーナスラインの終点です。


台上に出ると道は平坦になり、様々なオブジェの立つ「美ヶ原高原美術館」が見えてきます。観光ドライブの皆さんの多くはこちらへ向かいます。
大変広い無料駐車場が用意されているので、駐車に困ることはないと思います。
一方、美ヶ原のシンボル「美しの塔」や最高地点である「王ヶ頭」方面に散策をする人たちは、台上に出る少し手前で左折し、「山本小屋」方面に進みます。
「山本小屋ふるさと館」前にある「長和町町営駐車場」(無料、約60台)に駐車することができますが、ほぼ満車の時が多く、駐めるのは簡単ではありません。




美ヶ原高原の散策については、こちらをご覧ください。

ビーナスラインを走り終えたら
ビーナスラインは、建設計画時には美ヶ原の台上を通って松本側に抜けるルートも検討されていました。しかし環境保護の観点からこの案は見送られることになり、ビーナスラインは美ヶ原高原で終了となっています。
ここからの帰路は、松本方面、上田方面に下るいくつかのルートから選択することになります。
途中まで戻って、扉峠や和田峠から下ることもできますが、市街地までの最短ルートは美ヶ原高原美術館付近からさらに北上し、「県道464号美ヶ原公園西内線」で武石川沿いまで下って「県道62号美ヶ原沖線」で上田市または松本市に出るルートです。
林道になりますのでビーナスラインのようにはいきませんが、標高の高いところは白樺林の中を通る道で、新緑の季節などはとても気持ちの良いルートです。
山の中の道はカーブが多く、道幅の狭い部分もありますので、安全第一の心がけと譲り合いの気持ちをもって、みんなで楽しいドライブをしていきましょう。

