【ミニストーブ】ダイソーの固形燃料で調理できるか試してみた

【ミニストーブ】ダイソーの固形燃料で調理できるか試してみた2

この春、ダイソーから「ミニストーブ」が発売されたのは知っていたのですが、これまで店頭で見かけることはありませんでした。

しかし、最近は供給にゆとりが出てきたのか、各店舗でよく見かけるようになり入手できたので、その使用感を試してみることにしました。

今回はダイソーの「ミニストーブ」についてのリポートです。

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ミニストーブとは

この製品は、「エスビット」社製の「ポケットストーブ」に大変よく似ています。

「ポケットストーブ」とは、ドイツのアウトドア用品メーカー エスビット社が開発した「簡易コンロ」で、これと固形燃料を使って簡単な調理ができるものです。

ドイツ軍などが採用して兵士に配られたことから、その性能は折り紙付きで、世界中に愛好者がいます。

このように有名なものなので、これによく似た製品も数多く見かけられます。

ダイソーが出したミニコンロ

ダイソーの「ミニストーブ」も、見た目はそっくりで、構造がシンプルなので性能もほぼ変わらないと思われます。

しかし、こちらのダイソー製は価格が330円(税込み)で、本家エスビットの数分の一です。

ダイソーでは少し前から、アウトドア関係の製品の棚に「メスティン」が山積みされるようになっていたので、メスティンとセットで使うと便利な「ポケットストーブのような製品」も出てくるだろうと思っていましたが、これまで見かけることはありませんでした。

しかしここへ来て、一気に供給が追いついてきたようです。

アルコール燃料での調理

実を言うと、こうしたアルコール固形燃料を用いた道具は、これまでほとんど使ったことがありませんでした。

調理といえばもっぱらキャンピングガスで、シングルバーナー以外での調理はほぼ経験がありません。

そこで今回、固形燃料を使う器具の火力がどのくらいで、どの程度使えるのかを試してみました。

構造と使い方

ダイソーミニストーブ

大きさは100×77×20(mm)のスチール製で、重さは105g。手のひらに載るサイズです。

たいへんコンパクトで造りも堅牢、内部は小物類などを収納するケースとしても利用できます。

見ての通りのシンプルな造りなので、多くの説明は必要ないと思いますが、使う時は上面を両側に持ち上げて広げ、真ん中に固形燃料を置く場所をつくるだけです。

この動作は2段階になっていて、60度くらい広げた状態と、90度になるまで広げた状態の2カ所でカチッと止まり、固定されるようになっています。

全開にしてしまうと小さなものを乗せることができないので、小さめの調理器具にも対応できるようになっています。

燃料も100均製品で

本家エスビットの場合、固形燃料はタブレットになっていて、使う個数で火力の調整もできるのですが、今回はダイソー製の固形燃料を使用します。

宴会の時などに、個人用の鍋ものによく使われている青色の固形燃料と同様のもので、一度火をつけると燃え尽きるまでそのままというものです。

火力調整はできませんが、個別にミニゼリーのようにパックされているものを置くだけなので、手軽で使い勝手はよいです。

なお、この固形燃料にはいろいろなサイズがあり、ダイソーのものは1個25gですが、同じ100均ショップでもセリアには30gのものが売られていました。今回はダイソー製の25gのものを使います。

ここまでの購入総額は440円。100均ショップがアウトドア製品の販売に乗り出す前は考えられなかった価格です。

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ミニストーブを使う場面

想定はハイキングでの昼食

今回使用感を試すにあたっては、すべて野外で行いました

アルコール燃料はとにかく風に弱いので、実際にどの程度使えるかは、屋外でやってみないと何とも言えないと思ったからです。

想定は「ハイキングに出かけ途中で温かい昼食を摂る」というもので、具体的にはお湯を沸かしてカップ麺をつくり、食後にコーヒーを飲むといった内容です。

固形燃料の燃焼時間はおよそ20分なので、その間に沸かせる水量なども確認しながら、実際に行ってみます。

防風板を用意

実験するにあたって、風対策として、「防風板」も用意しました。

実際の野外での使用では、「防風板」は持参必須になると思います。

ダイソーでも「アルミ風よけ(コンロ用)」(550円)が販売されていますが、シングルバーナーでも使える製品で、ミニストーブで使うには少し大きくて重いかなといった印象です。

今回は軽装のハイキングに持参する想定なので、こちらのキャンドゥ製「アルミ製折りたたみ風防板」(330円)を使用しました。重さは106gです。

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実際にどのくらい使えるのか

ダイソーミニストーブ

検証したのは夏の晴れた日の昼下がりで、場所は公共のバーベキュー場です。

現地に着くと、よく晴れていますが入道雲が湧き立ち、こういう夏の日の午後に特有の、やや強い風が吹き始めていました。

風通しのよい林の中で、風速4~5mほどの風が吹き付けてきます。

「この風では難しいな」と思い断念も考えましたが、せっかくなので「この風の中で実際どのくらい使えるのか確かめてみよう」と思い、とりあえずやってみることにしました。

実際のハイキングでも、山の上ではこのくらいの風はよくあることです。

カップ麺用のお湯を沸かす

カップ麺を作るためのお湯を沸かします。よく見かける縦長のカップ麺だと、必要な湯量はだいたい300mlほどです。

クッカーに水300ccを入れ、ミニストーブの火にかけます。ちなみにクッカー(容量390ml)もダイソー製です。

実際にかかる時間

ダイソーミニストーブ使用例

固形燃料に火をつけ、300mlほど水を入れたクッカーを乗せます。

固形燃料は、燃焼スタートから火が燃え尽きるまで、およそ20分です。

とにかく風が強く、軽い防風板が風で動いてしまい、炎が安定しません。石を置いて防風板が動かないようにしましたが、炎は風に流されて熱効率はかなり悪そうです。

20分が経ち、固形燃料が燃え尽きましたが、水は沸騰にはほど遠い状態です。とりあえず2個目をセットして火をつけました。

30分ほどしてようやく水泡がポツンポツンと沸き上がってきますが、まだ沸騰という感じにはなりません。

そして40分が経ち、これ以上時間をかけるのは現実的ではないので、ここで加熱を止めました。見た感じでは80度くらいといったところです。

カップ麺にお湯を入れて3分間待ちます。

できあがったカップ麺は、少し硬い部分もありましたが、普通に食べられる状態にはなっていました。

今回のような40分という時間は、実際の山中での行動中なら、とてもかけられない時間です。やはり「風があると使えない」という印象は間違ってはいませんでした。

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ミニストーブを使ってみて

ダイソーミニストーブ

私は普段の山行などでは、行動中にまとまった食事を摂る習慣がなく、休憩時にいわゆる「行動食」を少しずつ食べています。

そのため、行動中に火をおこして食事などを作るということをしたことがありませんが、今回はそんな場面を想定して、ミニストーブで挑戦してみました。

この日は風が強く、実際にこのような風の状況なら、たとえシングルバーナーを持っていても使っていないと思います。

今回は苦戦がわかっている厳しい状況での検証だったので、これだけで「ミニストーブ」を評価するつもりはありませんが、風への弱さは改めて実感しました。あくまでも補助的な器具と考えた方がよいのではないかと思います。

後日、同じことを、風速1m程度の日に建物の陰で行ったところ、8分程度で沸騰し始め、風がなければ普通に使えることも確認しました。

次回は、さらに使い勝手を検証すべく、相性の良さそうな「メスティン」を使ってご飯を炊いてみようと思います。   

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