【ホタルイカ】海岸が青く光る幻想的な光景を見に行く春の富山湾

【ホタルイカ】海岸が青く光る幻想的な光景を見に行く富山ドライブ

「ホタルイカの身投げ」という現象については以前から知っていて、いつか見てみたいと思っていました。

しかしこれが見られるのは、3~5月頃の新月付近の月のない夜だけで、天候もかなり影響するようなので、状況を見て遠方からはるばる出かけるのは、なかなかハードルが高いものです。

今年も機会をうかがっていたのですが、コロナの状況が好転せず、日帰りの難しい遠方へのドライブは控えることにしました。

今回の内容は、数年前に富山湾へ行ってみた時の様子です。

夜のことなのでほとんど写真のない記事ですが、現地の実際の様子と感じたことをまとめてみます。

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ホタルイカの身投げとは

「身投げ」とは物騒な呼び方ですが、ホタルイカが産卵のために海岸に近づき、浜に打ち上げられた様子を名付けたものです。

ホタルイカにとっての住処である海から陸へ上がって事切れることから、陸上に住む私たちとは逆に、これが「身投げ」と捉えられたわけです。

普段は深海に住んでいるホタルイカが海岸に近づくこの時期は、食料としての「ホタルイカ」の猟期でもあり、春の味覚としてスーパーにも並びます。

海に出なくても向こうから海岸までやってきてくれるので、捕まえやすいことは言うまでもありません。

そのため、時期になると専門の漁師さんでない一般の人々も、この海の幸を狙って富山湾へたくさん押し寄せてきます。

食べるのではなく観たい

私の場合、食べるために捕獲するつもりはなく、浜辺にたくさん打ち上げられ、最後の輝きを放つホタルイカの光景を見たいというだけです。

ネットでそうした写真を見て、「こんな神秘的な光景があるんだ」と思い、いつか自分も観てみたいと思うようになりました。

しかし現在、それはとてもとても難しいことになっていることを実感しました。(コロナは関係ありません)

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見られる時期と場所

「ホタルイカ」と言えば富山です。訪れたのは富山湾の最も奥に当たる滑川市から富山市にかけての海岸でした。

そして時期は春ということですが、3月~4月にかけてはまだ寒く、しかも夜の行動になるので、暖かくなる4月~5月を待って出かけました。

前回訪れたのは、数年前のゴールデンウィークの初めなので、写真は4月の休日の深夜の様子になります。

現れる日は限られている

ホタルイカはいつでも見られるわけではなく、現れるのにはいくつか条件があるそうです。

一般的にホタルイカが見られるのは、3~5月の月のない夜、波が静かで南風の吹く日の満潮の頃に多いと言われていますが、必ずしもそうでもないという意見もあり、諸説あるようです。

だから、春の月のない夜に富山湾へ行けば見られる、という単純な話ではありません。様々な条件を鑑みて出現を予想し、いつ行くか、どこへ行くかを判断するのですが、「運」と「勘」によって大きく左右するものらしいです。

地元の人でもはっきりとはわからないようです。

どこで見られるか

国土地理院地理院地図より引用 地理院タイルに追記して掲載

ホタルイカ自体は広い範囲で見られるようですが、時によって出現する場所も様々で一概に「ここ」ということはできませんが、有名なスポットがあります。

食用に捕獲する場合、砂浜にいるものは体内に砂がある場合が多く、食べるのに適さないようで、港の防波堤などで捕る人も多いようですが、こちらは玄人向けです。

より手軽に捕獲するには「砂浜」が適していて、海水浴場が人気です。

浜黒崎、岩瀬浜、八重津浜、海老江海浜公園などの海水浴場は多くの人が集まる人気のスポットのようです。

このあたりの海岸をずっと走りながら、様子を見ていきました。

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海岸の様子

駐車場が確保できないので、ちょっとだけ空き地に駐めさせてもらい海岸に出てみました。

写真は道路沿いから海を見たところですが、海岸線にはずっと灯りが連なっています。

ここはそれほど人出の多い場所ではないと思うのですが、それでもたくさんのヘッドランプの人々が行き交っています。

けっこうな深夜ですが、子どもの姿も見られます。

足元に一匹、また一匹と確認できる程度のホタルイカがいて、このあたりの人たちは捕獲のためと言うより、のんびりとホタルイカ掬いを楽しんでいるといった様子に見えました。

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春の夜の富山湾

あまり下調べもせずに訪れて最も驚いたのは、「人の多さ」でした。

深夜の海沿いの道を走って行ったのですが、駐車場となる場所はどこもいっぱいで、人と車で溢れています。

ヘッドランプの灯りが行き交い、駐車場の隅では、七輪で炭をおこし今捕ってきたホタルイカを炙って食べているグループもいます。

かなり大きな駐車場でさえ満車で、駐車場所を求めて走り続けましたが、深夜に土地勘のないところで駐車場所を探すのは無理だと思いました。それくらい混んでいます。

そして普段ならこんな時間には誰一人通らないであろう深夜の漁村の道を、普通に若い女性が歩いていたりします。

賑やかな明かりはまったくないのですが、一言で言えば、この雰囲気はまさに「お祭り」です。

富山の人々(一部だと思いますが)にとって、これは春の風物詩と言える一大行事なのだろうと思いました。

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見ることが難しい幻想的な光景

さて、このような状況なので、ホタルイカを捕る人の仲間になるのは難しくありません。身支度をして道具を持っていけば、誰でも自由に捕ってよいようです。

しかし、私の目的はホタルイカの身投げを見ることだったのですが、じっくり見るということはなかなかできないのが現実でした。

そもそも海岸は人だらけ、灯りだらけで、ホタルイカが流れ着いたとしてもその光はわかりづらい状況だと思いました。

このようなわけで、この時は、思い描いたような光景を見ることはまったくできませんでした。

この時はたまたまホタルイカが捕れていたようですが、日によってはまったく捕れないこともめずらしくないようで、ホタルイカに出会うことさえ難しいものです。

居たら居たでそれを狙う人々が押し寄せる状況の中、「静かに神秘の輝きを見よう」というのは、ほとんど無理な話だろうと実感しました。

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今後に向けて

それでも諦めたわけではありません。

それほどたくさんではないホタルイカがやって来る日に、そこまでたくさんの人出もないであろう中で、何とか写真の一枚も撮れるのではないか、と期待しています。

それも「幸運」という偶然の手助けがなければ難しいことですが・・・。

またネットの情報によると、富山湾岸に限らず、新潟県の糸魚川周辺でもけっこうホタルイカが捕れているとのことなので、こういう場所を狙ってみるのもありかなと思っています。

いずれにせよ、地元の方以外にはハードルの高いことですが、気長にチャレンジしたいと思います。

今年のシーズンは終わりを迎えますが、来年はコロナの心配なく出かけられることを願っています。